KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

滅亡カウントダウンー日本衰退の原因3-横並び体質と個性的な人間を忌み嫌い「空気を読む」人間が出世する社会

さて、日本衰退の原因3

実はこれがもっとも深刻な内容である。

例えば1の教育とか、2の昭和脳は日本社会が本当に改善しようと思えば(そう思わせるのは簡単ではないが..) まだやりようがあるが、この3番目の横並び体質は日本人の国民性、

私は時々字幕の英語翻訳とか仕事でやることがあるが、日本人が普段使うことばで英語への翻訳が不可能な言葉が結構ある。

例えば「よろしくお願いします」とか「お疲れ様です」といった日本人なら頻繁に使う言葉だがそれに当たる英語はない。状況別にケースバイケースで言葉を使い分けるしかない。

その中でも英語に翻訳不可能な言葉として日本人が頻繁に使う「空気を読む」という言葉がある。実際これを字幕でも吹き替えでも翻訳するときは頭をかかえる。

欧米人に例えば直訳気味に"Read the atmosphere"といっても何のことか理解してもらえない。それもそのはずで、欧米社会では「周囲の雰囲気をみながら」行動するという習慣はそもそもない。つまり「空気を読む」というのは日本人独特の習慣といってもいい。

日本という国は島国であると同時に「ムラ」(村社会)中心に動いているため、「ムラ」の中で目立つ行動、他人と違う行動をとると「ムラ」の秩序を乱すものとして排斥される。学校などで一向になくならないいじめも結局はこの村社会的体質が原因である。

出る杭に対しては日本人は徹底的に打とうとする。目立つ奴はことごとくたたきつぶせという習慣は日本人のもはやDNAレベルで定着している。

一方、一度でも海外に住んだ経験があるとわかるが海外では「出る杭」にならないと存在を認めてもらえない。自己主張してこそ初めて自分の希望するものを手に入れられる。口開けて待っていても誰もふりむいてくれない。

こうした日本社会の体質は天才的な才能が育ちにくくなる。事実日本からはビルゲーツもステイ―ブジョブスも生まれていない。たぶん潜在的にこの両名の素質に近い人材がいたのかもしれないが、そういう人材を社会全体が悉くつぶしてきたのだ。

だから企業社会では能力がずばぬけている人間が出世することは少ない、ない。とは言わないが極めて少ない。現実は上司へのおべっかが上手で周囲に波風をたたさず誰にでもいい顔する人間の方が出世する。

徳川家康は周囲に自分に諫言する、ずけずけと意見を言う人間を置いたが最近の経営者の殆どは周囲にイエスマンしか置かない。そのイエスマンの中で特に気に入られた人間が出世する。

そういう人間はたいていの場合特に日本のこと、日本の産業、将来についてビジョンを持っているわけではない。いや、寧ろ明確な考えをもっているとトップに嫌われる。あくまでもトップの考えに限りなく近く同調しなければならない。

そうしてめでたく社長になってからはただひたすら「自分の任期」を無難に恙無く業務を果たせばいい。新しい事業やチャレンジなどリスクが高いものはやらない。かくして「そのようなことは前例がない」という官僚顔負けの前例主義が企業を支配することになる。世界に挑戦する企業、新しい技術で世界に冠たる商品を開発してきたのも今は昔の話

今は違う。みんなと同じ考え、空気を読んで全てが横並び。横並びでなくてはならないのだ。そうでない人間は組織からはじき出される。

これが一企業の話ならまだしも、総理大臣というこの国の政治の最高権力者ですら同じ要領で決められている。

その典型が岸田文雄内閣総理大臣だ。

この人のやっていることをみればわかるが、この総理大臣は基本何も考えていない。ただ官僚や自民党の安倍派や麻生派を中心とする勢力のほぼいいなりである。「聞く力」というのは自民党公明党に対して自分の権力を支える勢力に対する「聞く力」であって国民の声に対してではない。そして彼らのいうことさえ聞いていれば支持率がどんなに低くなろうが自らの立場は安泰だ。

