トランプ支持者、ネトウヨー「確証バイアス」による嘘やデマを信じ込むメカニズムのワナ
昨日の記事にも書いたようにバイデン大統領が無事就任し、「不正選挙」をあくまで主張し支持者もその嘘、デマを信じ込んだことによる暴走がアメリカ議会ビルの乱入、死者まで出る騒ぎとなったことは記憶に新しい
それにしても明らかにおかしいと思える情報ががほとんどであるにもかかわらず、それを信じている人はいくら反証されてもその考えをなかなか変えようとはせず、頑ななまでにトランプの主張を正しいと信じ込んでいる人がこの日本でも多かったことに首を傾げずにはいられなかった。
しかしその疑問に一定限度答えてくれる記事があったのでこちらでシェアさせていただく、
以下一部引用する
新しいデータを提供されたとき、自分の先入観(「事前の信念」と言います)を裏付ける証拠は即座に受け入れ、反対の証拠は冷ややかに評価してしまうのです。そして、現代社会での私たちは常に相反する情報にさらされているため、時を経て情報が増えるたびにこの傾向は増幅し、両極化が進んでしまうのです。自分の意見を裏付けるデータばかりを求めてしまう傾向を「確証バイアス」と言います。簡単な例では、自分の気に入らない意見には耳を貸さず、都合の良い意見ばかりを受け入れるような人のことです。そしてこれは驚くことに「分析能力の高い人の方が、そうでない人よりも情報を歪めやすい」ということが研究で明らかになっているのです。認知能力が優れている人ほど、情報を合理化して都合の良いように解釈する能力も高くなるため、自分の意見に合わせてデータを歪めてしまうことがあるのです。そのくらい「事前の信念」は強力なものなのです
ここで問題となる「確証バイアス」-つまり自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集め、反証する情報を無視する傾向のことをいうがこの傾向はトランプ支持者とその陰謀論を信じる人たちに共通する傾向といえる。
このネットの陰謀論は基本的にマスコミ、政府は「闇の勢力」に支配されているという前提で話が作られることが多い。そして自分たちの思い通りにならないこと、現状に不満を持つ原因を全て陰謀論のせいに仕立てることで、自分たちの信じたい事実のみを受け入れるようになる。
その結果以下の傾向を著しくもつことになる。
1. 自分の好きな情報、自分がそうなってほしい情報しか興味を示さないし信じようとしない
2. マスコミが流さない情報を信じることが高いリテラシーという思い込みを持ち、マスメデイアの情報より「もっともらしい」情報を流すサイトの情報を信じる。
この傾向はネトウヨについてもいえることで、私はネトウヨに何度も彼らの主張の反証の資料、リンクを提示しても彼らは決してそれを読まない。熱心にチャンネルさくらあたりが流す陰謀論、デマの方を信じる等、ネトウヨ的「確証バイアス」に取りつかれてしまっている。
これはある意味、自分で自分を洗脳する1つのプロセスと考えることができ、いわばマインドコントロールされているのと同じ状況になる。
また以前にも書いたがSNSのアルゴリズムもある意味「確証バイアス」を強化させる傾向を持つ。ユーザーの好む情報、好む志向、発想に沿った内容のSNSの発言、投稿が見えるようにできており、しかもSNSだと同じ趣味、思想、志向の揃ったものが集まりやすい。かくして自分の考え、趣味が同じ人がSNS周囲に集まることになり、そういう情報ばかりなので、それが「世の中の全て」という錯覚に陥ってしまう。
その「SNSのワナ」と本人の持っている「確証バイアス」が陰謀論にいっそう傾倒させて先日のアメリカ議会の潜入事件を起こしてしまったのである
だが「確証バイアス」によって惑わされるのは何も「トランプ支持者」だけではない。実は私を含めてだれでもその「ワナ」にはまる可能性がある。だから怖いのだ。なぜなら上記の文章「なぜ人は事実を受け入れられないのか 自己の意見に固執してしまう人間の傾向を考える」にも書いてあるように「人は、豊富な情報が得られると、自分の意見にもっと固執するようになる」という。そしてそれはSNSのように「似た者同士」が集まるとさらに強化される。
「確証バイアス」によって自分の持っている「事前の信念」から人は逃れ難いこと、「自分が正しい」と思いがちで、それを強化するための情報を集めがちであること、それは誰もが例外ではないという点を抑えて置くことが重要だという。
