KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

目を疑うアメリカ議会潜入ー支持者を煽動して暴動に発展させたトランプの史上最悪の大統領決定

眼を疑うアメリカ議会への「クーデター未遂」とも受け取られる事態

本当に目を疑うことが起きた。世界の民主主義をリードする(はず)の国で発展途上国のクーデターのような出来事がおきたのである。

そもそもこの騒動は大統領選挙後のアメリカ議会が選挙結果の認定を行う恒例の行事を行うその日に起きた。

選挙結果に不正があったとして自らの敗北を認めようとしないトランプ大統領があろうことか、支持者をアメリカ議会に支持者を集め、議会に向かって行進させたのだ。その口調は明らかに民衆を煽動するような発言だった。

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議会に行進した支持者は暴徒と化しアメリカ議会への侵入を図った

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この事件で

議会で射殺者まで出た。民主主義のアメリカでは屈辱的なできごと。そして議会を占拠するこの面子を見れば暴動の主は白人極右勢力であることは明らかである。
警察の後の発表ではパイプ爆弾が二本みつかり、重火器の武装も見つかっており、これは完全なテロリズムといっていい、

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連邦議会に侵入したバッファロー男はアリゾナのQアノン、ジェイク・アンジェリ、その隣のヒゲ男はボルチモアのネオナチ、ジェイソン・タンカースリー
アメリカの民主主義が今音をたてて崩れた瞬間である。私に民主主義の尊さを教えてくれた国がこのような姿になろうとは..
ここで暴れている人たちはアメリカの建国の理念を信じる愛国者でも、経済格差によって苦しめられている「忘れられた人たち」でもない。根拠のない嘘を信じ、幻想の世界で生きる人たちが現実に対して襲い掛かっているだけだ。
だが今回のこの事件でネットの情報リテラシーにかなり深い問題があることを感じ取っている
 

自分の好きな情報しか信じようとしない歪んだネットリテラシー

そう。何度でも書くがこのトランプの一連の騒動の裏にはネットの情報に対する偏った、そして歪んだリテラシーが背景にある。

今回はトランプが選挙結果に「不正選挙だ」といい続けた根拠のないいいがかりを多くのトランプ支持者はあたかも事実であるかのように信じこんでいた点にある。おかしなことにアメリカだけでなく日本国内でもかなりその事実を信じてしまっている人が多い点である。

どうもそこにはネット情報に対するリテラシーの問題を見ることができる、

具体的にいうと 自分の好きな情報しか信じようとしない という点である。

そもそも選挙の不正というのはトランプ陣営のみが主張していることだが、訴訟をおこして数々の連邦地裁に不正の証拠を出すように言われてもトランプ陣営は一つとして証拠を出せていない。

そもそも不正選挙というデマを流し続けてるのが今回のデモにも参加したジェイク アンジェリ主宰の陰謀論サイトのQアノンで昨日のトランプの煽動に乗った人たちはそれを鵜呑みにしたことによる。このジェイク アンジェリはアメリカ人なら誰でも知っている人間である。

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この男がトランプに関するあらゆるデマの発信源で、いわば日本の「チャンネルさくら」に相当するものだ。

実は今回の議会乱入もトランプ支持者の間で議会に乱入したのはアンティファであってトランプ支持者じゃない、というデマがまことしやかに流れた。

彼らと話してみてわかったのは、彼らはトランプ支持者のサイト、ツイートの情報は信じるがそれ以外の情報に対しては全く見向きもしない。何を云っても聞く耳を持たない傾向が強いという点だ。

日本のネトウヨもその傾向があるがマスメディアの情報より、Qアノン、日本で言えばチャンネル桜のようなものを信じるのは正しい、などと考える人たちが多いという構造が日米のネット情報で大きな問題だと考える

勿論マスメディアも忖度やバイアスがかかっているので100%鵜呑みにはできない。してはならない。しかしだからといってそれがQアノンやチャンネルさくらの情報があてにしていいという理由にはならない。言ってみれば警察があてにならないからといって「もっともらしくいう」詐欺師の方を信じるようなものである。