つまり自らの保身さえできればいいのである。そのために「空気を読む」能力だけは重要になる。

保身というのは官僚の専売特許だが最近の政治家も財界のトップも同じである。

要するに無能な奴しか出世できないシステムに日本社会はなっている。

こういう人間がここ10年くらいに起きた劇的な価値観の変化などに対応できるはずがない。そもそも価値観の変化が起きたこと自体きがついていないだろう。

勿論殆どが昭和脳である。そして日本の教育ーとりわけ「横ならび教育」を自らもうけ、さらにそれを推進してきた人たちである。

そういう人達が政治権力を握り、この社会のありとあらゆるものを仕切っている。

そんな人間しか出世しない社会。絶望的である。

このままでは日本、滅亡しかない

滅亡カウントダウンー日本衰退の原因2-日本社会を未だ牛耳る昭和脳ー価値観の変化に対応できずIT後進国の元凶

日本が衰退する原因、いろいろあるが次はやはりこれだろう

「昭和脳」なる言葉が頻繁に使われてから久しい。

正直どこの会社でもこの「昭和脳」の人間が存在し、どこでも煙たがられている。そして昭和脳の人間がが会社の上司とか重役以上の人間だともう最悪である。

昭和脳とはだいたい以下のような傾向の発想をする人間だといわれる

・根性論、根性さえあればどんな問題も解決できると信じている 体育会系的

・ルールよりも人情、感情で動く

・所属する会社、社会への優先順位・忠誠度が高く自分や家族は二の次

・男尊女卑の思考、LGBTを始めとする多様性など言語道断だと考える

・自分の考えが絶対的に正しく他の価値観を受け入れない、思考が硬直しがち

・IT音痴、パソコン音痴が多い

見逃している点もあるかもしれないが、だいたいこんな傾向を持っている。

日本だけでなく世界全体としてここ10-20年くらいに価値観がドラステイックに変わった。日本人同士で話をしているとなかなか実感がわかないかもしれないが、20年前とは明らかに価値観が変わっていっている

具体的には

1.ボーダーレス化ー 国境に関係なくコンテンツ情報行き来しコミュニケーションが取れる時代

2.多様性(デイバーシテイー)性的嗜好、人種、文化の違いを認め尊重すること

3.SDGs(持続可能な開発目標) ー貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水の供給等全ての人が取り残されない社会を目指す 。海や陸の資源を保護しつつ持続可能な利用を行う。気候変動にも対策

 

この3点が全世界に共有され、新たな価値観として世界中に広まった。

ところが当然ながら昭和脳の人たちはこの3点による価値観の変化を理解することができない。

例えば、1のボーダーレス化

いまだに情報源は地上波のテレビ中心でインターネットの情報を基本的に信用しない(というより情報のリテラシーが低い)そのため1のボーダーレス化を実感することができない

2の多様性ー基本男尊女卑の価値観で育っているためLGBTなど言語道断と考えている

3のSDGs ー高度成長や「モーレツ社員」の価値観で育ったため「持続可能な成長」なる概念を理解できない人が多い  

まあ世代によるギャップならそれまでだが、問題はこの昭和脳の人たちの多くがいまだ会社でもお役所でも政治でも現役として仕事している点

もっというと政治、行政、財界のトップ。この殆どが昭和脳の人たちによって仕切られている、というのが最も大きな問題なのだ。

当然のことながら日本のトップはここ10年くらいに起きた価値観の大変動など理解することなどできまい。

それがこの国の政策、進む方向をおかしくさせている。

昭和脳の人たちは「日本の最盛期」といっていい80年代末のバブル時代を経験していて、それゆえ昭和時代を自らのアイデンテイテイのように考えている人が多い。ちょうどアメリカが停滞していた80年代にアメリカの最盛期だった1950年代を懐かしむ傾向があった。(映画「バックトウーザーフューチャー」参照)「昭和脳」の人たちにとってバブル時代がそれに相当する時代なのだろう。

だが成功体験は人をダメにする。一度このやり方で成功したのだからこれからも成功するはずだ。という風に考えてしまう。しかし1980年代と2020年代は時代背景が根本的に違うから同じ発想など通用するはずがない。だが「昭和脳」の人たちにはそれが理解できない。

そしてそういう発想しかできない昭和脳が日本の世の中を仕切っているため特に情報産業、IT関連の停滞は深刻である。

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例えば役所関係や大手銀行とかに多いのだがインターネットの申請やウエブの作業が、いまだにInternet Explorer でないとできない所が少なくない、マイクロソフトがとっくの昔にサポートを終了したブラウザだ。いつの時代のサーバーを使っているのかといいたくなる。

日本社会が「昭和脳」によって牛耳られていることが日本のデジタル競争力を大幅に落としているのは間違いない。

またIT化が進んでいるはずなのに企業の業務処理能力も落ちているのを感じる。

どうもリストラしている時にIT処理能力があるが上司へのおべっかが下手な人間をリストラして上司のおべっかが上手な「昭和脳」でIT音痴の人間を残しているケースが少なくないようにみえる。そもそも上司も昭和脳なのでIT関係の知識をロクにもっていないケースも多いという

