KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

認めたくない人もいるだろうが残念ながら日本は既に後進国となっているーその原因と背景を考察

日本はG7を始め世界の主要な会議にも出席しているし、日本は世界でも裕福な国の1つで世界に冠たる先進国、などということを信じて疑わない人がいまだに多い。

だがそう考えているのはおそらく日本人だけかもしれない。まず「日本人は裕福」などという先入観が全くの嘘であることは次のデータをみていただくとわかる

<各国の平均年収比較(2015年)と価格・購買力平価>、単位ドル

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ひとことでいえば夏休みに1か月近くバカンスが取れて、サービス残業なんかしなくて、「人生は楽しまなきゃね―」とすぐに遊びにいってしまう人々ばかりの国々よりも、劣悪な環境で働き詰めの労働者ばかりの日本のほうが貧乏である、ということ、ちなみにもう1つ〇がしてある「エストニア」は旧ソ連に入っていた旧共産国である。日本人の中では「旧共産国なんて」とせせら笑う人がいるようだが、上記のデータをみるとそんな国をバカにするほど日本が裕福でないことがわかる。

日本がこんなふうになってしまったのは非正規労働力の増加、先日の「日本型新裁量労働制(通称残業代0法案)法案の自民党公明党強行採決を始めとする日本企業の人件費を大幅削減する流れに安倍政権が積極的に参加している、というのが背景にある

ひとことでいえば日本はもはや「低賃金で過酷な長時間労働をやってくれる国」になりつつあるっていうことだ。昔なら低賃金の海外に発注してコスト削減を図るというのが常識だったが、もはや逆になりつつあるということだ。

「民主政権より安倍政権の方が経済成長してる」という先入観をもっている人たちが多いが実は日本人の平均所得、が落ちてきたのは寧ろ安倍政権からである。結局安倍政権のいう「働き方改革」というのは安倍政権が日本の一般庶民に低賃金で犬のように働きなさい、ということに他ならない

実は日本が「後進国」になっているのはその所得だけではない。日常業務でも時代遅れ、どころか時代錯誤に近いことが大手を振ってまかり通っている。

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news.careerconnection.jp

実際私は海外の人とメールやスカイプとかで話をしている時に「まだFAXなんて使っているのか?」と驚かれたことがある。実際私の知る限りでは先進国を自称している国でFAXなんて使っているのは日本くらいだと思う。

まあ上記の記事の印鑑ー特に社判などの件についてはJpeg化してデータに取り込めばいい話だが、実際請求書を社判のjpeg入りでpdfとして提出したら「pdfではなく正式な用紙で提出するように」といわれたことが何回かある。

面白いことに大企業ほどこの傾向が強い。会社によっては先方の指定された用紙に記入して郵送するように要求されることがある。全く平成も終わろうとしているのに、昭和のままの方法をいまだに頑なに守っている会社が少なくないというのは驚きである。しかも理由がさらに聞いてあきれるー「うちの会社はずーっとこのやりかたをしてきましたから」「わが社の慣習だから」 慣習やしきたりというものが日本企業にとってビジネスのイノベーションより大事、ということらしい。

私の本業である音楽は尚、深刻だ。もはやCDという商品形態に固執するのは日本だけで欧米は既にSpotifyApple Musicを中心とするストリーミングでV字回復しており、音楽不況はもはや過去のものになっている。はっきりいって日本だけが取り残されている

Kyojiの音楽ひとりごと: 世界の音楽市場の足を引っ張っているのは、日本の音楽業界ー音楽のグローバル化を頑なに拒否し続ける日本の音楽業界

さらにもう1つ

Kyojiの音楽ひとりごと: 「音楽世界最後進国」の国から世界に追い付くための対策を始めます

それにしてもどうしてこうなってしまったのだろうか? 私が考えるに以下のことが考えられる

1.いまだにアベノミクスがまやかしであることに気づかず、日本人の平均所得を著しく下げたこと

アベノミクスは要するに日銀を中心に株価を実質的に操作して「景気が良くなっているように」見せているだけである。経済政策はほぼ財界のいいなりでありとりわけ日本人の平均賃金を著しく下げることに貢献した→平均所得がもはや先進国といえるレベルではなくなった ということだろう。問題は日本人の大多数が政治に無関心であり、うわべだけの株価操作だけを見て、安倍政権は民主党政権より遙かにマシ、などと思い込まされている(殆ど洗脳に近い)点である。いい加減に自分たちが騙されていることに気が付かないのだろうか?そこまで日本人の知性は劣化してしまったということだろうか?

