KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

「ルールが絶対」という「正義の暴走」-日本のあらゆる病巣、諸悪の根源がここに凝縮

以前安倍政権の主要支持層の1つである20代ー30代の「ゆとり、さとり世代」について書いた。勿論特定の世代に対する偏見を助長する意図はないのだが、彼らの多く(私は勿論この世代の全員がこれにあてはまらないことを心の底から願っている)の特徴が日本という国の未来に対して深刻な悪影響を与えることを強く懸念するものだからだ。おさらいのためにいわゆる「ミレニアム世代、さとり世代」の特徴を述べると

1.強いものにひかれ、今ある現実を受動的に肯定する。変化を極端なほどに忌み嫌う

2.異論や反対することを極端に嫌う。他人と違う意見を述べることはよくないことだと考える

*(とりわけ「さとり世代」に顕著)他人からいわれないと、命令されないと何もしない、自分で自発的に企画したりものごとを作る、という発想がない

4.極端なほどの没個性。「他人と違う」ということを嫌う、自分と異質な人間を受け入れない。同調圧力に極端に弱い

*(とりわけ「さとり世代」に顕著)何か問題が起きても自分が当事者なのに他人事のようにふるまう。自分のやったことに責任を持とうとしない

ただ、「ゆとり」「さとり」世代というのは文部省が一次推進していた「知識詰め込み教育」に対するアンチテーゼとして行われ、基本的には「各自が自分で考える」機会を作る、という目的で行われたはずだった。

だが結果はご存じの通り殆ど真逆な結果になったのである。一部例外があるものの(あってほしい)この世代に共通するのは極端なまでの思考停止である。

どうしてこんなことになってしまったのか、と考えているうちにこの記事にぶちあたった。

ten-navi.com

関連場所を例によって引用させていただく

なぜか小学生はランドセルを背負いながら傘もささずに歩いていた。土砂降りの雨だ。頭の先からつま先までずぶ濡れである。何か理由でもあるのだろうかと少し気になった。

《中略》

。気になったし、理由をたずねたかったが、僕が小学生に話かけてしまうとその時点で声掛け事案になりかねないので、郵便局の屋根が庇みたいになっている場所からその様子を見守ることしかできなかった。

小学生はあいも変わらず、少し大きめの水たまりを確かめるようにして濡れながら歩いていた。

「どうしたの、ずぶ濡れじゃないの。傘使いなさい」

郵便局から出てきたおばさんが、何の躊躇もなく小学生を呼び止め、自分の傘を差しだした。よくやった。さすがおばさんだ。そう思った。

「いいえけっこうです」

小学生は少し大人びた口調でそう答えた。同時に、また雨が強さを増したような気がした。

「いいって……ずぶぬれじゃないの。返さなくていいから使いなさい。風邪ひくから」

それでもおばさんは食い下がり、ビニール傘を差し出した。

「本当にいいんです。クラスのルールなので。忘れ物は自己責任。誰も頼っちゃいけないって決まったんです」

ちょっと彼が何を言っているのかわからなかったが、少しだけ考えてわかった。彼は頑なにクラス内のルールを守っているのだ。ただそれだけなのだ。

 一度決めたルールが絶対。、忘れ物が横行する中で、自己責任であるとルールを決めた行為も正しい。あらゆることが正しいはずなのに、その正しさの連鎖の先が、ずぶ濡れの小学生になるというおかしな結末

そしてこの「ルール絶対」という今の学校の風潮がもっとおかしな方向に学校を持って行く

ある時、女教師の発案で、「今日の困ったこと」というコーナーがこの帰りの会に導入された。当時はなんだかよくわからない面倒なものが追加されたものだと思ったが、今思うとこれはある意味、「正しさ」を追求しようとするコーナーであったように思う。

毎日、誰かが手をあげて、今日の困ったことを発表することになっていた。そこで誰が悪いのかを論じ合い、謝ってもらおう、というものだった。

「今日、山岡君たちが廊下を走っていました。とても危険でした」

ある女子がそう発言する。そこで問題の山岡が照れくさそうな表情で立つことになるのだが、さらに女子から追撃が始まる。なぜ走ったのか、どこに行こうとしていたのか、ほかに走ったやつはいなかったのか、どれだけの危険があるのか理解しているのか、どうしてルールを守れなかったのか、延々とそう責められた挙句に締めの一言が放たれる。

「謝ってください」

そこで少し照れ臭そうに山岡が謝って終了、となるのである。おそらくであるが、概ねこれらの行為は正しい。ルールを守ることは大切だ

 