日本が真に復活するには申し訳ないが政財界と行政のトップから昭和脳の人が全員引退していただくしかないのだ。

そして昭和脳が日本の政財界から払拭されない限り日本の再上昇はない。これは断言してもいい。

だが今の日本にそれを断行できる人間はいそうにない。

日本の教育、そして昭和脳 でも日本衰退の原因はまだあるのだ。

それは次回

滅亡カウントダウンー日本衰退の原因1-教育ー自分の頭で考えない思考停止、周囲の同調のみ考えで無関心、絶望的な民度へ

お気づきの方も多いと思うがこのブログ、最近政治関係の記事が減っている。

今の岸田政権ははっきりいって最低である。突っ込むところはたくさんあるが、それを書いたところで今の自公政権の作った流れは変わらないし、何よりも政治関係の記事を投稿しても当ブログのアクセス数は少ない。それだけでもいかに政治ネタの関心がこの日本という国で低いかということがわかる。

だがそんなことはだいぶ前からわかっていたこと。だが社会ネタや政治ネタを書くことが少なくなった理由はそれだけではない。

それは一言で言えば

現代の日本人に絶望している

からである。

日本はあらゆる面で世界から後れを取っており、また国としてもはや三流国に転落している。

卑屈になっているのではない。客観的にみて事実だからである。

日本がITの面では世界的に見て後進国なのは、もはやいろんな面をみても明らかだし、車以外の主産業ではもはやアジアに越され完全に大きく後れをとっている。もはや本当に一部の分野を除いて日本が最先端といえる分野はもはや殆どないのである。

いわゆる保守系、右寄りの人たちの中には日本が先進国から転落したことをいまだに認めたがらない人が多い。「G7に参加しているじゃないか!」「サミットに参加しているではないか!」

いやいやそんなことは表面的かつ形式上の問題でしょう。ここで論じているのは実態に基づいた話。

 

なぜこうなってしまったのであろうか?

 

厄介なことはこの原因は1つだけではない。それゆえ何回かに分けてこの問題について考えたいと思っている。

最初の問題提起は教育である。

今年の初め「朝まで生テレビ!」で、田原総一郎が出演者に「日本から出てけ!」と怒鳴り続けられたお笑い芸人たかまつななの件があった。あとで田原が謝罪してその場は丸くおさまったようだが、あそこには今の日本の現状についての本質がつかれていた。たかまつの発言に私は大きく共感した

「日本には諦めがはびこっている。日本は社会を変えられると思っている若者は2割くらいで、先進国の中でものすごく低い数字なんです」などと意見をぶつけ「やっぱり教育が必要」と欧州の主権者教育の必要性を述べた。 

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まあそれにしても田原氏、そろそろ老いぼれと言われても仕方がない行動をとっている、ウーマンラッシュアワーの村本氏もいっていたが本当にこれはクソである。

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そもそも日本人はデイべートが下手である。それどころか最近の教育の影響か、討論とケンカの違いが理解できない人間が増えている。批判と誹謗中傷の差も理解できない。

私はこれを島国根性といっているが、ただ波風をたてずその場を丸くおさめる、ことしか考えない。そこには建設的な議論は存在しない

もう1つ引用しよう。話題にもなったが鴻上尚史氏の時事通信向けの「成人式に向けて」の原稿、詳しい背景は不明だが、「体言止め」野表現にしろ、ということらしいが今一つ意味不明である。

 

鴻上氏の原稿をこのまま引用掲載させていただく

正直とこが修正が必要なのか。全く理解できない。だが原稿の内容で決裂するというのはよほどのことである。まして鴻上氏はプロの物書きである。考えられることは時事通信側が「差しさわりのない」「波風の立たない」表現に変えるように要求し、鴻上氏はそれじゃ意味が伝わらない、ということで拒否した。というのが真実ではあるまいか。

そしてこの文章で鴻上氏も示唆しているように日本の教育はブラック校則も含め「自分の頭で考えるな」という教育をしてきた。ひたすら従順で上のいうことに一切の疑問を持たずいう通りに従うことこそが正しい道という教育だ。

その結果どうなったか。自分の頭で考えない、選挙にもいかない、政治に無関心な人が大量に発生した。上司に意見するなどもってのほか。総理大臣や政治家に異議を唱えるのももってのほか。そんな風に日本国民は洗脳されたのではあるまいか。

