KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

「パニック買い」を結果的に煽動した東北関東大震災の災害報道

実は私はもうNHK以外の東北関東大震災を見なくなった。なぜなら今回特に民放の災害報道のありかたに大きな疑問を感じざるを得なかったからである。

次のような問題点がある。

1.今回の東北関東大震災の被害が非常に広範囲であるにも関わらず、報道が特定の地域に偏っていること。茨城県、千葉県、そして長野県もかなり甚大な被害を蒙っているにもかかわらず、なぜか扱いが非常に小さいー特に茨城県の被害は宮城県福島県に負けず劣らず深刻な状況なのに殆ど報道されていない

2.地震の被害ーことに福島第一原発放射能漏れに関する報道に顕著だが、健康に殆ど被害を与えるレベルの放射能でないのも関わらず、そのことをかなり深刻に伝える等、かなり視聴者の不安を煽る報道に終始している。決定的なのは日本テレビなどが、「食料品の買い占めに殺到」といった文言とともに報道し、あるいは商品がひとつも並んでいない陳列棚の写真や映像を出すといった内容の報道を繰り返したこと

3.報道内容が同じ地区(陸前高田とか福島原発とか)の被害の同じような内容を繰り返し繰り返し報道し、視聴者が一番知りたがっていることー例えば計画停電は全ての地域で予定通り行なわれるのか、どの地域が行なわれどの地域が行なわれないのか、また交通や流通がどこまで回復しているか、etc ーといった情報は殆ど報道されなかったこと

その中で私が特に問題としているのは上記でも2番目にあたる。

今回のスーパーやコンビニでのパニック的な買占めは明らかにオイルショックのあのトイレットペーパー騒ぎを彷彿させる。

この件に関しては法政大学国際日本学研究所客員学術研究員の鈴村裕輔氏が以下のように述べている。私は100%この意見に同意する。

■報道機関に求められる良識――「人災」を避けるために
http://researchmap.jp/suzumura/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/

該当部分を引用させていただく

特に、いわゆる「計画停電」の実施日となった昨日は、朝から食料品や日用品を購入するため、少なからぬ人たちが開店前の店舗に並びました。そして、各種報道機関はこの様子を「食料品の買い占めに殺到」といった文言とともに報道し、あるいは商品がひとつも並んでいない陳列棚の写真や映像を人々の目の前に提供します。

ここでわれわれは、いわゆるオイルショックとその影響としての日用品などの買い占めを思い出すことができます。

オイルショックの際に買い占めが起きた原因のひとつが、新聞などに掲載された、「石鹸やトイレットペーパーなど何もなくなったガラガラのスーパーマーケットの棚」1の写真などです。

「大衆心理を煽る」作用を持っている写真や映像を公開することで、結果的に新聞やテレビは買い占めを側面から煽動したのでした。

もし報道機関に過去を学ぶ能力があるのなら、「商品がひとつも並んでいない陳列棚」がどれほど危険な映像であるかは十分に分かっていることでしょう。

それにもかかわらずそのような映像や写真を掲載するのなら、報道機関は見識ある行動よりも部数や視聴率の獲得を第一義とする集団となってしまうでしょう。

そして、もし過去の事例に学ぶことができないのなら、そこには、無能力な人々の集まりとしての報道機関しかありません。

「食料品の買い占め」という事実も、その扱い方いかんによって新しい「人為的な災害」となってしまいます。

まさに民放は視聴率第一主義を念頭に今回「商品がひとつも並んでいない陳列棚」を繰り返し報道している。それどころか日本テレビなどはその上で「停電で用意すべきもの」を紹介し「それがどこの棚にもありません」などといった消費者心理の不安をあからさまに煽る報道を本日の朝行なっていた。

この報道は意図的に消費者のパニック心理を煽ろうとしているとしか思えない報道である。

今回の民放の災害報道をみるとこういった類の報道がものすごく目立つ。

鈴木氏のいうようにこういった報道が「大衆心理を煽る」作用の映像であることを百も承知で流していたとしたら、これは報道の社会的使命より視聴率を優先した非常に悪質な確信犯であり、もし「知らなかった」としたら過去の失敗から何も学ばない無能な連中の集まりか、そのどちらかである。

あえていう、今回その「買占め行為」は東京はおろか本来震災とは何の関係もない名古屋や大阪にまで広がっている。

この「パニック買い」は明らかに人災である。

そしてマスコミの災害報道がもっとも大きな煽動をしたと私は今回の一連の災害報道の内容をみてそう断ぜざるを得ない。