《中略》

 と、ここまではまだ許せる。だがこの「ルールが絶対」という「正義の暴走」は次の恐ろしい事態を誘発する

帰りの会が始まり、今日の困ったことコーナーに入ると、いつもの女子が手をあげた。

「最近、松井君の周りが臭いです。松井君はちゃんとお風呂に入ってください」

とんでもない告発が飛び出した。クラス中がざわめいた。

松井君の家は貧しかった。いつも汚らしい同じ服を着ていて、風呂にもちゃんと入っていない感じだった。いつも何かしら汚れていたし、髪だってボサボサでフケだらけだった。聞いた話によると住んでいる借家には風呂や洗濯機がなく、満足に銭湯などにも行けなかったようだ。

しかしながら、いくらそうであっても、それは人として言ってはならないことだ。いくら子どもでもそれくらいの常識は備わっているはずだ。誰もが毎日お風呂に入って綺麗に着飾ってオシャレできるわけではないのだ。

けれども、女子たちは告発した。どうやら雰囲気的に、女子たちで示しあわせて告発した向きがあった。もう告発することもなくなったし、松井いっとくか、みたいな雰囲気があった。

「臭いのよね」

「毎日同じ服だし」

「気分が悪い」

女子たちは口々にそう罵った。その勢いに乗って、男子たちも臭いだの汚いだの言い始めた。

恐ろしいことに、クラスの連中には松井君の名誉を傷つけているという意識が存在しない。あくまでも自分たちは正しく、悪を糾弾する勇者だと思っているのだ。

「謝ってください!」

何を謝れというのだろうか。不潔でごめんなさい、と謝れというのだろうか。どうやらそのつもりらしい。「正しさ」のうねりは大きな流れとなってクラス中を包み始めていた。

僕は松井君のことが好きだった。教室の中で話す松井君の話はおもしろく、興味深いものだった。彼の貧乏ネタは鉄板で、同じく貧しかった僕は深く共感した。自分の境遇を笑い飛ばせる強さが彼にはあった。

一番の恐怖は、僕自身がこの「正しさ」がおかしいと感じる立ち位置にいるのは、自分自身が聡明で物事を冷静に分析する力をもっているからというわけではない点だ。僕は松井君が好きだった。だからこの「正しさ」に腹を立てているだけで、状況が違えば、僕も同じように「正しさ」に熱狂している可能性があるのだ。それが怖い。

「もうこいつらはダメだ。でもこんなこと許されるわけがない。そう、先生だ。先生ならなんとかしてくれるに違いない。こんなことおかしいと叱り飛ばしてくれるに違いない」

縋るような視線を担任の女教師に投げつけると、彼女は「活発な議論だわ、これぞ私の目指した教室」みたいな満足気な表情を見せていた。ダメだこいつ。

「正しさ」は熱狂を通り越していた。

女子たちは口々に「早く謝れ」と言い放った。男子たちも早く帰りたいと声を揃えた。ついに松井君は泣き出してしまった。そして僕は、何もできなかった。

「多数決を取ります」

会の決まりにしたがって多数決がとられることになった。松井君が不潔にしていることを謝るかどうかを問う多数決だ。多くのクラスメイトが「正しさ」にしたがって投票する多数決だ。

結果は、圧倒的多数で「謝るべき」となった。今このクラスではそれが「正しい」らしい。

教壇に立ち、皆のほうに向き直る松井君。涙が頬を伝っていた。

「僕が不潔にしていて、みんなに迷惑かけてごめんなさい」

松井君は謝った。何に対して謝ってるのか不可思議だが、とにかく謝った。

「聞こえません!」

すぐに女子から声が飛んだ。これは聞こえているのに何度もそう指摘して言わせる嫌がらせみたいなものだ。

「不潔でごめんなさい」

「聞こえません」

「不潔でごめんなさい」

「聞こえません」

もう松井君の声は涙声で聞き取れなくなっていた。

「本当に臭かったよね」「死ぬかと思った」「風呂くらい入ればいいのに」女子たちは勝ち鬨をあげた。男子たちは早く帰りたくて半分腰が浮いていた。

「はいはい、活発な議論だったわね。松井君も不潔にしちゃ駄目よ」

担任の女教師がそう言って会を占める。

松井君は次の日から学校に来なくなった。

恐ろしいことに、松井君が来なくなるという結果に対して、関わったすべての人間が「正しい」と思っているのだ。女子たちは正しく糾弾したと思っているし、担任も良い教育ができたと考えている。僕だって、あの状況では何もできないし、逆効果だったと何もできなかった自分を正当化している。

<略ー順不同>

クソな上司、アホな取引先、頭のおかしいクライアント、それらが織りなす圧倒的理不尽をもってしても、小学生時代のこの謝罪の理不尽さには勝てない。それだけの経験だ。唯一匹敵するとすれば、社内の栗拾いツアーに、職場で嫌われまくっている僕だけ誘われなかったのに、4000円の会費を後日徴収されたことくらいだ。これはそれくらいの理不尽だった。