実際以下の自公政権の政策は選挙にきちんといっていれば止めることができた政策である。

・防衛費倍増、そしてそれに伴う増税

インボイス制度

原発再稼働

憲法改正

ジェンダー平等LGBTQの停滞

コロナで生活がボロボロになっているにもかかわらず、増税、中小企業やフリーランスインボイス制度による苦境にこのままでは国民の生活は更にくるしくなるだろう。

だがそれに対して政治にモノ言おうという動きは今の日本人、悲しいほどにみられない。政治的発言をするのは「ハシタナイ」「出しゃばり」などというアホがネットだけでなくあちこちにいるからだ。

なぜなら「ものの言い方もわからない」ー自分の頭で考えていないからだ。

選挙の上記の5つの政策を推進する政党(自民党公明党日本維新の会)以外の政党に投票すればいいだけの話。

でもそれができない。やろうという意思すらない

文部省、自民党を始め「自分の頭で考えない」ように子供たちを洗脳してきた。そしてその洗脳が見事に成功した。

諸悪の根源は日本の教育である。

しかも日本が衰退する原因はこれだけではない。辛いがまだまだあるのだ。

続きは次の投稿で

どうする家康 第一回目を見てさまざまな懸念。今回は一年通してみることができるか?

ここ数年、結構見ごたえがある大河ドラマが続いていたので、今年はという期待ももったのだけれど、本日第一回の「どうする家康」をみていささか正直言って不安になった。

実は徳川家康については歴史オタとしてもかなり集中的に今までも詳細に読んだ来た。勿論山岡荘八の「徳川家康」ー確かに山岡荘八の描く史実で特に石田三成の描き方に今日では否定されている史実も多数ある。とはいえ、今まで私としても他の大名よりはかなり詳しく知っているつもりだ。

勿論大河ドラマー歴史ドラマといっても所詮は歴史上の実在の人物を描くとはいっても所詮はフィクションである。重箱の隅をつつくように「ここが史実と違う」などといちいち指摘するのは野暮である。歴史小説といっても所詮はフィクションであり嘘だからである。

だがそうはいっても限度はあるだろう。例えばいくら歴史小説が嘘といっても関ケ原石田三成に勝たせるわけにはいかない。織田信長が本能寺で生き残る、なんてこともありえない。ここまでいくともはやコメデイ、オチャラケの域だろう。冗談のハチャメチャなドラマならばありえるだろう。昔「仮面の忍者赤影」のドラマ版よろしく戦国時代なのに宇宙船が出るわ怪獣がでるわ、などというノリなら別ジャンルのドラマとしてはありである。ただそうなるともはや歴史ドラマではなく、コメデイ時代劇サイエンスフィクションといってもいい。

まあそういうハチャメチャなジャンルのドラマはそれはそれで面白いがさすがにNHK大河ドラマではそれはできまい (笑)

今回はそこまでハチャメチャではないが、やはり史実的に無理がある、違和感がある点が早くも出ている。あまり重箱の隅をつつくような真似はしたくないのだが..

1.  元康(家康)と瀬名(のちの築山殿) が仲睦まじく、しかも瀬名が慎ましい感じの女性として描かれている。

今まで家康を描いた多くのドラマでは瀬名(築山殿)は性格の激しく、家康がお手付きで妊娠させたお万の方の折檻等の情報等、家康の若い頃の不幸の源だったが、今回はそれとは真逆に描かれている。意図的にそうしたのがわかるが、後武田勝頼とのスパイ行為とか信康の切腹とかがあることを考えると、そういう描き方をしてしまうとこの後の整合性をどうするのか?(それこそ「どうする脚本ww」)何らかの矛盾が発生する可能性がある。

2.  今川義元三河勢の関係が良すぎる。

松平元康は幼いころから今川家の人質になっていたが、確かに今川家の人質生活は最近では後世いわれるほどひどくはなかったであろう。家康が生涯の師と後年まで仰いでいた大原雪斉に勉学の指導を受けていたのも事実のようである。だが特に桶狭間の戦の時はすでに元康の父親は亡く、既に人質になっている理由はないはずだが、いまだ岡崎城は返してもらえず、大高城への兵糧運搬にしても実質捨て駒扱いと思われても仕方がない。少なくとも今川義元が「今川家と氏真を支えてくれ」などとわざわざ陣中見舞いで言ったとは考えにくい。

実際そこまで今川家と蜜月関係があったのなら、桶狭間以降、すぐに岡崎に戻り織田信長とも清州同盟を翌年に結ぶというのはやはり考えにくい。やはり今日の描き方は後々の家康の行動の整合性を考えると違和感を感じてしまう

