東京都知事選が告示されました。史上最多の22人が立候補していますが、どうみても何を目的に立候補しているのかわからない人が大半で正直閉口しています。東京都という世界二番目の大都市ということもあり都知事選に出る、というだけでそれだけ目立つことができる、からなんでしょうがね
だが実質的には小池都知事の再選立候補に続き、立憲民主党、社民党、共産党が推薦する宇都宮健児氏、れいわ新選組代表の山本太郎氏、あと強いて言えば維新が推薦する小野泰輔氏の4名で争われることになるでしょう。
個人的には、今回山本太郎氏の立候補には驚き寧ろ憤慨しました。なぜただでさえ社会的に少数派のリベラル派層をあえて分断するような行為をするのか、野党共闘をぶちこわすような行動をとるのか、という点が理解できませんでした。政界の実質的な後見人だった小沢一郎氏も今回の山本氏の行動にさじを投げたようですが、今回の都知事選になぜそうまでして出馬したかったのか、追々わかるかもしれません。
ですが、ここで少し冷静に4年前の都知事選を振り返り分析してみますと、前回の小池氏の得票は自民、公明のような組織票に支えられたものではなく、寧ろ無党派層の支持によって支えられていたことがわかります。
改めて4年前の都知事選を見ますと
1.小池ゆり子 2,912,628票 無所属
2.増田寛也 1,793,453 無所属(自民、公明、日本のこころ推薦)
3.鳥越俊太郎 1,346,103 無所属(民進党(当時)・日本共産党・
・生活者 ネットワーク 推薦)
つまり前回小池氏は組織票の強い自民、公明の推薦候補を大差で破っているのです。つまり小池ゆり子氏は必ずしも組織票で知事になったわけではない、という点をまず押さえておかないといけません。
もっとも前回も自民支持層の相当数が小池氏に投票したようですが、
当時を振り返ると東京都議会における自民党のセクハラ問題を始め自民党に対しては逆風が吹いていました。特に無党派層の中の女性票が大きく小池支持に向かったようです。
さてそれをふまえて考えますと山本太郎氏の今回の都知事選出馬の意味するものが少し変わっているような気がします。もう一度考察してみますと実は「リベラル分断」という単純な話ではないように思います。なぜなら山本太郎氏、及びれいわ新選組は100% 無党派層の支持による政党だからです。
つまり確かに一部はリベラル層の支持層とかぶりますが、寧ろ前回小池を支持してきた無党派層の方が大きくかぶるかもしれません。
宇都宮氏は立憲民主党、社民党、共産党、緑の党推薦という筋金入りのリベラル層、しかも政策や政治思想に一定の理解を持っている層が支持しています。確かに一部は山本支持層に回るかもしれませんが、寧ろ小池票の方を大きく食う可能性があります。
いずれにせよ今回の都知事選、保守対リベラル、とか組織票対無党派 という単純な図式ではなさそうです。
勿論それを考えても小池現都知事の優位は変わりません。特に知事選は現職はいつも有利ですから.. そして今回のコロナ対策では都民でも評価する向きが確かにあります。
但し4年前に小池現都知事の7つの公約を見て下さい。
公約を実現したのは「ペット殺処分0」と今回のコロナ災禍にともない半ば「けがの功名」的に達成した(ように見える)満員電車0
それ以外は公約を実現したとは到底いえない状況です。
さて、これらを含めて皆さんはどうお考えでしょうか?東京都民でないと関係ない、といわれればそれまでですが東京都の動向は国政にも大きく影響しますので今回の都知事選は注目したいと思います。
いずれにせよ今回の都知事選は結論からいいますと「保守対リベラル」という簡単な図式ではなく、「無党派層の奪い合い」の選挙といっていいと思います。