この前の記事でも書いたように伊藤詩織さんが訴えた「合意ない性行為」でTBS元記者から330万円の支払命令で勝訴した。
■伊藤詩織さんと元TBS記者の民事訴訟、「合意ない性行為」認め山口敬之さんに330万円の支払命令 東京地裁
これがワイドショーその他で報道されるまでこの事件の存在自体を知らなかった人間ーとりわけ女性の間でーが圧倒的多数だったことに愕然とした。しかも逮捕直前だった山口容疑者の逮捕状を握りつぶしたのが安倍政権側であることも世間の知るところとなった。
安倍政権はこの件に関して公式なコメントは出していないが、海外で大きく報道されていることもあり、かつてのようにメデイアに「報道するな」とは言えないだろう。既にワイドショー系でも大きく報道されている。今後は安倍政権の関与をどこまで解明できるかに焦点が集まるだろうがいずれにせよ安倍政権にとって命取りになる可能性のある裁判である
山口氏は「控訴する」などと息巻いているが、安倍政権からの助太刀を期待しているようにもみえる。しかし状況はそう簡単ではない。寧ろ山口氏にとって不利な情報が余計に出てくる可能性がある。
■12/19発売の週刊新潮「ドアマンの供述調書」
事態を収束させたい安倍政権としては逆に控訴されたら困るというのが本音ではないだろうか?
この裁判が本来は刑事裁判であるべきところが民事裁判として判決が出たところに日本の司法の深刻な状況を象徴している。事件をわかりやすく解説した図解があるのでここでも引用させていただく
判決後に今回際立ったのは今まで山口氏擁護に回っていたネトウヨ系や(あえていうが「自称」)文化人たちの卑劣さぶりである。
■伊藤詩織さんに対する発言に、杉田水脈議員「私の表現の拙さ」
■伊藤詩織氏を風刺したイラスト拡散?「法的措置」発言受けて漫画家が苦しい釈明「フィクションであり…」
news.livedoor.com苦しい立場になって見苦しい言い訳しているが「枕営業失敗」で「貶める意図はなかった」といって一体誰が信用する?また深見都志子もさんざん自分の書いたイラストで思いっきり伊藤さんの顔写真入りで誹謗中傷していたにも関わらず、作品と伊藤さんが無関係なんてよく言えたものだ。あえていうがこういう女性こそが女性の敵ではあるまいか? と思うのだ。こういう女性こそが女性を見下しており、男女平等の足かせになっているといえるような気がする。
他にも裁判の結果で山口擁護から手を引くことを表明した上念司や足立康史衆議院議員等「沈みゆく舟」から次々と逃げ出している輩もおり、全員に共通するのは伊藤さんに対する数々の誹謗中傷や嘲笑の行為に関して一切の反省も謝罪もない点だ。
そして彼らに共通するのは
(1) 過去のヤバいツイートや投稿を削除
(2) 被害者面をするか「私悪くないもん」と開き直る
だが残念なことに彼や彼女たちが自分で都合の悪い投稿を消してもコンテンツはネット上に拡散されている。今ころ知らぬ存ぜぬといっても手遅れだ。「証拠」はもうたんまりネットで拡散されている。特にこれは何度見ても酷い
伊藤詩織さんが今回法的措置を取ると明言した蓮見都志子らの動画。
— 大神ひろし (@ppsh41_1945) 2019年12月19日
「枕営業大失敗」ってこれもう訴えられても文句は言えないだろ。
更に杉田水脈や長尾敬ら与党議員まで中傷に参加して詩織さんを嘲笑っているのが、この国の病みっぷりを如実に表している。pic.twitter.com/keI76ABmoa
この卑劣な態度がネットで炎上を引き起し、安倍政権としては収束させたいところを事態を余計に悪化させる原因にもなっている。
1つだけはっきりいえるのは山口敬之の擁護者は心底性根が腐っており、法的処置で徹底的に糾弾すべきだという点。特に杉田水脈自民党議員など誹謗中傷裁判で負ければ議員辞職ものだ。覚悟せよ
ひとことでいって本当に見苦しい
さて、ワイドショーでも報道されネットでこれだけ拡散された今回の裁判だが、これで極端なまでに政治に無関心な日本国民を覚醒させることになるだろうか? 少なくとも女性の関心を引き起す効果があっただろうが、何せ国民の半数近くは「政府に反対する」行為自体を忌み嫌う人間が多いという点だ。(とりわけ20-30代に多い)
上司、教師、総理大臣といった「社会的に上の人」に対して異を唱えることは悪いことだ。この人たちのいうことには盲目的に従うべきだ。
そういう教育を受けてきた人たちが日本国内のかなりの数存在している。そういう人たちが今回の伊藤詩織さんのケースで「上の人に思考停止で従う、というのは違うんじゃない?」と思ってくれるかどうかだ。
この世代の男性は難しいかもしれない。女性側に期待しよう。今回の伊藤さんの「レイプもみ消し」で官邸の関与が明確になれば安倍政権は日本中の殆どの女性を敵にまわすことになる。
鴻上尚史氏は無関心と思考停止の体質をもった日本人が「どんな言い訳も通用する国と怒らない国民」で安倍政権の暴走を許したこと批判している。
■どんな言い訳も通用する国と怒らない国民/鴻上尚史
安倍晋三総理大臣の延命術は、次々起こる疑惑に一切答えず、逃げ回り、「慣れてもらう」「忘れてもらう」。ここに尽きる。
今度こそこの延命術を決して許してはならない。それには今まで政治に無関心だった層が覚醒することが必要だ。
この間も同じことを書いたがまともな知的水準の人間なら公文書改竄、公職選挙法違反、政治資金規正法違反 という犯罪行為を繰り返す人間が総理大臣になったら尋常な心ではいられないはず
今回の裁判をきっかけにどれだけ安倍政権の数々の犯罪疑惑を解明できるか、全ては国民の覚醒にかかっているといってもいい