8月30日の国会前12万人集会が意味するもの
仕事の関係で一瞬しかその場にいることはできなかったが、集会に参加した人たちの熱気はすごい伝わった。
国会前は12万人といわれるが、30万人集結といわれる1960年当時の60年安保の国会包囲と見た目は変わらないように見える
但し1960年の安保と昨日の集会には根本的な差がある。
それは1960年は左翼政治勢力の主導での国会包囲だったが、今回のSEALDs主導の国会包囲は一般市民が自主的に参加し、政治勢力如何に関わらず「安保法制=通称戦争法案」に対して反対のための連帯を確認したことである。
■野党4党首、デモそろい踏み=安保法案反対で共闘
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201508/2015083000167&g=pol
何よりも1960年安保はけが人や死者も出たが、今回の国会包囲は非暴力に徹し一人の逮捕者も出さず、実に秩序正しく「安保法制」に対する反対と安部政権の退陣を要求した。
実は私は公安警察や在特会を始めとするネトウヨ連中が挑発や暴走でデモを大混乱に陥れる「ワナ」を用意しているのではないか、という懸念を持っていたがそんな思いは杞憂に終わってよかった。在特会を始めとする「安保法制賛成」の集団も「安保法制反対」の声を揚げる一般市民に数で圧倒されていたようだ。
さて、今回のこの国会包囲に対して一部の安保法制の反対派から次のような声もあった。
日曜日に国会や官邸を包囲しても安倍本人がいないんだから意味がないではないか
デモが大げさになればなるほど、安倍首相は、
「わあ、僕のおじいちゃんの岸首相のときの再現だあ。」
「僕だっておじいちゃんに負けないくらいデモに動じないぞ。」
「そうすりゃどうせ右派の人たちが褒めてくれるもんね。」
「後世、愚民に負けない立派な宰相だったって、評価してくれるぞ。」と喜ぶに決まっている。
一理なくもない。確かに安部晋三はたぐいまれなKYな男だから。
しかしこれはやはり違う。
今回の国会包囲の意味を全く理解していないといわざるを得ない
今回の何十万人というデモが国会を包囲、しかも非暴力に徹した抗議活動
しかも特定の政治団体の主導ではない(SEALDsは任意団体ではあっても政治団体ではない)一般民衆が立ち上がって連帯している。
私は日本国民が真の意味で民主主義に目覚めたのだと考えている。特定の知識層や富裕層に偏っているわけではない。
この国会包囲は自民党、公明党に対して無言の、しかし強いメッセージを秘めている。
それは
「参議院で強行採決に賛成してみろ。次の選挙では必ず落とすぞ」
というメッセージである。
実際あの破廉恥な武藤議員だけでなく、「議員落選運動」というものが始まっている。これも市民が自主的にやっている運動である。
■反・戦争法案の運動が本格的な落選運動に発展する可能性
http://bylines.news.yahoo.co.jp/watanabeteruhito/20150723-00047812/
特に公明党、おひざ元の創価学会会員の多くも今回の安保法制=戦争法案に反対している。
このまま自民党の飼い犬のごとくこの法案の強行採決に賛成するか。
賛成すれば間違いなく次の選挙では落選だろう。それでも賛成したいというのなら落選覚悟でやることだ。
そこまでの覚悟が本当にあるのか?
■「自衛隊に歯止め、公明党にしかできない」 山口代表
http://www.asahi.com/articles/ASH8Z653BH8ZUTFK008.html
一見これは今までの公明党の主張内容と変わらないように見える。
だがよくみると、今まで安倍の九官鳥のように「安保法制は日本の防衛に必要」とかおよそ「平和の党」らしからぬ答弁を繰り返してきたが、今回の街頭演説ではことさらに「平和」とか「歯止め」などと衆議院の強行採決時には殆ど使わなかった言葉を使いだした。明らかに以前よりはトーンダウンしているのだ。
これは足元の創価学会会員の支持離れと反発に内心脅えている、という風に考えられないだろうか?
公明党はあと一押し、二押しくらいで折れる可能性がある、
昨日の国会包囲でもう国政選挙で前回、前々回のように大量の人が「投票しない権利」を行使する、などと考えているとしたら大間違いだ。
安倍政権はすっかり日本国民を怒らせてしまったのだ。
強行採決してもすぐに国民は忘れるさ、などと考えているとしたら国民から手痛いしっぺ返しを受けるだろう。
今回の集会の記事(なぜか読売だけは報道していないーそんなに安倍のタダ鮨が食いたいのか)
沖縄基地の時もそうだったが、昨日の集会に関しても「アルバイト」があったとかありもしないデマを流す動きがあるようだ。アルバイトだったら仕事中止して最後までいたのに(笑)
まあそういうデマを流すこと自体、「安部政権」やそれを支える「日本会議」が今回の国会集会の規模に狼狽している何よりの証拠だとおもう。