この帰りの会において「正しさ」は確実に暴走していた。もう収集つかないところまできていた。

私は上記に書いてある「帰りの会」のような小学校がこの国の小学校の大多数の姿ではないことを心の底から願っている。またここに引用されている酷い担任教師も日本の小学校教師の大多数ではないことを願う。

だが「ゆとり」「さとり」世代の教育の姿の多くははひょっとしたこんな状況だったのではあるまいか。普通に考えれば「ルールは絶対」の名の元クラス全員が上記の松井君の客観的に考えれば「いじめ」を殆ど正当化していて、この女教師は事実上その「いじめのお墨付き」を与えているわけである。今の日本の小学校の多くがこんな教育方針を大手をふって罷り通らせているのか?そうでないことを切に願う。ただ残念なのは一定の割合で存在したからこうなったのかもしれない。

 全員が「正しさ」を行使したその末に、結果だけ「正しくない」状況がある、今の日本という国はそんなことも理解できない社会になっているようだ

だが、「ゆとり」「さとり」世代の行動パターンを見ていると彼らの多くが「ルールが絶対」そして「暴走する正義」の環境下で育ってきたのではないか。そう思いたくもなる彼らの精神状況である。

だとすると今の日本のあらゆる病巣、あえていうが諸悪の根源、これらは全ては「学校」から始まったといえるのかもしれない。

「ルール」が絶対 それによる思考停止

最近の子供が没個性になったり、自分の意見をいわなくなったり政府がどんなメチャクチャな酷いことをしても何もいわなかったり、今のネットでのわけのわからんアホ、クレーマー等の主張する「正義」

全てがここから始まったといえるかもしれない

こんな教育で「ルールが絶対」その「ルール」の主張する「正義」の元で育った大人はこんな大人にしかなれないのかもしれない

日本の「サラリーマン」の殆どがこれに当てはまると思う。日本が停滞、閉塞している元凶といっていい

www.businessinsider.jp

最近はリンクを 紹介しても読まない人が多いので上記ページに書かれている「詰まらない人」の特徴だけ書いておこう

1. 会話のバランスが偏っている

2. 相手が会話に参加しているかどうか、わかっていない

3. 他人を笑わせることができない

4. 会話中、何も言わない

5. いつも同じことをする

6. 自分の意見がない

7. 面白い話をうまく伝えられない

8. 目新しさがない

9. 他人の視点で物事を見ることができない

10. 会話に他人を参加させない

11. アドリブに弱い

12. 基本的にネガティブ

13. 同じ話を繰り返す

14. 自分が周りの人にどう思われているかに固執する

15. 自分がいかに賢いか、証明しようとする

16. いつもつまらないと感じている

思い当たる人多くないだろうか?私は最近の日本人、こんなタイプの人ばっかりだと感じる。そしてこんな思考回路しかできない人ならリストの最後に書いてあるように「いつもつまらないと感じている」のは当然だろうと思う

そしてつまらなくしている元凶は「ルールが絶対」それによる「正義の暴走」に他ならないわけだ

もう一度いう。「ルールが絶対」という「正義の暴走」

日本のあらゆる病巣、諸悪の根源がここに凝縮されている。

日本という国があらゆる観点からみて著しく劣化したことを実感する今日この頃

この記事の前の記事で安倍政権がどんなにメチャクチャなことをしても一向に支持率が下がらないことに対する分析をしてみた。

kyojiohno.hatenadiary.com

簡単にまとめると安倍政権の支持は財界やネトウヨ、そしてよくいわれるゆとり、さとり世代ではなく主に「B層」といわれる人たちが安倍政権のみせる「偽りの夢ー日本がこんなに素晴らしく幸福である」を見続け、年金破綻、原発による被害、格差の拡大や実質賃金の低下等の「現実」から目を背けさせることに成功したため支持を続ける、というメカニズムが明らかになった。

普通に考えれば安倍政権の政策でもっとも「捨てられる人」たちが「B層」にあたるわけだが、小泉新自由主義の自己責任廚もそうだが、本来その政策で捨てられるのは自分たちなのに政権の見せる「偽りの夢」が本当と思い込み、自分たちとは真逆の政策を行う政府を熱烈に支持する、というおかしなことが続いている。

