花燃ゆー池田屋事件の史実及花燃ゆに纏わる「籾井安倍腰巾着疑惑」
久々の「花燃ゆ」に関する記事です。
今日は幕末の大事件ーそう司馬遼太郎が「この事件がなかったら薩長土肥主力の明治維新は永遠にこなかったであろう」と解釈した事件でここから幕末が本格的に動いてくるのですが、今日の歴史考証はちょっとメチャクチャでした。
まあ「花燃ゆ」に関しては視聴率とか他にいろんなことをいう人がいますが(後程この件は触れます)、歴史考証に関しては今まで割ときちんとやっていたんですけど、今回はどうしちゃったんですかね?
まず理由がわからないが土方歳三が出ていません。そして沖田総司が最初に池田屋に飛び込んだのは事実のようですが、途中で労咳(結核)を発病して吐血、他の5名も負傷で戦線離脱し一時は近藤勇と永倉新八の2人だけになり劣勢だったあとに土方隊が駆けつけて形勢が逆転したので、この池田屋事件で土方が出ていないのはどう考えてもおかしいです。
そして吉田稔麿が会津に斬られたと描かれていますが、実際には吉田稔麿は池田屋を脱出してから自刃していますし、何よりも会津、桑名藩は後から駆け付けたために土方に「手柄を横取りするつもりか?」と凄みを利かせて池田屋近くに行けなかったはずなので、あれは史実ではありません。
また桂小五郎(後の木戸孝允)は一度池田屋に行ったけど、だれも来ていなかったので出直して難を逃れたはずなので、あの場所にいること自体がおかしいですね。
勿論歴史ドラマとはいえフィクションではあるので何でも間でも史実通りにしろ、とはいいませんが、仮に史実を変えるにしても、今回は史実を変えるだけの意味のあるストーリー展開だったのか疑問です。この間までは比較的まともな歴史考証だったのに急にどうしたんでしょうかね?
これまでは比較的見れたのですが、ちょっと「天地人」「お江」なみの歴史捏造にならないといいのですが...
さて私は大河ドラマの視聴率云々についてはあまり興味がないんですが、確かに一時はひとケタだったこともあり、その後も10%前後を推移しているようで歴代の大河ドラマの中でも最低の部類に入っています。
その中に原因の1つとして今回の大河ドラマの主人公ー杉 文ー楫取美和子という吉田松陰の妹とはいえ、知名度の非常に低い人物であること。そして、たぶん、問題はここだと思うのですが、特に何か実績や業績を残した人物ではないこと。
これは同じ知名度は低くても女性ながらスペンサー銃で闘い「日本のジャンヌダルク」と呼ばれ、明治に入っては「日本のナイチンゲール」として看護師としても活躍した新島八重とはかなり事情が異なります。
大河ドラマの主人公が知名度の低い人物になること自体は実は珍しいことではありません。ちなみに「獅子の時代」という大河ドラマに至っては主人公自体が架空の人物でした。
それでも今回の大河ドラマが特に評価が低いのは、やはり主人公が吉田松陰の妹、幕末の志士の久坂玄随の妻という点があるにせよ、主人公が極めて平凡なキャラクターである
という点が大きいようです。
楫取美和子を主人公とした小説は私の知る限りでは存在しませんし、後夫となる大沢たかお演じる楫取素彦(小田村伊之助)は初代群馬県令(知事)で、県庁所在地を高崎から前橋に移した、以外はこれといった業績もありません。
ですから今は、久坂玄随だ、高杉晋作だ、桂小五郎だ等、幕末のオールスターが出ていますのでまだ見ることはできますが、この人たちが死んだあと、どういうストーリー展開になるのか、はっきりいって非常に心配です。
そして今回の「花燃ゆ」についてはまだ噂の域を出ませんが、確かに不自然な話が当初からありました。
■大河ドラマ『花燃ゆ』の不明瞭な制作決定過程〜安倍首相に配慮?
http://blog.goo.ne.jp/entertainment_2005/e/517905be5f046082d45bd2254dbc5ea7
■NHK大河『花燃ゆ』 大コケの背景に作品巡る政治的配慮あり
http://www.news-postseven.com/archives/20150118_298380.html
最近のNHK,とりわけ報道に関しては実は多くの問題がありますが、ここでは触れませんが、もし籾井会長が自分の「親分」である安部晋三に配慮してNHKの番組の大黒柱である大河ドラマの内容に影響を与えたとしたら、これは大問題といわざるを得ません。
来週はいよいよ禁門の変、久坂玄随が死にます。
だんだん歴史上の著名人物がいなくなるわけですが、それに比例してつまらないストーリーにならないといいな、と思う次第です。