KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

アメリカ大統領選にみるメデイアリテラシーのありかたに現代のネットの諸問題をみる

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アメリカ大統領選が終わって4週間になろうとしているのに、アメリカの各種機関が「選挙に不正はなかった」という結果になっているのにいまだに「選挙に不正があった」と頑なに信じている人たちがいる。

しかし何とまあ見苦しい「抵抗」を続けるものだ。しかしもはや悪あがきするだけで打つ手はなしに近い状況である。

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しかしこの状況をみても、まあよくも次から次へと訳のわからない陰謀論が出るものだと、呆れるやら驚くやら

jbpress.ismedia.jp

 

こうした不正選挙説を頑なに信じる人たちの情報リテラシーを分析してみると、ネットの極めて危険な状況を見て取れる。大きくわけると以下の傾向があると思われる

1. マスメデイアの情報を全てフェイクニュースと決めつけ、マスメデイアの情報を信じないことが「高いリテラシー」と勘違いする人達

お断りしておくがマスメデイアの情報を全て信じるべきだ、などというつもりはない。特に洋の東西に関わらず、大手メデイアの情報は何らかのバイアスがかかっているとみるべきであり、日本のマスコミに関して言えばとくに酷く官邸に対する忖度オンパレードであり、また諸事を日本のマスコミが「正しく」伝えているケースはほとんどないとまでいってよい

それを踏まえていっても、だからといってその辺の訳のわからないサイトの情報(多くはデマである)がマスメデイアの情報などより信頼できる、ということにならない。これは例えて言えばある事件で警察官が当てにならないからといってその辺の怪しげでもっともらしいことをいう詐欺師(詐欺師のいうことはいつも「もっともらしく」聞こえる)の方を信じるようなものである。その詐欺師のいうことを信じることは決して高いリテラシーを持った人間の行為とはいえない

真の高いリテラシーを持つ人はマスメデイアだけでなく、一定の科学的根拠、データによる根拠に基づく複数のサイトや書物に目を通した上で自分で判断できる人達のことをいう

2「自分の見たい現実を見る」「自分の好きな情報のみ信じる」人が結果が思い通りにならないことを他人のせいにするー陰謀論に傾倒

不正選挙説に固執する人たちに共通するのは、「自分のみたい情報」「自分の好きな情報」のみを信じる人たちであること。これはSNSの最近のアルゴリズムも影響している。SNSは自分が過去に見た記事などに似た情報をユーザーに自動的に提供するシステムになっており、目の前には自分の見たい記事が現れるようになっているためだ。しかもSNSでは自分と趣味や考え方が近い人間が集結することになりやすい。そのため目の前のスクリーンに現れる情報がすべてであると感じてしまい、どんどん視野が狭くなっていく人たちが多い。そして目の前や周囲の人たちが望む結果と違う結果が出ると「不正があったに違いない」と思ってしまうのだ、今回のアメリカ大統領選はまさにそれの連鎖反応といっていい。

そういう中に浸かっている人たちには彼らの「自分の好きな情報」とは真逆の情報を提示しても目に入らない。読もうとすらしない。例えばネトウヨなどは典型的で、彼らが右派の陰謀論サイトやデマ情報サイトに書いてある情報は間違いの情報である、という情報やリンクを提示しても彼らは決してそれを読むことはしない。自分の好きな「ネトウヨ的」な情報を信じ、デマを拡散蔓延し続ける。

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 ただこの傾向はネトウヨに限らない。

リベラル派も長い間のリベラル政党の低迷で選挙が行われて応援する候補が負けると決まって陰謀論が出てくる、このブログでも何回も論じている「ムサシ」陰謀論だ。

それは全く根拠のないものであることはこの記事にも書いたので参照されたい

 

kyojiohno.hatenadiary.com

陰謀論に傾倒する人たちは決して特殊な人たちではない。だが自分の考えていること、世の中がこうなってほしいと考えることが思い通りにならないとその不安を何らかの「論理」で埋めようとする。それは政治的な右派も左派も関係なく人間が誰しも陥ってしまうものだ。

自戒をこめていうがそのようなワナに陥らないためにも自分のリテラシーを健全にたもつように普段から心掛けるべきである

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