 

2.日本人の経営者の高齢化→イノベーションや時代の流れに対応できず

以下のグラフは世界の経営者の平均年齢である。(2016年)

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 これを見ても日本の経営者の平均年齢は他の国と比べても突出して高い。特に経営者は実質的に人事と経理の実権を握っているから、商取引の慣習を変え辛い。先ほどの請求書をpdfによるメール送付でなく用紙で要求するケースも、多くの場合「経理部長」とか「社長」が紙での請求書を要求するために起きることが多い

また上記の記事にも書いてあるように…

「メールでの連絡はチェック漏れの可能性があります。次回からは、必ずFAXで、ご連絡願います!」

 

 全く意味がわからない。メールだとなぜチェック漏れの可能性があるのだろうか?紙による文書だって同じくらいチェック漏れがあるだろうに

ITスキルを使って煩雑化した作業を効率的にこなそうとしたら「ズルするな!」とキレられる職場もあるという

PCに精通していないおじさんたちにしてみると、こういった作業効率のアップのための努力は「卑怯なこと」らしい。結果日本の会社は恐ろしく業務効率が悪くなる。上司だけが発言して部下が一切発言しないという、どう考えても意味のない会議も相変わらず少なくないようだ。なぜ続けているかというと「決まりだから」だそうだ。先進国の企業が聞いてあきれる

残念ながらこういうケースもまだ少なくないようだ、

そして最後に

3.大企業の社長の大多数は「サラリーマン社長」である

日本の大企業の社長の大半は社長に就任すると同時に不思議なことに退任時期も実質的に決まっていることが多い。つまり社長になるのも予定通りで退任も予定とおりだ。海外の企業のCEOからすると理解できない仕組みである。

勿論例外もあるだろうが「サラリーマン社長」となると最初から決まっている任期を「つつがなく」過ごし「大きな問題もなく」任期を終えるということが至上命題となる。そうすれば安定した老後が過ごせるというわけだ。

そうなるとどうなるか?会社にとってのあらゆる「新しい試み」は「サラリーマン社長」にとってリスクになる。全てが「決まり通り」進み、「前例通りに」動くことが是とされる。その結果会社には一種の官僚主義がはびこる。その結果こんなおかしなことが起きる

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 実は企画がらみの仕事をしているので上記のような例に遭遇したのは一度や二度ではない。今の日本の「典型的な」ケース。縮図といってもいい

「今までにない斬新なアイデア」が前例のあるものであるはずがない こんな簡単なロジックすら今の日本人は理解できなくなっているほど日本人が劣化しているともいえるが、これはたぶんに「サラリーマン社長」の「大きな問題もなく」任期を終えるために徹底的に「前例主義」になってしまうわけだ。残念ながらこれはもはや日本企業の体質になってしまっているといえよう

上記の「経営者の高齢化」「サラリーマン社長」の状況は企業のビジネス環境の変化への対応に著しい支障をきたすことが増えている。ことに最近目立つのは政治や行政は勿論のこと企業でも「一度決めたこと」をあたかも宗教のドグマのように頑なに守る傾向が見て取れる。例え会社組織として「決めたこと」であっても社会の実情に合わなかったり、市場その他の環境の変化によってもはや誰の目にも変更が必要なのにもかかわらず「一度決めたこと」だから頑なにそれを変えない。

これらは思考の硬直化をまねき折角のビジネスチャンスや発展の機会を逃してしまうことにもつながる。事実そのことによって日本のビジネス環境は著しい閉塞状況、停滞状況を作ってきたのではあるまいか。

「経営者の高齢化」「サラリーマン社長」の関係か、最近の日本をみると「上の人間」ほど柔軟性に著しく欠け、目まぐるしく変わる企業環境に対する対応が遅れる傾向があるように思う。それも日本がなかなか復活できない原因ではあるまいか

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最後に上記引用の記事の締めの言葉があまりに適切なのでそれをそのままこちらの記事でも引用させていただく

どうも後進国には、二通りの経緯があるように感じる。一つは元々人、物、金が枯渇していて、にっちもさっちもならない国。そしてもう一つが、一時の成功にあぐらをかいて進歩をやめ、他国が切磋琢磨するうちにどんどん追い抜かされてしまった国だ。日本はまさに、後者に該当する国になってしまっているように感じてならない。

 昨今の状況を見るとこれに私も同意せざるを得ない