だが日米のとりわけネトウヨにはそういった傾向が極めて強い。

情報リテラシーを高くするためには例え自分が気に入らない情報でもそれを吟味し、どれが正しいのか日常的にファクトチェックするクセをつけることが重要である。

超えてはならない一線を超えたトランプ

今回の議会占拠(あえていうがクーデター未遂)はトランプは超えてはならない一線を超えたことをトランプとトランプ支持者は理解していないようだ。アメリカ企業もトランプ政権に見切りをつけたようである。アメリカの企業はアメリ修正25条では閣僚の過半数が承認すれば大統領を罷免でき副大統領が職務を代行できる。まだ摘要された前例はないがトランプが最初の例になる可能性が出てきた。任期は残り12日だが..

www.stltoday.com

副大統領のペンスもさすがに愛想つかしたようだ。

明らかに今日の出来事はアメリカ歴史の汚点だ。今回のできごとで史上最低の大統領確定である。

変化の年?日本終了目前? 今後のことも含めて(後)ー政府がアホだから国民もアホになる

この記事の続きになります。

変化の年?日本終了目前? 今後のことも含めて(前)

年末から新年にかけて家族の入院騒ぎがあった関係で後編を書くのが遅れてしまった。2020年は本当に最後の最後までいろいろと災難が湧くように出てくる。

 

取りあえずはそちらの件は落ち着きそうなので、続きを書くが、「日本終了」などという言葉をあえて使ったのは他でもない。やはり日本人の平均的レベル、平均的知的水準が明らかに落ちているのを感じているからだ。

この状況はなかなかひとことで説明できないのだがいくつかに焦点を合わせるとわかる

1.政府がアホだから国民もアホになる

菅政権は実質安倍政権を踏襲し、安倍政権のミニコピーのようなものである。そしてある意味安倍政権以上に酷い。

安倍晋三という男は普通なら国のトップにまずならないような知的水準の持ち主である。しかし日本人の間にすっかり定着した無関心、思考停止の風潮が定着し政権がどれだけ不正や暴挙を行なっても自分の問題と思わず黙って受容する風潮が強くなった。それが本来なら森友、加計、そして「桜を見る会」のどれ1つでも内閣がふっとぶようなスキャンダルなのに日本国民の大多数はそれを受容し、歴代最長の政権運営を許してしまったのである。

 多くは批判する野党の方を批判し、総理大臣が犯罪行為を起しても何の抵抗もない怒りを示さないほど日本人は「飼いならされて」しまったのである、

■安倍政権の任期の歴代最長達成は日本人が思考停止と無関心で大幅劣化したことの証明である

kyojiohno.hatenadiary.com

安倍晋三ははっきり言ってバカである。小学生程度の漢字も読めない、云々を「でんでん」市井を「しい」etc etc  

ひとことでいえばバカが政権を握ると国民もバカになるらしい。

菅に変わっても同じ、

GoToが発端で第三波を起し口先では自粛を国民に要請しながら自分は大人数で会食するようでは全く説得力がない。「首相が会食しているんだろうから、みんなで飲み会やっても問題ないだろう」といった考えが街中に普及する

誰が考えてもこのコロナ第3波の感染拡大は人災で全て菅政権の政策のまずさが原因である。全責任は菅政権にあるといっても過言ではない

digital.asahi.com

今の日本人がもう少し自分で頭で考えることができればこんなバカなことはしないだろう。しかし思考停止が定着した日本人には効かない。

まさに政府や国のトップがアホ →  一般国民に普及  というのが実態であろう

2.マスコミが流さない情報を信じることが高いリテラシーという勘違い

これはトランプに関する別記事にも書いたが 、トランプもはっきりいってバカである。しかし国のトップがバカだと国民もバカになってしまう、先日の大統領選の状況はまさに典型的な例といっていい。

kyojiohno.hatenadiary.com

勿論一定の知的水準の人はご存じだがマスメデイアの情報を全て信じるべきだ、ということではない。とりわけ日本のマスコミがそうだが、政府機関への忖度と事実を「正しく」伝えてはいない。しかしだからといってその辺の訳のわからないサイトの情報(多くはデマである)がマスメデイアの情報などより信頼できる、ということにならない。

かくして陰謀論やデマがネット、とりわけSNSに氾濫することになる。You tubeその他のサイトにある「もっともらしく見えるデマ」を真実と信じ込みあちこちに拡散する。

そのメカニズムでかくして「コロナは嘘」「コロナは単なる風邪」などという見解があたかも真実であるかのようにネットで拡散される。

だが「単なる風邪」だと思っていた症状から死に至ってしまったことを私達は先日目撃したはずである。

mainichi.jp

これに関してはJBプレスが事実をありのままに的確な記事を書いている

jbpress.ismedia.jp

つまりコロナを甘く見て、ネットのデマサイトを信じ「コロナは嘘」「コロナは単なる風邪」 を鵜呑みにすると、これからもし本当の感染爆発が起きたら、自分の生命にも関わることになる。