これというのも理由は簡単、日本国民の大多数が思考停止に陥り著しく劣化したことが原因である。

先日海外生活が長く久々に日本に来た知人とランチしながら話したことだが、日本人の劣化はとりわけ日本の会社との取引の時に感じるという。

かくいう私も一時はサラリーマンだった時代があったが、確かに最近の日本の企業を見て感じるのは

1.意味のない会議

誰一人発言せず、上司から部下への指示を出す「会議」。会議をやるのにわざわざ「会議の議題を募集する、などという本末転倒なことが大手をふってまかり通っている」(「会議」のための「会議」だ)。こういった会議に一体なんの意味があるのか不明だし、私見では殆ど時間の無駄である。これは一社、二社くらいの特殊な例かと思ったら、何とどこの会社でもやっているというから驚きである。

2.部下に意見されて逆ギレする上司

これも私は特殊な例だと思っていたが、今や多くの日本企業内では部下が上司に意見や見解を述べるのは半ばタブー化しているという。そのため上司の考えに対して意見や別の見解を述べただけで逆ギレし、パワハラを行う上司も後を絶たないという

ネットでもよく自分と違う意見に触れるというだけで逆ギレし、逆上して叩く、誹謗中傷をしてブログやSNSをを炎上させる輩が少なくないが、どうも会社でもそういうことは珍しくないらしい。

「昔はよかった」などというつもりはないが、私が会社員だった場合は部署でさまざまな意見交換が行われきちんとした「議論」になっていた。上司も例え自分とは意見が違っていてもそれなりに仕事もする部下をきちんと評価し、それによるパワハラなどはなかった。少なくとも私がいた職場ではそんな光景を見たことがない

3、「考えること」をしなくなった日本国民

上記のようにすぐ逆ギレするような上司ーこれが日本の会社の上司の大多数でないことを祈っているがーがいればもう部下も誰も「こいつには何云ってもしょうがない」ということになり誰もなにもいわなくなる。これは「逆らわない」のではなく「部下に相手にされていない」ことにたいていの場合気が付かないのだ

 結果何をいうのも、考えるのも「面倒くさい」ということになってしまうのだろう。

そして日本人のネットリテラシーの低さには定評があるが、結局「自分の興味ある、好きな情報」「自分がそうであった欲しい情報」のみを追いかけ他のことには徹底的に無関心になる。多くの場合ネットユーザーで「自分の興味ある、好きな情報」「自分がそうであった欲しい情報」がどれだけ確かな情報か、信頼性のある情報か、などと考える人は少ない。だから何でも情報を鵜呑みにして、デマ拡散とかにも一役買うことになる。

それがもたらすのは「思考停止」である。

 

先程の安倍政権の熱烈な支持層である"B層は"たとえ年金が足らなくても、生活に必要なあらゆるものが高くなりもはや生活ができなくなっても安倍政権が「偽りの夢」に酔わせてくれる以上は何があっても支持し続けるようだ。これは思考停止しなければできないことである。

あるいは行くところまで行ってしまって初めて気がつくのかもしれない。しかしその時はもう手遅れなのだ。

 

 海外に長く住んでいる知人と話していて出てきたのは日本人に啓蒙活動をしても無駄だという話になった。

理由は大半の人が思考を停止しているからだ。

最近事実かもしれない、と思うようになった。

 

日本人が変われるとすれば、誰がみても「凄い」という結果を出すしかない という

となるとリベラル層でそういった結果をだせる人間でないと日本は変わらない、ということか、

絶望的な気分になった

安倍政権の支持率がなぜ下がらないのか?の分析を読んで「不都合な真実に目を背け偽りの夢を見続け破滅」に向かっている日本人の姿を見た

森友、加計における公文書改竄や事実隠蔽、統計不正、そしてマスメデイアが「報道しない権利」を行使している与党の予算審議委員会、80日を超える審議拒否、

それ以外にも「安倍の友達」という理由での犯罪者の不逮捕、そしてさまざまなことで日本社会をどんどん破壊していく安倍政権

上記のどれか1つをとっても本来は内閣がふっとぶくらいのことなのだが、安倍政権はその高い支持率を背景に政権に居座り続けている

安倍政権の支持者はどんな人たちなのか、財界関係、20-30代を中心とする「ゆとり、さとり」世代、ネトウヨ等が揚げられてきたがそれだけでは40-50%の支持率にはならない。

と思ったらこういう記事を目にした。そして読んでなるほど納得できる部分があった

■なぜ安倍首相がここまで首相を続けられるのでしょうか?

