自民党総裁選後ー安倍三選と石破支持者の今後ーの影響を考える
既にご存じの通り自民党の総裁選で安部首相が3選を決めた。
そのこと自体は予想通りだが、その内容について様々な見方が出ている
国会議員票 安倍 329票 石破 73票 無効3票
党員・党友票※ 安倍 224票、 石破 181票
※党員・党友票の得票数に応じてドント方式で比例配分される地方票
合計 安倍 553票 石破 254票
数字だけみると安倍首相のダブルスコア超える圧勝にみえるが、7割以上の得票で圧勝を目論んでいた安倍陣営は地方票が予想以上に石破氏に流れたことにショックを隠せないようだ。
実は私は今回の自民党総裁選である不埒なこと、というか期待をしていた。
総裁選の前に石破支持に対して行われた数々の「圧力」
特に曲がりなりにも齋藤大臣に「辞表を書け」と圧力をかけたのは誰か? 安倍自身は「誰がいったかいえ!」などと高圧的な態度を示したが、節度ある人間なら公の場所でいえるわけがない。しかし大臣に対してそのような口を聞ける人間は非常に限られる。総理大臣である安倍晋三、菅官房長官、あとはせいぜい副総理の麻生財務相くらいだ。圧力をかけたのは勿論だれだかわからないが、この3人のうちの誰かであることは間違いないだろう
万事こんな感じだったので、もし投票結果が当初の予想通り、安倍晋三の7割以上の得票を得ての圧勝だったのであれば、石破も齋藤農相も政治家として生き延びるには自民党離党→石破新党結成、という方法しかなくなる。
そして仮に石破とその推薦人や支持者が離党する、などという事態になれば少なくとも15-20人規模になるだろうと思われる。しかも大多数が衆議院議員だ。
実はこれは大きな意味を持っている
仮に15人の衆議院議員が石破とともに離党するとこうなる
日本維新の会は改憲に積極的なので維新を改憲勢力の中にいれるとする。
石破茂は元々改憲論者ではあるものの、安倍首相のような拙速な改憲には明確に反対を表明していた。また安倍首相が行おうとしている改憲の内容にも反対を明確に示していた。
現在 石破と支持勢力がもし15人離党すると
自民 283 自民 268
公明 29 ➡ 公明 29
維新 11 維新 11
計 323 308
衆議院の総数 465名 改憲決議の最低数 3分の2は 310名
と改憲決議できる最低数には及ばなくなる。
つまり安倍首相がこだわる憲法改正の発議すらできなくなる。
そういう事態を期待していた。
だが「予想外の善戦」(地方議員の半数弱だが)が明確になることで状況は微妙にはなってきた。少なくとも当面は総裁選の前のようなロコツな石破派への迫害はできなくなったためである。安倍政権のファシズム的な牙は少なくともしばらくはなりをひそめるだろう。
ということであらかじめ期待したような事態にすぐになりそうにはない。
だが安倍首相は3選のあと憲法改正を進める意欲を示したが、この状況でそううまくいくとは思えない。
と同時に安部晋三という男は実に根に持つ陰湿なところがある。今回の結果で勝つには勝ったものの、内心石破茂に対してははらわたが煮えくり返っているはずだ。そして石破茂は総裁選後も改憲を進めようという安倍首相に明確に釘を刺している。
自民党内のファシストの顔はしばらくは隠れるかもしれないが、隠れているだけでいずれ牙をむけてくるのは明らかだと考える。
その時に自民党全員が安部晋三にあたかもカルト宗教の信者のように盲従するとは限らない、それを今回の総裁選挙は見せたのではあるまいか。安倍三選で地盤が固まったのではない。寧ろ安倍一強の脆さを露呈し、そのため今後の波乱の可能性を期待させるものだ。そして期待しようと思う。ファシストを権力から追放するためにはあらゆる手段が必要だ。
どう展開するか注視はしていこうと思う