何か1部のネットの人間に「マスメデイア系の情報を信じない」あるいは「マスメデイアと違う情報を信じる」ことがカッコいい などと考える人間が少なくないような気がする。

そんな人間が社会の多数になった場合、既にいくつか入ってきている感染力が1.7倍の変異種が感染拡大したら、文字通り「日本終了」である。

何か冗談抜きにそれが現実的になりつつある

2021年の日本、心配である。

変化の年?日本終了目前? 今後のことも含めて(前)

私だけでなくおそらく日本人の大多数にとって最悪な年(とりわけ私のようなエンタテインメント業界で働く人間にとっては未曽有の危機)ではあった。

そんな中で様々な事情もあってこちらのブログを余程の事態が起きない限り1年以内に閉めようと思っている。

前にも同じようなことを書いた記憶があるのだが、正直いってもう数年前からこうだったのだが、ひとことでいえば最近ブログを更新するパワーがなくなってきたのだ。

こちらのブログは音楽、芸術以外の記事を書くブログなのだが、いざ更新しようと思うと何かモーテイベーションが起きなくて挫折する、ということが続いたのでそろそろ潮時かな、という感じになっている。記事は公開し続けるが、そのうちほったらかしになるだろう。

ではいつまで? となると2021年は選挙イヤー

衆議院が10月に任期満了になるため嫌でも選挙しなくてはならないのだ。それは与党も野党もわかっている。問題はそれがいつになるのか、という一点のみが注目である。

今回野党は289ある選挙区について、全て野党で統一候補を出すという原則で立憲民主党社民党含む)国民民主党共産党で一致している。立憲民主党は旧国民民主党との候補で選挙区の調整が必要な9つの選挙区では調整をほぼ終えているが、国民民主党との競合地区が3選挙区あり、こちらは調整が進んでいない、(調整は難しいとの報もある)

さらに289選挙区のうち51選挙区がまだ野党の候補者が最終決定していない。年明けいつ解散があってもおかしくないことから、決定を急ぐべきだろう。(但し私は菅政権は来年度予算を成立を3月までは優先させると思うので、解散があるとすればそれ以降だろう)

いずれにせよその衆議院選挙、政治に無関心や政府にどんな酷い仕打ちをされても何とも思わない鈍感な国民が多いことを考えると決して楽観はできないが、野党も2017年の衆院選の失敗は繰り返したくないだろうから野党統一候補擁立に全力を揚げるだろう。

いずれにせよこのブログはそれまでで終わると思う、仮に政権交代が実現すればその時点でこのブログの役割が終わったことになると思うし..

今ブログって猫も杓子もやっていて本当に星の数ほどになっているのでかつてのような影響力もない。炎上とか暴論を吐くとアクセスがあがりますが、そんなものをわざと仕掛けるほどヒマ人でもないし...

いずれにせよここ8年間の間に日本という国は本当におかしくなってしまった。行政だけでなく国民もおかしくなってしまった。はっきりいってこの日本という国。もはや終了目前、都いっていい状態である。

ここから立ち直らすには半端ではないが、後半は主にコロナと来年への展望について記そうと思う

やはり同じ穴のムジナ? 菅政権発足3か月過ぎ安倍政権並みの酷さが露呈

元々安倍政権の数多くの犯罪行為

1.桜を見る会

2、加計

3 森友

それ以外にもたくさんあるが、要は首相になった菅義偉(すが よしひで)は実質的に安倍政権の「共犯者」といっても過言ではない。

だから菅政権でいくらかマシになる、と考える向きにはハナから同意できなかった。

しかしここしばらくの菅政権の行動は一言でいって実にお粗末のひとことである。

理由は私よりも以下の記事群が全てを説明しているだろう。わざわざいうのもバカバカしい

mainichi.jp

 国民には5人以上の飲み会は開催しないように、などと云っておきながら自分は二階と8人での「ステーキ会食」その批判もやまないうちに連日「会食」のはしご、

いやはやこれでは何の説得力もない

www.jiji.com

大人数の忘年会見送り??

言う相手が違うだろ?