jp.quora.com

なぜ、そんなことが続くかなのですが、彼のような「舌のよく回る職人」(ローマの哲人政治キケロが、真実を重んじることなく、巧言令色で大衆を惑わせる偽りの弁論家に名付けた名称)が、まずは、社会の既得権益を持つ人たちにとって有用だからでしょう。なぜなら、現代は不都合な真実に満ち溢れているからです。日本経済が高度成長期のような発展をすることは二度とないこと、発展期にある世界の各国の間で日本は「緩慢な衰退」を運命付けられていること、何十年と続いた少子化の影響は、どんな対策を取ってもその同じ長さでこれからの社会に影響を与え続けること、経済優先の社会の価値観で大きく損なわれた道徳、家庭や個人の生き方を見直し、新たなものを見出すのにも何世代もかかること、福島の原発事故によって生じた大量の放射性物質の回収やその最終的保管にはほとんど無限の時間が必要なことなど、今生きている世代にとっては、生きている間に解決不可能に思える不都合な真実が数多くあります。

そして、安倍政権の最大の強みは、国民がこれらの不都合な真実から目をそらし、偽りの希望や安心を持つようにすることに長けているということです。安倍-菅コンビは、これまでのどの政権よりも、どんなに不都合なことも「それは当たらない」「問題ない」と断言し、すべては「アンダーコントロール」で大丈夫だと言うことに力を尽くしているのではないでしょうか。そして、それは結局、国民もまた、不都合な真実から目を背けて、日本は「美しい国」であり、誰もが幸せになれる素晴らしい国であるという美しい嘘を信じたいからであり、それを信じさせてくれるのが、この政権だからなのだと思います。

<中略>

いったんは自民党政権に不信任を突きつけ、民主党政権を誕生させました。しかし、その時に多くの国民が民主党政権に期待したのは、不都合な真実に向き合う新たな選択肢ではなく、今まで通り「みんなが幸福になれる」という夢を見させ続けてくてることでした。もちろん、そんなことはできるはずもありません。失望した国民は、再びかつて夢を見させてくれた自民党に政権を託したのです。

「日本を取り戻す」という復古的なスローガンと「戦後政治の総決算」という矛盾するイメージを掲げることで、安倍政権は、既得権益を持つ夢よもう一度と思う人々と、今の生活に不満を持つ人々という本来利害の対立する両方から支持を獲得することに成功したのです。なかでも、戦後誰も具体的に手をつけることのなかった「憲法改正」を掲げたことによって、何かを変えてくれるかもしれないという期待を抱かせることに成功したのです。そして、このように簡単に実現するはずもない目標を掲げ続けることで、国民の間に期待感を抱かせつづけるというのが、この政権の常套手段になっていることは、拉致問題北方領土問題を見ても明らかです。つまり、現実に分け与えるものがないので、希望だけは広く分け与えるのです。たとえそれが空手形であったとしても。

 

これを読んで「なるほど!」と思ったと同時に 背筋が凍る思いになった。実に的確な分析であり、正しい分析だと思う。

皆真実から目を背け嘘でも心地よい嘘を本当と思いたがっている。こういう時には安倍晋三のような嘘つき首相の方がいいということ。「不都合な真実」に目を向けず「偽りの夢」ばかり信じる行為は、いわば癌でありながら癌の治療には目を向けず、「また健康体に戻る」という偽りの夢を見るのと同じ行為である。

つまりこのままいくと結果は破滅、しかないということだ

そしてこういう時には安倍晋三のような嘘つき首相の方がいいということ。そしてその嘘つきの能力を安倍晋三は存分に発揮した

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 だからあれだけメチャクチャなことをしていながら、国民に不都合な真実に目を背けさせ「ありもしない偽りの夢」を見続けさせてくれるからで、よくいる「民主政権より安倍政権の方がマシ」と言い続ける人たちはその「偽りの夢」をいつまでも見ていたいからである。実際彼らは安倍政権の文書改竄、統計不正、年金破綻その他もろもろに国民に嘘をついた事実を完全に黙殺する。安倍晋三という嘘の常習犯だからこそ「偽りの夢」があたかも真実であるような錯覚に陥る。やっかいなのはそれを見続けたいと思っている人が多い点だ

令和改元時の日本国内のあの異常なはしゃぎぶりもそれだ。安倍政権の「心地よい嘘」と幻想に踊らされているに過ぎない。これは政府とマスコミが見事なくらいタッグを組んでいた。実際自民党と財界とマスコミがタッグを組んで見事なほどに国民を騙している。

これは詐欺師の手口、ねずみ講MLMのように「金持ちの夢をみる」という行為と本質的に変わらない。そして安倍の偽りの夢を見続けるのと同様、その夢をみて現実から目を背け続けると破滅しか待っていないことになる。日本国民の4割が「偽りの夢を見る」ことに固執し、一種のカルト宗教信者のような思考停止に陥っているという極めて危険な状況だという点。 カルトから目覚めさせるのは簡単ではない。とにかく不都合な真実から逃げないように諭すしかない