またやっかいなことに驚くことに「分析能力の高い人の方が、そうでない人よりも情報を歪めやすい」という傾向があるという。実は全員ではないが、陰謀論をまことしやかにSNSで拡散しているのは「分析能力」のある経営コンサルタントの類の人達であることが少なくない。彼らは元々「普通の人が手に入れ辛い情報」をひけらかすことで、或る種優越感をもちたいという願望をもっていることが多いため、逆にこういう陰謀論を信じやすい。
だから「確証バイアス」のワナに陥らないためにも次のことを心掛ける必要があるかもしれない。
1.いかなる情報も決して鵜呑みにしない。「自分が好きな情報、そうなってほしい情報」に触れてもその情報がどれだけ真実が調べるクセをつける。特に陰謀論は絶対に信じないこと
2.いかなる情報も、いくら「耳よりの情報」でもそれをあわててシェア拡散してはならない。それがデマだった場合結果的にデマ拡散に手をかすことになる。
3.自分と意見が違う、嫌いな情報だからといって目を背けない。また自分と受け入れられない情報を持っている人でも「共通点に基づいて話をする」努力を行う。そのことによって「確証バイアス」のワナに陥っている人でも再考させる可能性をもたらす
いうは簡単だ。
しかし大事なことはトランプのような人物のデマ、フェイクニュースを信じ込む人、あるいは「コロナは風邪」「マスクなんかしなくていい」などという人たちを単なる「カルト」と決めつけてはいけない。という点だ。
自分もいつ、そういうワナにはまってしまうかわからないからである。
バイデン大統領就任式ー心配されたテロもなかったがトランプの刑事訴追の可能性は?
先日トランプの支持者によるアメリカ議会乱入という目を疑う事件が起きて2週間あまり、この事件によってトランプが史上最悪の大統領として記憶されるのは確実になった。しかもまだ今の時点でトランプの主張する「不正選挙」というデマ、嘘を信じ込んでいる人間が、アメリカだけでなく日本にも少なくない状況であり、バイデンの就任式にトランプ支持者がまたテロを起すのでは、という噂もあった。
しかしまあ幸いにして、大きな混乱もテロの情報もなく無事バイデン新大統領の就任式は執り行われた。
大統領の宣誓式も無事行われた。アメリカ合衆国の憲法上ではこの宣誓が終了した時点で正式に大統領になる。
就任式ではコロナやトランプ支持者の不穏の動きがあったにも関わらず大物アーチストが就任式に参加した。国家斉唱したのはレデイ―ガガ、他ケイテイ―ペリーを始めジャスティン・ティンバーレイク、デミ・ロヴァート、ブルース・スプリングスティーンのパフォーマンスがコロナ状況下のために全米各地から送信された。尚、一部のネットでアーチストのパフォーマンスの全てが録画とか、下手すれば就任式そのものが録画だ、などという情報が拡散されているが、アーチストのパフォーマンスは一部録画はあるものの、就任式そのものが録画などありえない。これも例によってトランプ支持者辺りを発生源とするデマが拡散された可能性がある。
尚、嘘やデマを頑なに信じ込むトランプ支持者(日本にもなぜか多い)を始めとする人たちの真実を受け入れない、自分たちの好きな情報のみ信じ込むメカニズムについて書いた文献をみつけたので改めて別記事にて書こうと思う。
難問山積で試練が待ち受けるバイデン政権
正式にアメリカ第47代大統領になったジョーバイデンだが、就任してからひいき目にみても多くの試練が待ち受けているのは火を見るより明らかである。
(1) コロナウイルス問題
これは就任前から新大統領は政権の最優先課題として揚げている。日本も現状大規模な感染拡大に見回れているが、アメリカもかなり深刻な状況。ワクチン接種は既に始まっているが感染拡大が収束している兆しは現段階では見られない。
これはアメリカに限った話ではないが全世界的に深刻な事態である。まず手始めにアメリカのWHO復帰(パリ協定)を始めとする15の大統領令に署名した。
(2) 深刻なアメリカの分断
詳細は別記事で書こうと思うが、インターネットによる情報と人間が情報を受け入れるメカニズムは人間を両極端な方向に誘導しやすい、ということがわかってきている。そして一度社会が分断をしてしまうとその分断を解消するのは至難の業である。