3. 本多忠勝

重箱の隅をつつくようで嫌なのだが本多平八郎忠勝は桶狭間当時12歳、あのような精悍な若者ではないはず、ちなみに忠勝の烏帽子親は家康自身である。

 

無論毎回厳密に史実通りにやれ、とはいわない。三谷幸喜の「鎌倉殿の13人」も史実と違うところ(たぶん意図的にそうした)がかなりあった。でもドラマとして違和感なく見ることができた。

今回はどうだろうか? 少し嫌な予感がするのは以前の「天地人」という最低の大河ドラマがあったが、少しそれに似ている感じがする。

それは以下の記事を呼んでもわかる

■『どうする家康』は大河の伝統を覆す野心作に? 瀬名姫の設定における史実との違い

www.cyzo.com

歴史ドラマは確かに歴史上の人物を扱ったフィクションなんだけど史実の扱いを間違えると逆効果になるのでは?、と懸念する。やはりこの後の展開を考えると築山殿が「心優しい女性」はやはり無理があるだろうと思うのだが?

歴史オタクには見るにはつらい大河ドラマになるかもしれない。今年一年見るのに耐えられるだろうか?

あともう1つ!

一応映画音楽をやっている人間の端くれとしていいたいのだが

今回の大河ドラマ「どうする家康」のテーマ曲、なんかつまらん 

そう感じたのは私だけだろうか?大言壮語するつもりはないけど、一応映画音楽作家の端くれからすると今回のテーマ曲よりははるかにマシな曲作る自信があるよ。
まあ依頼なんか来ないだろうけど(笑)

2023年が「新たな戦前に」ーこのまま国民が選挙にもいかず政治に無関心を続けたら間違いなくそうなる。

2023年に入りまして初めての記事です。

今年は業務の上では自分の一大転換期になるだろうと考えておりますが、そちらは私のの音楽ブログの方に書きます。

2023年は年末にタモリ森田一義氏が「徹子の部屋」で述べた「2023年は新たな戦前になる」という発言

news.yahoo.co.jp

あまり政治的発言をしないというイメージがあるタモリだが、それだけにこのひとことはものすごくインパクトがある。尚町山智浩さんの話だとタモリが政治的発言したのは初めてではないらしい。

 

最近の政府の防衛費を倍増を例によって自民党的手法の「密室」の政治で、国民の暮らしが苦しくなっている時に防衛費倍増に伴う増税。それだけでなく北朝鮮から絶え間なく発射される「飛翔体」という名のミサイル。当たり前のように国境を侵害してくる中国、台湾情勢、そして実質的な冷戦状態になっている米中関係に翻弄されている日本

どれをとってもいつ戦争になってもおかしくない要素がある。

またこの国の現在の総理大臣はどこをみても頼りないし、何も考えてないようにみえる。ただ自民党の安倍派、麻生派、そして財界や官僚のいうことをそのままいう通りにしている。たぶんほぼ自分の意見など殆ど持っていない。持っていたとすれば安倍のみっともないエセ国葬の強行くらいだろう。

その結果今以下のような政策が行われようとしている

・防衛費倍増に伴う増税

インボイス制度の強行

原発の再稼働推進

憲法九条を含む改憲(実質的には改悪) の姿勢崩さず

・円安進行にも関わらず対策も何もせず(明らかに日銀総裁の金融政策失敗)

・賃上げに事実上の失敗にも関わらず物価高騰対策をほぼ何もせず

・実質的にズブズブだった自民党統一教会の関係にメスをいれず「やったふり」に終始

・コロナ対策にも消極的

 

他にもいろいろあるが、とにかく岸田政権になって目ぼしい成果は少なくとも2023年1月現在、ほぼ皆無といっていい。

支持率は右肩下がりに下がっている。当然のことである。

だがここで岸田政権の増税だけでなく岸田内閣の政策に文句を言っている人たちにいいたいのは、

あなたたちの中で実際選挙に行った人はどれくらいいるのか?

昨年の参議院選挙や一昨年の衆議院選挙に実際に投票しましたか?

投票した人は勿論文句を言う権利がある。

だが選挙にもいかず、政治に無関心な態度を取り続けている人が文句をいうのはいかがなものか?