要するにこの状況を打開するには安倍政権との闘い、というよりも「不都合な真実に目を背け偽りの夢を見続けたい」人たちと「真実に気付き現実的な問題解決に取り組む人たち」の2つの陣営の戦いになる。その闘いの場は他ならぬ選挙である。

先日の菅官房長官のこの発言、

www.jiji.com

安倍晋三首相も

mainichi.jp

いずれも「解散」を否定していない

こういう場合は8割以上の可能性で衆議院解散がある。

衆参ダブル選挙はほぼ間違いないとまでいっていい

野党(立憲民主党、国民民主党共産党社民党社会保障の会)は衆議院での野党共闘の準備を急いでほしいと思う。

 

<追記>

思うに「不都合な真実」に目を背け続け「偽りの夢を見る」ことに固執する層は社会層の中でいわゆる「B層」に当たる人たちではないかと思う。この人たちは政治の関心は一定量持ってはいるものの失礼ながらあまり知能の高くない人たちだが社会層の中では最大レベルの人数がある人たちである。この人たちが安倍政権を支持し続けると考えれば全て辻褄があう。結局今度の選挙も「B層」との闘いになるだろう。「B層が日本を滅ぼす」などと云っていた人がいたがまんざら嘘ではないかも

海外から帰国し日本はキャッシュレスもペーパーレスもなかなか進まない見通しであることを実感

10連休の影響。 海外から帰国してキャッシュが不足したので止むにやまれず手数料覚悟で金をおろす。たまたま現金を引き出せたが現金切れのATMも多数あった。こんなの初めて見た

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引出しができなくなったATM

日本はやはり外国と違いクレジットカードが使える所がまだまだ少ない。そのため外国で生活する場合と違い現金を使う機会が多くなりこういうことが起きる。

日本にキャッシュレスがなかなか進まない理由の1つに治安の良さがある。そもそも欧米でクレジットカードが進んだのは現金を持っていると盗まれる可能性が小さくないからである。一方治安のいい日本はそういうことは少ない(同じくドイツも治安がいいところなので逆にキャッシュレスが日本同様進んでいない)そのこと自体は決して悪いことではない。

また年配者で海外生活の経験がない人の間にはクレジットカードに対する抵抗感は根強い。年配者はSuicaPasmoもなかなか使いたがらない傾向があり、まあ新しいものに対する抵抗感が強い、ということなのだろう

日本とドイツのように治安のいい所はキャッシュレスはなかなか進まない、ということだがこれが果たしていいことなのか、悪いことなのかは議論が別れるところかもしれない

同様にビジネスの上でのペーパーレスも日本ではなかなか進んでいない。請求書、見積り書をPDFで送っても「用紙」で再送付することを要求されることも多い。(面白いことに大会社ほどこの傾向が強い)

メールだと「わかり辛い(????)からFaxで送ってくれ」などといわれることも少なくない。政府はペーパーレス、キャッシュレスを推進しようとしているようだが、肝心の会社関係でなかなか進まない原因がここにある。

ひとことでいえば経済関係者は高齢者が多いせいか掛け声とは裏腹にペーパーレス、キャッシュレスに抵抗感がある人間が少なくないためだろう。(どうも大会社の経理会計関係者にPDF電子化に対する抵抗感を示す人間も少なくないことも原因らしい)

私個人はキャッシュレスはともかくビジネスの上でのペーパーレスは推進すべきと考える。特に請求書をPdfでメール送信した方が断然早いし何よりも郵便代がかからない。コスト減からもPDFによるインボイス(請求書)送付が当たり前にならないと日本はIT化で大きく海外で後れをとることになる。(既に海外でインボイスのPdfのやりとりは完全に当たり前になっている)

日本ではキャッシュレスもペーパーレスもなかなか進まない見通しだ。

 

地元の雹の猛威

twitterでも投稿したが、初夏に近い5月4日に東京都多摩市に大量の雹が降ってきました。直径数センチのどでかい雹です。

こんなの見たこと無い( ̄◇ ̄;)

降り始め

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https://twitter.com/kyojiohno/status/1124562598718889984https://twitter.com/kyojiohno/status/1124562598718889984

 https://twitter.com/kyojiohno/status/1124576280022638592https://twitter.com/kyojiohno/status/1124576280022638592

 https://twitter.com/kyojiohno/status/1124576280022638592https://twitter.com/kyojiohno/status/1124576280022638592

暖かい空気の中に冷たい空気が急に入り込むとこうなる、というのは理屈ではわかってますが、本当にこんなの初めて 温度を見ますと先程24度あったのが一気に12度まで下がってました。自然の凄まじさですね。

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 雹の氷は結局次の日まで残りました

自然の恐ろしさを体験した日でした





 

 

