陰謀論に傾倒する構造ー負の感情で人を洗脳する恐怖
今年の1月6日にトランプ支持者によるアメリカ国会議事堂の乱入以来、トランプ支持者の暴走が懸念される中無事バイデンの就任式が執り行われ、政権交代が無事行われた。
しかしトランプ支持者や右翼系の人の間のトランプに対する「陰謀論」は根強い。アメリカの共和党議員で陰謀論サイトのQアノンの信望者として知られるマージョリーテイラーグリーン議員はバイデン就任2日目にバイデンの弾劾法案を提出した
#ImpeachBidenNowhttps://t.co/ziu4iegn4f
— Marjorie Taylor Greene 🇺🇸 (@mtgreenee) January 22, 2021
勿論そんなもの両議会で多数派となった民主党議員は勿論、多くの共和党議員の中でも無視はされたが、それどころかグリーン議員のtwitterのプロモーションは結果的にK-popアーチストのプロモーションの方に役立ってしまった。
まあ笑い話にもならないが、問題はマージョリーテイラーグリーンのような人物がアメリカ議会の議席を取ってしまったことに問題がある。
マージョリーテイラーグリーン議員
トランプやQアノン、その他右翼系のサイトの嘘の情報を信じ込み、政治やマスコミは彼らのいう「暗黒勢力」に支配されている、などという陰謀論
この陰謀論はSNSが普及し始めて以来ネットの論調を支配するくらいになっているが、これは最近のネットのSNSへの炎上、嫌がらせ、誹謗中傷等が多数発生する構造と背景は同じである。
ひとことでいえばネットは「劣等感」「負の感情」そして「憂さ晴らし」に満ちた空間になってしまっている。そして陰謀論はそれらいずれの要素を背景に急激に拡散されているのである。
自分の好きな情報だけを信じ込むという「確証バイアス」が陰謀論拡散の背景となっている。
上記のグリーン議員が信望するQアノンのような陰謀論は人々の、怒りや恐怖、妬み、傲慢さ等の負の感情に巧妙につけいってくる。
つまり価値観や政治的立場の違う者への憤り、自分が不当に扱われているという不満、きらびやかなセレブ達がスキャンダルで潰れていくところを見たいという歪んだ欲求、自分こそが世界の真実を知っているという優越感、強力なリーダーに全てを委ねることで安心を得ようとする弱さetc。 そういう負の感情を刺激するようなストーリーをQアノンは提供し、だから急速に広まった。
そしてそれはネットにあふれている「劣等感」「負の感情」そして「憂さ晴らし」の風潮が背景になっている。
だがこの手法自体に新しさはない。寧ろ古典的な手法。つまりそれが、ナチスであり、シオニズムであり、その他、各国各地の攻撃的な民族/宗派主義であり、日本でも外国人差別の酷さが入管行政というかたちで具現化している。
これだけ情報があふれており、しかも大多数の情報がデマかフェイクという現実を見るにつけその主張が事実かどうか、論理的に正しいか否か、きちんと見分けることが大事だ。だがそれだけではなく、怪しげな主張に自分が同調しているとしたら、それは自分自身の負の感情にとらわれているからではないか、と自分の内面を客観的に見てみることも大事だろうと思われる。
陰謀論にもし自分が傾倒しているとしたら、それは自分の心の弱さをつけ込まれている証拠だと認識すべき。陰謀は絶対ないとは断言できないかもしれないがSNSの陰謀論は100%疑うべき。たぶん99.9%はデマかフェイクである。
しかし「確証バイアス」の威力は凄まじく、これがアメリカの普通の過程を分断させている、という深刻な事態が発生している。バイデンが大統領に就任したところで基本的な問題は何も解決していない。
トランプのような暴君は去ったとしても、今後の動向に懸念を表明せざるを得ない