特にトランプ政権下で明らかになったのはアメリカ人の差別意識はまだまだ根強くあり、しかもトランプ政権で白人至上主義者(ホワイトスプリマシー)の発言力が高くなっている点である。そして今回のバイデン政権の副大統領のカマラ・ハリスというアフリカ系とインド系でしかも女性の大統領というのは白人至上主義者には到底受け入れられない人事だろう。ネオナチ、KKKを始めとする白人至上主義者たちの暴走が懸念される。
特に私も見ていて感動したが、弱冠22歳の詩人のアマンダ・ゴーマン氏の素晴らしいメッセージが入っていた詩をトランプ支持者の心に果たして届くだろうか。
届いてほしいが多分無理だろうな。
英語だが改めてこの詩をきいてほしい。本当に素晴らしい詩だ。
ムリな願かもしれないが白人至上主義者、右翼系その他トランプ支持者の心に少しでも届いてくれれば、と考える次第
(3) トランプの大統領退任後の動向
ドナルドトランプは史上唯一、2度弾劾された大統領である。二度目の弾劾裁判はまだ行われていないが、大統領退任後にそれをやっても意味がない、という人もいるがそうではない。もし上院で万が一可決されればドナルドトランプは二度と大統領に立候補できない。議会等にも出れない。被選挙権が消滅してしまうのだ。民衆を煽動して「国内テロ」を起した罪は絶対に不問にすべきではない。
しかし早くもトランプとバイデンの間に「密約」があったのではないか、という噂まで出ている、民主党のとりわけ左派は決してそれを許さないだろう
それ以外にもいくつ刑事訴追になる可能性があるかわからない。普通に考えれば退任後無事で済むとは到底思えないのだ。
この記事に書いてあるような密約は存在しないと祈りたいが
いずれにせよ明らかに人格に問題のあるドナルドトランプから、トランプと比べれば人間的に遙かに「まとも(であると信じたい)」バイデン政権が正式に走り出した。
前途多難だとは思うがまずはその推移を見守りたい
こんなアンケートをSNSでやってみました。トランプと安倍晋三、どちらが史上最悪のリーダーか?
先日のトランプ大統領が煽動した(といわれても仕方ない)ことによるトランプ支持者の議会侵入事件、というアメリカ建国以来の最大の汚点が発生するのを受けてSNS (TwitterとFacebook)で次のようなアンケートをやってみた。
こちらは見てお分かりになるようにtwitterでの投票結果だがFacebookの政治関係のグループコミュニテイでも同じようなアンケートを取ってみた。面白いことに各コミュニテイで微妙な違いがでている。
グループA グループB
グループC グループD
グループE
集計すると以下のようになる
史上最悪のリーダーは?
グループA | グループB | グループC | グループD | グループE | ||
両方 (Both) | 6 | 19 | 25 | 16 | 3 | 3 |
安倍晋三 (Shinzo Abe) | 11 | 13 | 3 | 6 | 2 | 1 |
トランプ (Donald Trump) | 3 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
どちらでもない (Neither) | 21 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
TwitterだけFacebookの結果と著しく違うのは、Twitterにネトウヨ系、保守系がかなり入り込んで投票したからだと思われる。
Facebookは基本同じような考えの傾向を持つ人が集まるので割と似通っているが、やはり日本人なのか、トランプを史上最悪と評したのは少なく、安倍晋三の方を史上最悪としている人が多い。地域性や国によっても違うようだ。(これがアメリカだとトランプの方が圧倒的に多いだろう)
集計すると 安倍晋三、ドナルドトランプ両方が史上最悪としている人 72票
安倍晋三が史上最悪としている人 36票
ドナルドトランプを史上最悪としている人 5票
どちらでもない、という人 22票
さて、この投票結果は皆さんどうお考えになるだろうか?
トランプが大統領でなくなり、バイデンの就任式は日本時間の明日午前になる
緊急事態宣言下での築地場外市場
一昨日は私の業務の関係でいつもの築地にあるスタジオに行きました、
業務上必要な仕事なので不要不急にはあたらないものです。現場だけはテレワークではできませんからね。
スタジオは築地場外市場の近くにあります
築地までは家から電車で一時間半くらい勤時間より少しずれているとはいえやはり密です。救いはみんな一応マスクしていることですかね?