ステーキ忘年会やったのは誰だよ。二階と頭の中がカスの首相に言えよ

因みに私は昨年忘年会5連チャンあったけど今年は一つもねえよ。良識ある大多数の国民はそうしてるよ。

そうしているうちに自民党で大人数の忘年会を開催した議員がいることがばれた

mainichi.jp

政府与党側に全く緊張感がない。自覚のあまりのなさに怒りを通り越してあきれる

正直いって菅を始め議員連中の誰かが感染し、重症化し死者でも出ない限り本当の緊張感は生まれないのかもしれない

そのくらい現在コロナの現状は深刻である。

東京での感染者 17日 822人

        18日 664人

        19日 736人

街を歩いていてもみんなマスクしているし、お店等ではあちこちでアルコール消毒が置いてある、にもかかわらずこの感染状況

いつ1000人になってもおかしくないレベル。入院患者も増え明らかに4月より状況は悪い。もはや年末などと言ってる状況じゃない。一刻も早く緊急事態宣言を行うべき。

でも菅政権はやろうとしない

その背景が次の図でわかる

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何が為され何が為されて来なかったのか。誰の目にも一目瞭然だ。菅首相と二階幹事長はひとことでいえば「国民の健康や安全よりも自分たちの利権を守ることを優先」する連中だということがわかる。

GoToによる観光業界の延命。それも実体経済に占める割合がそんなに大きいのかというとそうでもない。全く合理的でない利権絡みの政策判断により現在の事態を現出させたA級戦犯といっても過言ではない

やはりこの政権、安倍政権に勝るとも劣らない酷い政権だ。一刻も解散総選挙を行いこの内閣、ならびに自公政権を倒すべきである。

菅政権に日本人は殺される

ドラマの都合で「悪役」にされてしまった摂津晴門ー本当はどのような人物?

麒麟が来る」で摂津晴門役を半沢直樹なみに悪役を派手に演じきった片岡鶴太郎さん、たぶん今回で見納めでしょうが、取りあえずお疲れ様でした、ということで。

今回あらかじめ「麒麟が来る」の最大の悪役、という風に事前に伝わっていましたが、それはあくまでドラマの話。大河ドラマは実在の人物を扱うとはいえ、やはりフィクションですが、この摂津晴門、実は知名度が低いばかりか、記録もひじょうに乏しいので実際にはどういう人物だったのか全くわかっていない、というのが正直なところです。

いろんなところに年表が書いてありますが、そもそも生没年が不詳です。記録がないのでわかっていないのです。

享禄元年(1528年)11月28日  従五位下中務大輔に任ぜらる。
天文4年(1535年)   伊勢貞孝、伊勢貞忠に継いで、政所執事になる。
天文15年(1546年)12月19日 摂津元造、足利義輝元服式の奉行を務める。
天文19年(1550年)5月4日 12代将軍・足利義晴、死去。摂津元造、出家。
天文22年(1553年)    嫡男・摂津糸千代丸誕生。
永禄5年(1562年)頃  父・摂津元造が死去。
永禄5年(1562年)6月   足利義輝、伊勢貞孝を解任。政所執事になる。
永禄8年(1565年)5月19日 「永禄の変」で嫡男・糸千代丸死亡。享年13。

   《中略》

永禄11年(1568年)2月8日    足利義栄への将軍宣下に出席拒否する。
永禄11年(1568年)4月15日  足利義昭元服式の奉行を務める。
永禄11年(1568年)10月   足利義昭、伊勢貞為を解任。政所執事になる。
元亀2年(1571年)1月25日  山科言継、年始挨拶に来る。(『言継卿記』)
元亀2年(1571年)11月1日  政所執事解任。伊勢貞興政所執事になる。 

元亀3年(1572年)8月6日 足利義昭から朝廷への使者を務める(最後の記録)

 

今回「悪役」にされてしまった背景として

(1) 生没年不詳で記録があまり残っていない事

(2)  直系の子孫が既に絶えていること(嫡男は足利義輝暗殺の永禄の変で死亡)

ということもありますが、幕府の中の「保守派」と受け取られる部分もあったためドラマの悪役にするのがうってつけということもあるかもしれません。

いずれにせよ上記の記録だけでは摂津晴門がドラマのように私腹を肥やしたり、悪事を働いた人物であるかのように断定するのは難しいですが、片岡鶴太郎さんの演技がインパクトがあったため、今後摂津晴門がこういうイメージで扱われることが常道化しそうでいささか気の毒な気もします。あくまでドラマの上での話ですからね