前回の衆議院選挙にせよ昨年の参議院選挙にせよ、今の自公政権に異を唱えていまの自公政権を止める機会は何度もあったはずである。

にもかかわらず選挙に投票にもいかず、自らの意思表示すらしない人間が文句をいう権利が果たしてあるのか?尚、白票を投じたり棄権するのは意思表示でもなんでもない。何度もいっているが白票や棄権は自公政権を支持する行為と同じである。それがどうしても理解できない人たちがいるらしい。

それでも頑なに政治への無関心を貫き、選挙に投票に行かない人たちが今まで通り国民の半数近くいるとしたら間違いなくタモリの発言どおりになる。

つまり

このまま国民の半数が政治に無関心を続けたら間違いなく新たな戦前になる 

ということである。

最後にラサール石井のこの記事で今年最初の記事を締めたいと思う。

www.nikkan-gendai.com

平家、源氏、北条、鎌倉殿の13人ー滅んだはずの氏族ーでも僅かに生き残り子孫を残していた者たちがいた。

今年度の鎌倉殿の13人、三谷幸喜氏の練りに練られた脚本もあり面白いドラマであったと思いますが、まあそれにしても容赦なく粛清、滅亡の様子が描かれてだいぶげんなりしたのではないでしょうか?

大河ドラマは歴史を素材にしたとはいえ基本的にはフィクションです。しかし氏族の滅亡を800年以上までの話とはいえこれでもか、と見せられるとかなり暗くなるでしょうね。

しかし確かに滅亡し権力の座が追放された一族も僅かながら生き残った人たちがいます。なかには驚くなかれ、現代まで存続している家系があります。それら「滅亡したはずの一族」の生き残った人たちをみてみましょう。

まず歴史上に源氏、平氏といいますがいずれも臣籍降下から武士として各地に定住したために一口に言って源氏、平氏といってもいろいろあります。その中でも一度権力を握り滅亡した氏族を中心に揚げます

平家

桓武平氏の中の伊勢平氏は通称平家と呼ばれますが、実は全ての平家が壇ノ浦で滅んだわけではありません。同じ平家でも生き残った人たちがいます、

平頼盛ー清盛兄弟の中で壇ノ浦の戦い後も唯一生き残った人物。後白河院に近く平家が都落ちしても京都にとどまり鎌倉の頼朝の連絡役もやっていたそうです。そのため壇ノ浦後頼朝に厚遇され宮廷内に地位を保ちました。子孫は実朝の左近衛大将任官に際し、鎌倉に下向し鶴岡八幡宮拝賀に付き従ってと伝わってますが、鎌倉時代血筋が耐えた模様です。

平貞能平氏譜代の有力家人で嫡男の平重盛、次男の平資盛の補佐役を任されました。清盛死語の当主となった宗盛の都落ちの方針に賛同せず別行動をとります。貞能は逃げ去った一門の有様を嘆き、源氏方に蹂躙されぬように重盛の墓を掘り起こして遺骨を高野山へ送り、,九州に転戦するも思うような成果が得られず、一時出家します。平氏滅亡後に貞能は縁者の宇都宮朝綱を頼って鎌倉方に投降します。宇都宮朝は自らが平氏の家人として在京していた際、貞能の配慮で東国に戻ることができた恩義から源頼朝に助命を嘆願し認められます。その後の消息は不明

平時忠平清盛の継室である平時子の同母弟。公卿として活動。清盛の継室の親族ということもあり、政権運営に深く関わります。後白河法皇三種の神器の返還を求めた折、時忠は壇ノ浦で捕虜となり三種の神器の神鏡を守った功績により減刑を願いで死罪は免れます。時忠と嫡男の時実の一族は流罪となり能登国の配地で生涯を終えます。平時忠の子、平時国の子孫は代々この地で農業や塩業などを営み時国家として現代も血筋を残しています。平家一門で現代まで続いている家系があったというのが驚きですね。

源氏(河内源氏嫡流

清和源氏といっても頼朝の河内源氏嫡流以外に、武田氏、佐竹氏、足利、新田氏と様々ですが、ここでは河内源氏に限定します。尚、織田信長に滅ぼされた武田氏は徳川家康の尽力で高家として復活し、その他足利の庶流で赤穂浪士に討ち入りされた吉良氏、今川氏、新田庶流の山名氏、岩松氏も徳川家康によって高家という形で家名を保ち明治維新まで続いています、佐竹氏や細川氏戦国大名から江戸時代まで生き残り現在まで続いています、細川氏からは1993年に総理大臣として細川護熙氏が出ています。

頼朝嫡流

まあ源氏は 実朝の暗殺と暗殺者の公暁の謀殺で「誰もいなくなった」状態のはずだったのですが、実は政治の表舞台には出なかったものの僅かながら生き残った人たちがいました。