基本「しゃべる」「食べる」とかしない限り飛沫は飛びませんし(咳とくしゃみしている人は別ですが) 電車の中でおしゃべりしている人などいないので通勤列車って意外にクラスター起きていないのですが、それでも昨今の状況考えるとあまり気持ちのいいものではありません。
スタジオでの作業は二時間ほどで終了
そこでいつもながら築地場外市場も覗いてみようと思いましたが、人がまばら
それもそのはず。店自体が多く閉まってるわけで店が閉まれば、ヒトは集まらない、店が開いていれば緊急事態宣言であろうが人が集まる、ということで渋谷などは緊急事態宣言下でもこの状態になってしまうわけです。
政府が本気でコロナ対策をやるつもりなのであれば、店が安心して休業出来るだけの補償を用意するのが一番の対策だと思います。しかし日本政府はスズメの涙程度の保証しか出していません(一日6万円)これでは従わない店が多く出るのは当たり前だと思います。
店が閉まると人はいなくなる。よく考えれば当たり前のことです
こんな状態でも僅かですが開店していたお店がありましたのでソーシャルデイスタンスを取りながらランチを取りました。やはり築地にいけばこれですよね
今のような状態で果たしてコロナが収束するでしょうか?
連日千人単位の感染者が出ていることを考えますと2月7日の解除というのは難しいといわざるを得ません。
「無症状になればコロナを感染しない」というデマが特に20-30代の人達で広がっているようです。それは嘘です。最近の研究で一件感染して無症状でもコロナは気が付かないところで体にダメージを与えていることがわかっています。
必ずマスクとして、ソーシャルデイスタンスをとること。
感染防止に最大限の努力をしましょう。
いまだにトランプの「不正選挙説」を信じ込んでいる日本人は自分たちが白人至上主義者の差別の対象であることを忘れていないか?ーデマを信じ込む愚かな日本人たち
先日報道でも伝えられたがバッファローの格好をしたジェイクアンジェリことJ.A.チャンスレーを始め、3人が逮捕された。
ネットではアメリカの国会議事堂に入ったのはアンティファであってトランプ支持者のジェイクアンジェリ (Qアノン代表) やネオナチのジェイソン タンカースリーじゃない、と頑なにいい続ける向きがあった。だがこの逮捕の発表でデマであることがわかっただろう。
それにしてもこういう根拠のないデマを信じ込んでいる人たちがいまだに多い。日本の論客でも百田尚樹、門田隆将、有本香、加藤清隆といったおなじみの「安倍応援団」の論客が揃ってトランプの流す「不正選挙」説を信じトランプ大統領を支持し、その主張そのままに「不正投票」の存在を公言したり、その情報を拡散した。
そういったトランプやQ アノンを始めアメリカの極右勢力の主張を頑なに信じる上記の論客やネットが忘れている事実がある。
日本に目を転じると、これまでトランプ支持の姿勢を示していたメディアや著名人のなかからも、知らぬ存ぜぬを決め込んだり、否定的な立場に回ったりする者が出始めているが、SNSやYouTubeではこの期に及んでなお「トランプの大逆転」を示唆する陰謀論が後を絶たない。ただ面白がっているだけなのかもしれないが、そうだとしても恐らく彼らは海外の同胞について全く想いが至らないのだろう。《中略》ここで重要なことは、白人至上主義の観点からみてアジア系(当然日本人を含む)もまたヘイトの対象になるということだ。コロナ禍により欧米ではアジア系への差別・偏見が広がっており、例えばこの20年間でアジア系への暴力が減少していたアメリカでも、昨年上半期だけで2100件のヘイトクライムが報告されている。こうした兆候はアメリカに限らず、例えばイギリスでもアジア系へのヘイトクライムが21%増加したという報告がある。コロナ禍をきっかけとするアジア系差別は中国への不信感の表れといえるが、トランプ大統領の言動はこれに拍車をかけてきた。選挙に負けてもそれを認めないトランプの姿は、ただでさえコロナ禍で反アジア系の気運を高めていた白人至上主義者をさらに鼓舞する。
そのとおり、無邪気にトランプの主張を拡散している日本人、実はその日本人もジェイクアンジェリことJ.A.チャンスレーや同じく議会に侵入したネオナチのジェイソンタンカースリーにとっても攻撃対象に過ぎないのだ。そのことを理解している日本人が驚くほど少ない
何せ自分たちの姿を功を誇るようにソーシャルメデイアで拡散していた連中だ。自分たちがアメリカのドメステイックテロリズム(国内テロ)の実行者の証拠を拡散しているようなもの、それだけでもこいつら頭悪い。
そしてこういうドメステイックテロリズム(国内テロ)に走る連中がアフリカ系、アジア系に対するいわれなき攻撃を日常的にやっているのだ。
なぜか? なぜならそれが白人至上主義だからである。
実際海外在住の日本人が全く予期しないところで白人至上主義者に攻撃や嫌がらせされている例が後を絶たない。日本でどういう理由か知らないが「トランプ不正選挙説」を信じ込んでいる人たちは欧米で今日本人を含むアジア系がいわれない差別をこいつらに受けている事実をどれだけ理解しているのだろうか?