久しぶりに第二の故郷 New Yorkに行ってきました。久しぶりのNewYorkで日本の物価の低さを実感

私はいわゆる「帰国子女(年齢的には帰国ジジイですが...)」で子どもの時はNew Yorkで育ちました。社会人になっても1年以上住んでいたこともあり、私にとってはNewYorkは第二の故郷といっていいと思います。

NewYorkのダウンタウン

そのNew Yorkに久しぶりに行ってきました。何年振りか、についてはここではあえて伏せさせてもらいますww

Newyorkの国際玄関 ジョンFケネデイ空港(通称JFK)

 

仕事でNew York、と言いたいところでしたが今回は完全なプライベート旅行です。昨年のポルトガル→スペインと取材旅行の出張と違いそのため気楽なもんです。(^^)

ラジオシテイミュージックホール前にて

まあニューヨークといえば名所は数多くありますが..

ブロードウエイとメトロポリタンミュージアム入口

左はタイムススクウア、右はジョンレノンが凶弾に倒れたストロベリーフィールドモニュメント

個人的には子供の頃住んでいた所の近くに球場があったのでNewYork Met ファンです。社会人時代、某会社の駐在員時代に来て以来ですね。

New york Mets 本拠地のシテイフィールドにて

 今回久しぶりのNewYork訪問でしたので本当に「浦島太郎」状態でした。

久しぶりに来て驚いた点が2つあります。

1.物価の高さ

以前は日本の方が物価が高くて海外だと安い、というのが普通でした。しかし今回行ってみてそれが完全に逆になったことを実感しました。マンハッタンの中だけみても日本の軽く倍と言って良いでしょう。

正直昨年のポルトガル、スペインに行った時も物価が高いなという印象がありました。となるとこれは特定の地域の問題ではなく、やはり日本では長い間デフレが続いていたということが影響している、といわざるを得ないと思います。

日本がそれだけ経済が低迷した、もっとはっきりいえば世界から見ても「落ちぶれた」ということがいえるでしょう

2.New Yorkの治安の良さ

私が社会人になって住んでいた時代はNew Yorkがもっとも治安が悪かった時代でした。以前は地下鉄に乗ると時々身の危険を感じる時があったのですが今回それは一度も感じませんでした。深夜歩いても身の危険を感じることは殆どなく実質的に東京とこの点では変わらないですね。

今回現地の昔の友人(アメリカ人)と再会してこの話が出たんですがNY市民も治安の劇的改善を喜んではいるものの、「まだ基本の闇は隠れているだけで無くなってはいない。とにかくこの状況がいつまでも続いてほしいとは思うけどね、だが果たして..」とも云ってました。

何か1つ間違えば以前の最悪の状況に戻る危険性はある、という点ですね

とにかく全米でも最悪の治安だったハーレムにホットドッグスタンドやアイスクリームスタンドがあること自体が私は信じられませんし、昔アポロシアターに行くなど殆ど命がけでした。

治安が良くなりNYでも「ホット」な場所になったチェルシー

ここで私が以前滞在した時はこんなものはありませんでしたが今NYでホットな観光スポットとなってきましたチェルシー地区のハイラインパークに来ています。以前ここには貨物船の廃線の線路があったんですがそれを生かしてこんな公演に作り替えたんですね

今NYでホットな場所、ハイラインパーク。右の写真で線路を利用したのがわかります

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NYのチェルシー地区 昔は倉庫しかなかった地域です。はっきりいって近づくと危険な地区だったんですけどね。本当に隔世の感があります

ちなみに今回最も私自身の「浦島太郎」を実感したのはニューヨーク地下鉄(バスにも使えます)の料金で、自分が以前住んでいた時はトークン」という専用硬貨でしたが(左)今は「メトロカード」(右図)になってます。

トークン
今使われているメトロカード
左はトークン、右が現在使われているメトロカード

NYに行かれる方はメトロカードの期間を決めた"Unlimited" (乗り放題)を買うことをお勧めします。New York市内にあちこち行かれるんであればすぐに元が取れます。7日間乗り放題と30日乗り放題があります。大多数の通勤客は30日を使っているようです。 

7日間"Unlimited" --- $ 33.00 (約3600円)

30日間"Unlimited" --- $ 127.00 (約15000円)

 

詳しくは英語ですが. 

new.mta.info

ちなみにメトロカードは入場時にクレジットカードのようにスワイプするんですが結構コツが要ります。スワイプのスピードが速すぎても遅すぎてもエラーがでます。最後まで このコツを身に着けられずに終わってしまいました。(>_<)

次回来るときは必ず..