阿野氏ーあれ?阿野全成と息子の時元はいずれも殺されたのでは?とお思いでしょうが、実は阿野全成には娘がおり、公佐に嫁した後、公佐と全成娘の子孫が代々これをそのまま相続し公卿に列しました。子孫は後醍醐天皇後宮に入って後村上天皇を産みます。しかし南朝から一族は分裂、血筋は室町時代で途絶えます。江戸時代から既に全成の血流はないものの復活。明治維新まで続きますが息子たちがことごとく太平洋戦争で戦死。事実上家名は途絶えています。

土佐吉良氏 鎌倉殿の13人には出てきませんでしたが、頼朝の同母弟の希義の遺児・源希望が頼朝に取り立てられ、土佐の吉良荘を与えられ土佐吉良氏を称したと伝えられます。室町時代から戦国時代まで存続しますが、天文9年(1540年)に滅亡します。

吉見氏 源範頼の子孫にあたりますがドラマでは源範頼は頼朝に暗殺されたように描かれていますが、範頼の死去には異説があり、範頼は修禅寺では死なず、越前へ落ち延びてそこで生涯を終えたという説や、武蔵国横見郡吉見の吉見観音に隠れ住んだという説などがあります。尚、誅殺されたと記す史料はいずれも範頼の失脚から100年以上経た14世紀以降のものであり、誅殺を直接裏付ける同時代の史料がないことから、実際に死去した日付や死因については確実なものとはいえない点と、範頼の一族には何の処分も下されていないこともあり、範頼の処遇については確実なことはいえない、というのが正直なところです。

 そして範円の子である吉見為頼に至って吉見を名字とし、子孫は御家人として存続し吉見氏と称し、その後戦国大名大内氏、毛利氏に従ったものの江戸時代に謀反の疑いで誅され江戸時代で断絶しています。

北条氏

さて、鎌倉殿の13人で御家人の多くを粛正し泰時の時代以外はまさに「殺しまくった」北条氏ですが、鎌倉幕府の滅亡時に北条一族のほとんどは討死、また直後に自害し北条氏は滅亡します。しかし最後の得宗である北条高時の次男の時行が中先代の乱を起こしましたが、捕らえられて処刑されてしまいました。しかし愛知県郷土資料刊行会が編纂した『尾陽雑記』では、時行と熱田大宮司家の女の間に生まれた時満(または行氏)の子である北条時任が愛知郡横江村に達し、さらにその孫で赤目城築城主・横井時永が横井氏を称した、とされています。

横井氏ー この横井氏から幕末に福井藩松平春嶽の政治顧問として活躍した横井小楠もこの末裔だと称していて、その末裔は現在も続いています。

鎌倉殿の13人で滅ぼされた氏族

さて、鎌倉殿の13人で滅ぼされた氏族ですが、果たして生き残りはいたのでしょうか?

梶原景時ー全員が梶原景時の変で滅んだわけではなく、梶原景時の兄で、鶴岡八幡宮(鎌倉若宮)の臨時別当に就任した梶原景実(専光房良暹)が梶原一族の没落、和田氏、畠山氏の没落の後に鎌倉を離れ石浜(宮城県気仙沼市唐桑町)に土着。以来33代、直系子孫が現在まで連綿と続いているそうです。

比企能員ー比企氏族滅後、唯一生き残った人物として比企能本がいますが、出家して僧になっていますが血縁はそこで途絶えてます。

畠山重忠北条時政との対立により畠山重忠が敗死すると重忠の旧領と畠山の名跡は、足利義兼の庶長子・足利義純が重忠の未亡人(鎌倉殿の13人にも出てきました義時の妹になります)と婚姻して畠山氏は桓武平氏から清和源氏に変わりました。以後足利一門からも重用され室町時代では三管領家の1つになります。その後戦国時代に一旦滅亡しますが、江戸時代に高家として復活。明治まで続きます。

和田義盛ー和田合戦で一族は滅びましたが義盛の末子の杉浦義国は命からがらに近江国まで逃れて、杉浦氏の祖となったという記録が残ってます。また義盛の孫の朝盛も生き延びて、同族の佐久間家村の養子となり、佐久間氏の名跡を継いだそうです。佐久間氏はのち織田氏に仕え、一時信盛の時代に織田信長より追放されますが、のち江戸時代に幕臣になり、幕末には松代藩から佐久間象山という偉人も登場します。子孫は現在も存続しています。

 

まあ滅亡としても一部の氏族はともかくたいていは生き残りがいて、最終的に子孫を現代まで残している氏族が多いことがおわかりでしたでしょうか?平家の子孫が現代まで残っているというのは意外でしたね、

参考までに現代まで子孫が現存している「滅亡したはず」の氏族には印をつけています。

「死ぬどんどん」などと揶揄された鎌倉殿の13人、この記事を読んで少しは明るい気分になりましたでしょうか?(笑)