いずれにせよこんな頭のおかしい連中のいうことを鵜呑みにすることは愚者の行為の誹りを免れない。事実日本でもネトウヨやネトウヨ系論客がトランプの主張を拡散しており、上記、百田尚樹、門田隆将氏、有本香氏、加藤清隆といった安倍応援団でもあった人たちなどはっきりいって「論客」などと呼ばれる資格もない。言論人としてのグレードが低いということを自らの行動で示しているようなものだ。マスコミもいい加減こんなエセ評論家たちの主張を取り上げるのをやめたらどうか?
いくらマスメデイアの情報を鵜呑みにできないといっても、Qアノンを始めとするデマサイトの方を信じていいということにはならない。前にもいったが警察があてにならないからといって「もっともらしくいう」詐欺師の方を信じるようなものである。
マスコミの情報を信じずそういったデマサイトの情報を信じる方がカッコいい、という考えをもつだけでも、その人間の思考能力を疑う
トランプ不正選挙説やアメリカ議会乱入にみた日米ネットリテラシーの病巣とSNSのワナについて - でも決して他人事ではない点
トランプの大統領選「不正」の問題ーこの問題は本来アメリカ大統領選とは直接無関係な日本でも不正選挙説を唱えるトランプ支持者の主張に同調、鵜呑みにする等、ネットの情報に関するさまざまな問題を提示した。
インターネットが一般に普及して20年強、SNSが普及し始めて15年くらい
情報化社会、などといわれるようになって数十年、確かにネットでもリアルでも情報が氾濫している。
だが今回のトランプの一連の騒動、民主主義の国のトップとして決してやってはならない一線を超える状況を見るにつけ、私たちはいまだにこの溢れる情報に対して対処能力がうまくできていないのではないか、と思うのだ。
特に「トランプの不正選挙説」を信じている人たちを見ると情報に対してある傾向を見ることができる。このブログでも既に何回も書いたことだが..
1. 自分の好きな情報、自分がそうなってほしい情報しか興味を示さないし信じようとしない
2. マスコミが流さない情報を信じることが高いリテラシーという勘違いしていて、マスメデイアの情報より「もっともらしい」情報を流すサイトの情報を信じる
3. 自分の好きな情報、自分がそうなってほしい情報のみが正しいというマインドコントロールを受けている。
・SNSのワナ
SNSはある意味人間の情報源を偏執させる。それはほぼどのSNSにも装備されているのだが、情報の内容に対するアルゴリズムがある。それはユーザーの好む情報、好む志向、発想に沿った内容のSNSの発言、投稿が見えるようにできているのだ。しかもFacebookといったSNSだと「友達」も同じ趣味、思想、志向の揃ったものが集まりやすい。かくして自分の考え、趣味が同じ人がSNS周囲に集まることになり、そういう情報ばかりなので、それが「世の中の全て」という錯覚に陥ってしまう。
実はこれがSNSが仕掛けるワナ なのだ。
そして選挙や世の中のトレンド、経済状況その他のリアルな状況が自分のSNSの「周囲」の情報とは違う結果になると「これはおかしい」という風に思ってしまうのだ。
トランプ支持者の陰謀論サイトのQアノンを始め、右翼系サイト、トンデモ系サイトに傾倒する人たちが集まり、SNSでもそういう右翼系の人達が好む内容の情報しか目をしなくなると トランプが大統領選の不正選挙を主張すると「それが事実であるー何か陰謀があるに違いない」と思ってしまうのだ。それがどんなにトンデモ系、嘘であっても彼らはそれを信じ込んでしまう。
そうなるといくらそれがデマだ、とかファクトチェックした内容の投稿を見せても彼らはそれを読もうともしない。何をいっても聞く耳をもたない。
先日の議会乱入事件でも連邦議会に乱入したのはアンティファであってトランプ支持者じゃない、とかいまだに云い続けている人間がいるのもそういう背景である。陰謀論を信じ切っていて何を言っても聞く耳持たず、もう完全にマインドコントロールされている