安倍政権の主な支持層である「ミレニアル世代」「さとり世代」が日本を滅ぼす可能性

ジェネレーションギャップの本質が変化している

まず最初に断わっておくが私は男女とか性的志向は勿論の事、こういう世代とかで結果的に差別につながるような言質には反対である。だからこの記事のやや「世代ギャップ」に対して「今の若い者は..」的な発言には寧ろ嫌悪感を抱くものである。

だがいわゆる「さとり世代」とかいわゆる「ミレニアル世代」を見るとジェネレーションギャップというものが今までのジェネレーションギャップの本質と全く違うことがわかる。

だいたい今までの「世代ギャップ」はどちらかというと若者が従来の体制や価値観に疑問を持ち、旧体制を壊しアナーキーになる傾向がありそれが「保守的な」年寄りと対立する、という構図だった。だが今の「ミレニアル世代」「さとり世代」とそれ以上の年齢層はそれとは違う。

ひとことでいれば「ミレニアル世代」「さとり世代」の方が「体制肯定派」となり30以上の世代の方が「体制否定のアナーキズム」に傾倒する、という全く逆の構図になっている。具体的にいえば前者に安倍政権の支持者が圧倒的に多く、30以上は安倍政権の支持者は少なく50以上では安倍政権支持者は完全に少数派となる

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自分たちに不利になる政策を行う政権を支持する不思議

冷静にロジックで考えてみると安倍政権が若者のための政策を進めているとは到底いえないことは明らかだ。

自民党を含むこれまでの政権は、税収が増えた分を借金返済にまわして財政再建に充ててきたが、教育無償化といった「現世利益」に寄りすぎたバラマキは将来への借金のつけまわしになりかねず、若者たちの将来不安にこたえることにならないのは明らかだ。

自民党が野党時代に発表した党憲法改正草案に明記された「国防軍」をとってみても、徴兵制は採られないとしても、兵力として期待されるのは若者だ。

ここで見えてくるのは戦争が起きれば真っ先に駆り出される若者たち、そしてアベノミクスのもとで不安定な非正規雇用が拡大し、影響を被るかもしれない若者ーつまり安倍政権の政策でもっともあおりを食らう可能性が高い世代が安倍政権を支持しているという構図である。

これを見て私はあることを思い出した、

小泉政権の時、小泉政権新自由主義政策で「捨て去られるかもしれない」層が小泉政権を熱烈に支持していた、という構図。いわゆる「自己責任廚」が最も多かった当時の20-30代若者が最も小泉政権を熱烈に支持し、そして小泉政権の政策で切り捨てられた人たちの支持によってその政策が推し進められた。

小泉政権自体はもう10数年前のできごとで「ミレニアル世代」「さとり世代」はそのことを知らないだろう。だがそれだけに彼らが同じワナにはまることが心配される。

小泉政権の時もそうだったが、小泉政権も安倍政権もイメージ的なセンセーショナリズムから「自分たちに新しい時代が来る」というある種の錯覚を与えたために本来は自分たちのためにならない真逆な政策を「自分たちをよくする政策」と勘違いして支持してしまったことが原因だろう。

「ミレ二アル」「さとり世代」の特徴

この世代に共通する傾向をまとめると

1.強いものにひかれ、今ある現実を受動的に肯定する。変化を極端なほどに忌み嫌う

2.異論や反対することを極端に嫌う。他人と違う意見を述べることはよくないことだと考える

*(とりわけ「さとり世代」に顕著)他人からいわれないと、命令されないと何もしない、自分で自発的に企画したりものごとを作る、という発想がない

4.極端なほどの没個性。「他人と違う」ということを嫌う、自分と異質な人間を受け入れない。同調圧力に極端に弱い

*(とりわけ「さとり世代」に顕著)何か問題が起きても自分が当事者なのに他人事のようにふるまう。自分のやったことに責任を持とうとしない

 むろん「ミレニアル世代」「さとり世代」の全ての人間がこれにあてはまるわけではない。いやもっというとこの世代のかなりの割合が上記5つにあてはまらない人間であることを私は心の底から願っている

上記の5つはいずれも問題だが私が特に心配なのは上記の**である。この世代が各企業の中心を担う時代になっていた時に企業とトップが「他人から命令されないと何もできない」「問題が起きても他人事」のようでは企業自体が機能不全に陥ってしまう。そんな会社が。日本の大多数になってしまったら日本は崩壊し、滅びてしまうだろう

また上記*はまさに今の安倍政権の閣僚やその安倍の雰囲気が伝染してしまった官僚組織の最近の傾向そのものであり、これが「ミレニアル世代」「さとり世代」が社会の責任ある世代になった時にその病気が日本中に蔓延する、など考えただけで恐ろしい状態になる。

その時に日本という国は機能不全に陥ってしまうだろう。

日本という国が滅んでしまう時になってしまう

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