KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

トランプ支持者、ネトウヨー「確証バイアス」による嘘やデマを信じ込むメカニズムのワナ

昨日の記事にも書いたようにバイデン大統領が無事就任し、「不正選挙」をあくまで主張し支持者もその嘘、デマを信じ込んだことによる暴走がアメリカ議会ビルの乱入、死者まで出る騒ぎとなったことは記憶に新しい

それにしても明らかにおかしいと思える情報ががほとんどであるにもかかわらず、それを信じている人はいくら反証されてもその考えをなかなか変えようとはせず、頑ななまでにトランプの主張を正しいと信じ込んでいる人がこの日本でも多かったことに首を傾げずにはいられなかった。

しかしその疑問に一定限度答えてくれる記事があったのでこちらでシェアさせていただく、

rollingstonejapan.com

以下一部引用する

新しいデータを提供されたとき、自分の先入観(「事前の信念」と言います)を裏付ける証拠は即座に受け入れ、反対の証拠は冷ややかに評価してしまうのです。そして、現代社会での私たちは常に相反する情報にさらされているため、時を経て情報が増えるたびにこの傾向は増幅し、両極化が進んでしまうのです。
自分の意見を裏付けるデータばかりを求めてしまう傾向を「確証バイアス」と言います。簡単な例では、自分の気に入らない意見には耳を貸さず、都合の良い意見ばかりを受け入れるような人のことです。そしてこれは驚くことに「分析能力の高い人の方が、そうでない人よりも情報を歪めやすい」ということが研究で明らかになっているのです。認知能力が優れている人ほど、情報を合理化して都合の良いように解釈する能力も高くなるため、自分の意見に合わせてデータを歪めてしまうことがあるのです。そのくらい「事前の信念」は強力なものなのです

 ここで問題となる「確証バイアス」-つまり自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集め、反証する情報を無視する傾向のことをいうがこの傾向はトランプ支持者とその陰謀論を信じる人たちに共通する傾向といえる。

gendai.ismedia.jp

このネットの陰謀論は基本的にマスコミ、政府は「闇の勢力」に支配されているという前提で話が作られることが多い。そして自分たちの思い通りにならないこと、現状に不満を持つ原因を全て陰謀論のせいに仕立てることで、自分たちの信じたい事実のみを受け入れるようになる。

その結果以下の傾向を著しくもつことになる。

1.  自分の好きな情報、自分がそうなってほしい情報しか興味を示さないし信じようとしない

2. マスコミが流さない情報を信じることが高いリテラシーという思い込みを持ち、マスメデイアの情報より「もっともらしい」情報を流すサイトの情報を信じる。

この傾向はネトウヨについてもいえることで、私はネトウヨに何度も彼らの主張の反証の資料、リンクを提示しても彼らは決してそれを読まない。熱心にチャンネルさくらあたりが流す陰謀論、デマの方を信じる等、ネトウヨ「確証バイアス」に取りつかれてしまっている。

これはある意味、自分で自分を洗脳する1つのプロセスと考えることができ、いわばマインドコントロールされているのと同じ状況になる。

また以前にも書いたがSNSアルゴリズムもある意味「確証バイアス」を強化させる傾向を持つ。ユーザーの好む情報、好む志向、発想に沿った内容のSNSの発言、投稿が見えるようにできており、しかもSNSだと同じ趣味、思想、志向の揃ったものが集まりやすい。かくして自分の考え、趣味が同じ人がSNS周囲に集まることになり、そういう情報ばかりなので、それが「世の中の全て」という錯覚に陥ってしまう。

その「SNSのワナ」と本人の持っている「確証バイアス」が陰謀論にいっそう傾倒させて先日のアメリカ議会の潜入事件を起こしてしまったのである

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kyojiohno.hatenadiary.com

だが「確証バイアス」によって惑わされるのは何も「トランプ支持者」だけではない。実は私を含めてだれでもその「ワナ」にはまる可能性がある。だから怖いのだ。なぜなら上記の文章「なぜ人は事実を受け入れられないのか 自己の意見に固執してしまう人間の傾向を考える」にも書いてあるように「人は、豊富な情報が得られると、自分の意見にもっと固執するようになる」という。そしてそれはSNSのように「似た者同士」が集まるとさらに強化される。

「確証バイアス」によって自分の持っている「事前の信念」から人は逃れ難いこと、「自分が正しい」と思いがちで、それを強化するための情報を集めがちであること、それは誰もが例外ではないという点を抑えて置くことが重要だという。

またやっかいなことに驚くことに「分析能力の高い人の方が、そうでない人よりも情報を歪めやすい」という傾向があるという。実は全員ではないが、陰謀論まことしやかにSNSで拡散しているのは「分析能力」のある経営コンサルタントの類の人達であることが少なくない。彼らは元々「普通の人が手に入れ辛い情報」をひけらかすことで、或る種優越感をもちたいという願望をもっていることが多いため、逆にこういう陰謀論を信じやすい。

だから「確証バイアス」のワナに陥らないためにも次のことを心掛ける必要があるかもしれない。

1.いかなる情報も決して鵜呑みにしない。「自分が好きな情報、そうなってほしい情報」に触れてもその情報がどれだけ真実が調べるクセをつける。特に陰謀論は絶対に信じないこと

2.いかなる情報も、いくら「耳よりの情報」でもそれをあわててシェア拡散してはならない。それがデマだった場合結果的にデマ拡散に手をかすことになる。

3.自分と意見が違う、嫌いな情報だからといって目を背けない。また自分と受け入れられない情報を持っている人でも「共通点に基づいて話をする」努力を行う。そのことによって「確証バイアス」のワナに陥っている人でも再考させる可能性をもたらす

いうは簡単だ。

しかし大事なことはトランプのような人物のデマ、フェイクニュースを信じ込む人、あるいは「コロナは風邪」「マスクなんかしなくていい」などという人たちを単なる「カルト」と決めつけてはいけない。という点だ。

自分もいつ、そういうワナにはまってしまうかわからないからである。

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