 

鎌倉殿の十三人最終回ー粛清の義時から日本史上三大宰相の泰時の時代に

鎌倉殿の13人ー今回で最終回でした。クライマックスは衝撃的とか意外なもの、とかいう情報が飛び交ってましたし、脚本の三谷幸喜氏は「ハッピーエンドにはできない」という風にいってましたが、なるほどこういうクライマックスだったとは。基本的には歴史家からは否定されていますが、のえさん(伊賀の方)の毒殺説を取っていますが、そこからさらに一ひねりした最後でした。史実と違う点とかは一年通していろいろありましたが、何度もいいますが歴史ドラマは「歴史のシミュレーション」ではありませんので重箱の隅をつつくのは野暮なことだと思います。

鎌倉時代の初期は頼朝の時代も北条義時の時代も粛清に次ぐ粛清で「死ぬどんどん」wwなどと揶揄されましたが、最後は息子の太郎こと北条泰時の時代に移ります。

       北条泰時 1183-1242

ここからは私の独断と偏見による歴史観なので、興味ない方はスルーしていただいて結構ですが、私は日本史上で最も偉大な宰相ー政治家を3人揚げています。それは政治家としての実績がずば抜けている3人で、異論がある方もいるでしょうが次の3人です

1.聖徳太子

ご存知通称厩戸皇子(うまやどのみこ、うまやどのおうじ)と呼称し、用明天皇の第二皇子で叔母の推古天皇の下で摂政となり、日本初の憲法である十七条の憲法 や身分出身でなく能力に応じた、冠位十二階  といった当時の日本としては画期的な制度を制定しさらに仏教を始め遣隋使の派遣を始めとする大陸文化の積極的導入等、その後の日本にも大きな影響を与える政策を行いました。勿論飛鳥時代の人物なので記録もあまりなく人物像の記録もどの程度できるか、という問題はありますが、それ以降の律令制度も含め古代にこれだけの政治実績を揚げた人物は他に見当たりません。

三大宰相の一人として挙げるべき人物と考えます。

2.北条泰時

鎌倉殿でも描かれていましたが、やはり太郎泰時に戦も内乱もなく安定した政治を行いました。義時も泰時と頻繁に対立を起こしながらも泰時の素質を誰よりも理解しており、泰時の執権就任を願いました。

そしてその最大の実績がドラマでも描かれていました御成敗式目を制定したことでしょう。身分の高下にかかわらず、えこひいき無く公正な裁判をする基準として作ったのがこの式目で日本における最初の武家法典です。日本社会の慣習や倫理観に則って独自に創設された固有法という点で日本法制史上特殊な地位を占め後世からも高く評価されたものでした。

人格的にも優れ、武家や公家の双方からの人望が厚く中国古代の聖人君子(堯、舜)にたとえられるほど評価されています。但し承久の乱後の朝廷に対する厳正な措置を恨み悪評を下すものもいましたがいましたが(立ち位置が違うと批判される、これは致し方のないことです)しかし全般的に泰時は徳政を讃えられる傾向にあります。やはり日本史上屈指の名宰相といっていいでしょう。

3.徳川家康

さて来年の大河が「どうする家康」ということもありますが、一方で聖徳太子北条泰時と比べますと近世の人物だけに前者2名と比べても情報が桁違いに多いため、逆に家康に関しては賛否両論といいますか、信長や秀吉の方を評価する人も少なくありません。しかし江戸に幕府を作り文字通り「坂東武者」の政権ーそれも鎌倉時代室町時代と比べくもないほどの安定政権を作ったこと。そしてそのことが250年間ー一部の小乱を除き一度も戦争のない世の中を作ったこと、それだけでも評価に値するのではないかと思います。そのために禁中並公家諸法度17条、武家諸法度一国一城令が制定されましたが、諸法度=べからず集、のようなものを決めたのが家康の評価を下げている要因になっていたのかもしれません。

 「どうする家康」ではどのように描かれるのかわかりませんが、山岡壮一版の徳川家康では家康の家臣は家康に対してずけずけといいたい放題いったり、諫言や反対意見も結構面と向かって言ってましたが、今回の家康ではどうでしょうか?

よく「経営の虎の巻」といわれるほど部下の扱い方がうまかった家康。果たしてどういう描かれ方がされますか、今から楽しみではあります。

www.nhk.or.jp

とにかく一年間「鎌倉殿の13人」楽しませてもらいました。キャスト、スタッフクルーの皆さん お疲れ様でした。

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