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片岡鶴太郎演じる摂津晴門

 

アメリカ大統領選にみるメデイアリテラシーのありかたに現代のネットの諸問題をみる

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アメリカ大統領選が終わって4週間になろうとしているのに、アメリカの各種機関が「選挙に不正はなかった」という結果になっているのにいまだに「選挙に不正があった」と頑なに信じている人たちがいる。

しかし何とまあ見苦しい「抵抗」を続けるものだ。しかしもはや悪あがきするだけで打つ手はなしに近い状況である。

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しかしこの状況をみても、まあよくも次から次へと訳のわからない陰謀論が出るものだと、呆れるやら驚くやら

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こうした不正選挙説を頑なに信じる人たちの情報リテラシーを分析してみると、ネットの極めて危険な状況を見て取れる。大きくわけると以下の傾向があると思われる

1. マスメデイアの情報を全てフェイクニュースと決めつけ、マスメデイアの情報を信じないことが「高いリテラシー」と勘違いする人達

お断りしておくがマスメデイアの情報を全て信じるべきだ、などというつもりはない。特に洋の東西に関わらず、大手メデイアの情報は何らかのバイアスがかかっているとみるべきであり、日本のマスコミに関して言えばとくに酷く官邸に対する忖度オンパレードであり、また諸事を日本のマスコミが「正しく」伝えているケースはほとんどないとまでいってよい

それを踏まえていっても、だからといってその辺の訳のわからないサイトの情報(多くはデマである)がマスメデイアの情報などより信頼できる、ということにならない。これは例えて言えばある事件で警察官が当てにならないからといってその辺の怪しげでもっともらしいことをいう詐欺師(詐欺師のいうことはいつも「もっともらしく」聞こえる)の方を信じるようなものである。その詐欺師のいうことを信じることは決して高いリテラシーを持った人間の行為とはいえない

真の高いリテラシーを持つ人はマスメデイアだけでなく、一定の科学的根拠、データによる根拠に基づく複数のサイトや書物に目を通した上で自分で判断できる人達のことをいう

2「自分の見たい現実を見る」「自分の好きな情報のみ信じる」人が結果が思い通りにならないことを他人のせいにするー陰謀論に傾倒

不正選挙説に固執する人たちに共通するのは、「自分のみたい情報」「自分の好きな情報」のみを信じる人たちであること。これはSNSの最近のアルゴリズムも影響している。SNSは自分が過去に見た記事などに似た情報をユーザーに自動的に提供するシステムになっており、目の前には自分の見たい記事が現れるようになっているためだ。しかもSNSでは自分と趣味や考え方が近い人間が集結することになりやすい。そのため目の前のスクリーンに現れる情報がすべてであると感じてしまい、どんどん視野が狭くなっていく人たちが多い。そして目の前や周囲の人たちが望む結果と違う結果が出ると「不正があったに違いない」と思ってしまうのだ、今回のアメリカ大統領選はまさにそれの連鎖反応といっていい。

そういう中に浸かっている人たちには彼らの「自分の好きな情報」とは真逆の情報を提示しても目に入らない。読もうとすらしない。例えばネトウヨなどは典型的で、彼らが右派の陰謀論サイトやデマ情報サイトに書いてある情報は間違いの情報である、という情報やリンクを提示しても彼らは決してそれを読むことはしない。自分の好きな「ネトウヨ的」な情報を信じ、デマを拡散蔓延し続ける。

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 ただこの傾向はネトウヨに限らない。

リベラル派も長い間のリベラル政党の低迷で選挙が行われて応援する候補が負けると決まって陰謀論が出てくる、このブログでも何回も論じている「ムサシ」陰謀論だ。

それは全く根拠のないものであることはこの記事にも書いたので参照されたい

 

kyojiohno.hatenadiary.com

陰謀論に傾倒する人たちは決して特殊な人たちではない。だが自分の考えていること、世の中がこうなってほしいと考えることが思い通りにならないとその不安を何らかの「論理」で埋めようとする。それは政治的な右派も左派も関係なく人間が誰しも陥ってしまうものだ。

