眼を疑うアメリカ議会への「クーデター未遂」とも受け取られる事態
本当に目を疑うことが起きた。世界の民主主義をリードする(はず)の国で発展途上国のクーデターのような出来事がおきたのである。
そもそもこの騒動は大統領選挙後のアメリカ議会が選挙結果の認定を行う恒例の行事を行うその日に起きた。
選挙結果に不正があったとして自らの敗北を認めようとしないトランプ大統領があろうことか、支持者をアメリカ議会に支持者を集め、議会に向かって行進させたのだ。その口調は明らかに民衆を煽動するような発言だった。
議会に行進した支持者は暴徒と化しアメリカ議会への侵入を図った
この事件で
自分の好きな情報しか信じようとしない歪んだネットリテラシー
そう。何度でも書くがこのトランプの一連の騒動の裏にはネットの情報に対する偏った、そして歪んだリテラシーが背景にある。
今回はトランプが選挙結果に「不正選挙だ」といい続けた根拠のないいいがかりを多くのトランプ支持者はあたかも事実であるかのように信じこんでいた点にある。おかしなことにアメリカだけでなく日本国内でもかなりその事実を信じてしまっている人が多い点である。
どうもそこにはネット情報に対するリテラシーの問題を見ることができる、
具体的にいうと 自分の好きな情報しか信じようとしない という点である。
そもそも選挙の不正というのはトランプ陣営のみが主張していることだが、訴訟をおこして数々の連邦地裁に不正の証拠を出すように言われてもトランプ陣営は一つとして証拠を出せていない。
そもそも不正選挙というデマを流し続けてるのが今回のデモにも参加したジェイク アンジェリ主宰の陰謀論サイトのQアノンで昨日のトランプの煽動に乗った人たちはそれを鵜呑みにしたことによる。このジェイク アンジェリはアメリカ人なら誰でも知っている人間である。
この男がトランプに関するあらゆるデマの発信源で、いわば日本の「チャンネルさくら」に相当するものだ。
実は今回の議会乱入もトランプ支持者の間で議会に乱入したのはアンティファであってトランプ支持者じゃない、というデマがまことしやかに流れた。
彼らと話してみてわかったのは、彼らはトランプ支持者のサイト、ツイートの情報は信じるがそれ以外の情報に対しては全く見向きもしない。何を云っても聞く耳を持たない傾向が強いという点だ。
日本のネトウヨもその傾向があるがマスメディアの情報より、Qアノン、日本で言えばチャンネル桜のようなものを信じるのは正しい、などと考える人たちが多いという構造が日米のネット情報で大きな問題だと考える
勿論マスメディアも忖度やバイアスがかかっているので100%鵜呑みにはできない。してはならない。しかしだからといってそれがQアノンやチャンネルさくらの情報があてにしていいという理由にはならない。言ってみれば警察があてにならないからといって「もっともらしくいう」詐欺師の方を信じるようなものである。
だが日米のとりわけネトウヨにはそういった傾向が極めて強い。
情報リテラシーを高くするためには例え自分が気に入らない情報でもそれを吟味し、どれが正しいのか日常的にファクトチェックするクセをつけることが重要である。
超えてはならない一線を超えたトランプ
今回の議会占拠(あえていうがクーデター未遂)はトランプは超えてはならない一線を超えたことをトランプとトランプ支持者は理解していないようだ。アメリカ企業もトランプ政権に見切りをつけたようである。アメリカの企業はアメリカ修正25条では閣僚の過半数が承認すれば大統領を罷免でき副大統領が職務を代行できる。まだ摘要された前例はないがトランプが最初の例になる可能性が出てきた。任期は残り12日だが..
副大統領のペンスもさすがに愛想つかしたようだ。
明らかに今日の出来事はアメリカ歴史の汚点だ。今回のできごとで史上最低の大統領確定である。