KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

大阪都構想ー政策より人物を見た住民投票

私は大阪府民ではないが、この住民投票には注目していた。
これは単に地方の自治体の在り方だけでなく、国政にも大きな影響を与える住民投票だからだ。特に維新の実質的代表である橋下徹が否決されれば政界引退を宣言していたからで、橋下氏は持論で憲法改正やその右翼的性格もあり安部政権との連携をも憲法改正において示唆していたためである。

そして結果は以下の通り

賛成  694,844票

反対  705,585票

結果は1万741票差、 

史上まれにみる接戦投票を見ても大阪府民の心がいかに揺れ動いていたかがわかる。

個人的には「大阪都構想」−名称はともかく内容は必ずしも悪いものだとは思わない。私の想像だが仮にこの住民投票を橋下氏ではなく別の政治家が提案すれば結果は全く違ったものになったのではないか、と考える。

この結果を受けて橋下氏は政界引退を宣言したが
■橋下氏「政治家はやめます」 市長は任期満了まで続ける
http://www.asahi.com/articles/ASH5K7T4NH5KPTIL048.html

実はこの男、過去にも数多くの「前言撤回」を行った「前科」があるので私はまだこの発言を額面通り受け取ってはいない。
まだ女性蔑視発言を初め今まで数多くのトンデモ発言を行った男でもあり、明らかに票獲得のための選挙民をバカにした「パフォーマンス」も数多く行っている。

つまりはっきりいえば  人間として到底信頼できない人物である

と言わざるを得ないのだ。

それを一番感じていたのは一番身近にいた大阪府民だったのではあるまいか。

客観的に考えれば「大阪都構想」の内容は行政の無駄、という観点からも画期的な政策になりうるものだ。しかし大阪府民はそれを実行する政治家の気質、人格に対してやはりNO! といったのだと思う。悩みに悩んだあげく..

私は地方分権やいわゆる道州制には基本的に賛成だ。
だが、政治家として数多くの前言撤回トンデモ発言憲法改正や徴兵制まで支持する右翼的持論、それらを考えるとやはりこの人物に明治以来の行政の一大転換になる政策を任して本当に大丈夫かと不安に思ったのは極めて当然だと考える。

何度もいうがこの大阪都住民投票大阪府だけの問題ではない。この結果は国政、とりわけ安倍政権が目論む憲法改正の動きに多大な影響を与える。

実際安倍首相の側近は戦略の練り直しを迫られると発言したという

「また戦略を立て直さなければいけない」安倍晋三首相の側近の一人は、住民投票が否決されたことに落胆の色を隠せなかった。首相が悲願とする憲法改正に前向きな橋下氏が政界引退を表明したことで、政権が来夏の参院選以降に狙う改憲戦略の再考を余儀なくされるからだ。

安倍晋三首相との距離が近く、憲法改正に前向きな橋下氏の看板政策が住民投票で否定されたことは、政権にとっても大きな誤算。橋下氏が最高顧問を務める維新の党がより一層、野党色を強めるとみられ、後半国会の最大の焦点である安全保障関連法案の審議で厳しい局面もありそうだ。
 首相がめざす憲法改正への影響も大きい。来夏の参院選後に改憲を発議するには、衆参各院で「3分の2」以上の賛成が必要で、維新の協力は不可欠。だが、橋下氏が退くことで維新の党勢自体が衰える可能性もあり、首相は戦略の練り直しを迫られそうだ。


皮肉なことに改憲に積極的だった「次世代の党」は昨年末の衆議院選挙で壊滅的敗北を被った。辛うじて踏みとどまった維新の会だが、橋下が実質的に「失脚」したことから江田も代表を辞任

■江田氏、維新の党代表を辞任表明 松野氏を後任に推薦

http://www.asahi.com/articles/ASH5L02J3H5KUTFK009.html

はっきり言って誰がなってもカリスマ性では橋下に遙かに劣るし、橋下が(予定通り?−まだわからんからね)引退した後の来年の参議院選挙は党存続すら危ぶまれる事態になる可能性がある・

安倍政権の支持率はいまだ50%と高いが、安倍政権の憲法改正で連携を組もうとする勢力は次々に衰退し、今回の集団自衛権などという国民をペテンにかけた解釈改憲を強行しているが、これで安倍晋三の思惑が大きく狂ったことは事実であろう。この住民投票が単なる大阪府だけの問題ではない理由はここにある。

大阪府民は難しい選択だったと思うが、取りあえずの状況を考えれば正しい選択をしたと私は思う。何と言っても日本を間違った方向に導きかねない政治家を取りあえず失脚させたのだから..

地方分権道州制という大事業は少なくとも橋下徹よりは信頼おける政治家にやらせた方がいい

■橋下劇場、最後に誤算 頼みの「民意」背を向けた
http://www.asahi.com/articles/ASH5K04V8H5JPTIL024.html