自戒をこめていうがそのようなワナに陥らないためにも自分のリテラシーを健全にたもつように普段から心掛けるべきである

ネット社会の弊害?ーアメリカ大統領選で次々と発生したデマ、怪情報、情報の捏造で誤った印象を与えたアメリカ大統領選

今回の大統領選は史上まれにみる接戦であったと同時にコロナウイルスの対策として郵便投票の票があったために集計にいつになく時間がかかった。実はこれは事前にわかっていたことで、トランプ大統領(一応今日現在はまだ大統領だ)が「郵便投票」は不正の温床だなどと選挙前に主張して、支持者に郵便投票しないように呼びかけていたことも周知通り。

というわけで一見今回の大統領選は混乱しているように見えるが、実は投票のプロセスと集計自体は実はそんなに混乱はしていないのである。

混乱したのは両者が特に残りの5州の集計が時間がかかった関係で様々なデマ、誤情報、なかには情報の捏造がSNSを中心に拡散されたからである。

情報が氾濫している社会、というのは残念ながら情報の正確さ、信頼性を落とすことになる、ということを今回嫌というほど実感した。

実際明らかにトンデモ系、や怪情報が集計中にネットを駆け巡った。

いわくウィスコンシン州投票率200%」

いわく「バイデン氏の不正疑惑で州兵投入」

上記の2つの情報はBuzzFeed Newsがファクトチェックを実施して嘘の情報であることが確認されている。

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www.buzzfeed.com

この情報は日本でもSNSで拡散されあたかも真実であるかのように伝わった。リテラシーの低い人はこの情報を信じ切っていたようで、いまだにこの情報を拡散している人がいる。

だが「怪情報」はこれだけにとどまらなかった。今回バイデンが大統領に当確が出たきっかけのペンシルバニア州「バイデン氏のペンシルベニア州当確取り下げ」という情報がまことしやかに伝わった。SNSではいまだにこの情報を信じ切っている人たちがいる。しかもあろうことか、マスメデイアの一角であるフジテレビがこれがあたかも正しい情報であるかのように報道したのである。

mainichi.jp

 拡散された誤情報をフジテレビ報道局の平井文夫上席解説委員が11日、フジテレビのウェブサイトに執筆した記事で紹介し、あたかも真実であるかのように報道したのである。後に平井解説委員はこれを訂正し、最終的には記事そのものを削除した。

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これも誤情報であることが確認されているが、それにしてもこれだけのデマ、怪情報、このなかには主にトランプに近い人物(トランプの長男、次男、そし共和党議員に当選したマージョリー・テイラー・グリーンあたり)が発生源としているものも多い。

特にこのマージョリー・テイラー・グリーンはQアノン陰謀論の信望者として知られるアメリカ共和党の女性議員。過去に問題発言も数々行っており、いわばアメリカの杉田水脈といっていい人物だ。

だが問題はこういったデマ、怪情報が拡散される背景はその情報を受け取る人たちの間に以下のような傾向があるのではないかと思われる

1.自分はリテラシーの高い人間と勘違いしマスメデイアの情報よりはネットのインフルエンサー、ネットにある「マスメデイアの情報と違うが本当に見える情報」もしくは「衝撃的な内容の情報」の方を正しいと思い込んでしまう人たち

 

2.「自分が本当であった欲しい情報」「自分が好きな情報」だけをみてそれだけを信じ込んでしまう人たち

 

3.流れてきた情報を深く考えることなく「ちょっと変わった情報」を無条件で拡散する人たち

 情報が多い=情報のエントロピーが高い、ということは物理の法則を考えると「正確な情報を見つけるのが難しくなる」ということである。そのために情報に流されたり、嘘の情報に振り回されたり、ということが起きやすくなる。

それを防ぐ意味でも「情報のファクトチェックの癖をつけるように提言する。

その情報が真実なのか正しい情報なのか、判断できない時のためにファクトチェックのサイトがいくつかあるので是非おすすめする

・ファクトチェック

www.factcheck.org

・ポリファクト

www.politifact.com

・スノープス

www.snopes.com

日本のサイトではFIJ

fij.info

流れてきた情報が正しいか、正しくないか、迷った時に必ずファクトチェック、そして真実だと確かめるまでは決して拡散しない。そうしないと結果的にデマ拡散に加担することになるからである。

ちなみに上記のサイトはいずれも政府や行政とは無関係であるので、政治的バイアスはあまり考えないでいいと思う(運営は寄付でなりたっている)

ちなみにまだバイデンの勝利に疑問を持ち続ける方は

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ニューヨークタイムズ:全米の選挙管理委員、何の不正も発見できずと発表

トランプ氏もいい加減矛を収めたらどうだろうか?

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