こうなるとこちらもだんだん忠告するのも面倒くさくなってくる。
日本のネトウヨもその傾向がある。マスメディアの情報よりチャンネル桜の掲載されている情報を信じる。かくしてネットにはデマ、フェイクニュースであふれかえることになる。
あえていうが、私は日米双方のネトウヨに顕著なデマサイト、陰謀論サイトのみの情報しか信じない人は完全な情弱な人たちである。情弱のコワい所は自分が情弱である、ということに気づかないところにあるのだ。
これも何度もこのブログで書いているがマスメディアも忖度やバイアスがかかっているので100%鵜呑みにはできない。してはならない。しかしだからといってそれがQアノンやチャンネルさくらの情報を信じていいという理由にはならない。言ってみれば警察があてにならないからといって「もっともらしくいう」詐欺師の方を信じるようなものだ。賢い人間のすることではない。
今深刻なコロナの第三波のパンデミックが起きているがそれも一部のデマサイトを信じて「コロナは嘘」「コロナは単なる風邪」などというデマが拡散された結果である。
・ファクトチェックをする癖を
これに関する1つの対処法は、これだけどの情報が正しいかがわからない現実では真実かどうか判断に困る場合にファクトチェックするクセをつけておいた方がいいだろう。
全てが完全にあてになる、とはいわないが、いずれも政府やマスコミからは独立したノンプロフィット組織で寄付で運営がなりたっているサイトである。
ネットで拡散されているさまざまな件についてのチェックが行われている
(1) FactCheck Org
(2) ファクトチェックイニシアテイブ
(3) スノープス
(4) ポリファクト
どうも情報が増える、他情報社会というのは情報の質が落ちる社会なのではないかと思えてしまう。
残念ながら昨今の状況を見るとそう断じざるを得ないのだ
二度目の緊急事態宣言ーGoToを強行し自粛といいながら会食三昧した政府首脳による人災である。
1月8日よりコロナ災禍が始まって二度目の緊急事態宣言が発令された。
これはGoToトラベル の政策にあくまで固執し、自粛と言いながら本来自らが襟を正すべきところを、連日大人数で会食し続け、しかもその姿勢が庶民に波及し感染者増加を結果的に推進したといわれても仕方がない行動をとっていた。そしてそれに対し何の手も打たなかった菅政権の失政が原因に他ならない
コロナの増加傾向は上記のグラフでも既に10月末くらいからその兆しは出始めていた。今回の「第三波」が明らかに人災なのはコロナ感染者が急増しているにも関わらず、菅政権はGoToトラベルの政策続行に固執し、結果的に感染拡大を促進させたといえることだ。
大晦日に東京で1591人の感染者を出してからその後も増え続け、1月7日に2447人を出してから本日まで3日連続2000人代、潜伏期間を考えるとクリスマス近辺に感染した人が今データとして反映されており、大みそかまで忘年会騒ぎに参加している人も多いだろうから、向こう1週間は最低でも1000人単位から2000人の新規感染者が出るだろう。
まさに感染拡大を推進したのも菅政権
そしてその対策が遅れ、事態を悪化させているのも菅政権
何でも後手後手の菅政権
後手後手政権、いや後手後手無能政権といってもいいかもしれない
深刻なのは医療体制がもはやパンク寸前という点だ
入院患者 1月9日現在で3119人
重症者129人(ICU収容)
ICUなんてそもそもそんなに収容キャパシテイなどどこの病院もないのだから、人手不足もあり医療体制はもはやパンク寸前だろう。「大多数が軽症か無症状でしょ?」なんてのんきなことを云ってられる状況ではないのである。
人災、無能、後手後手、そして無責任
それが菅政権である。