KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

日本が危ない2ージャーナリズムを放棄したマスコミ

日本の現状を憂う記事の第二回目、本当に来年に向けてこんなに不安な気持ちで年末を過ごした記憶がない。そして第二次大戦後日本の民主主義がこれほどまでに危機的な状況に陥ったことはなかっただろう。

このブログでは何回も安部政権の危険性について指摘してきたが、本来その政治権力をチェックし国民に必要な情報を公開し民主主義を健全にする役割を担うはずのマスコミが今明らかにおかしい。おかしな報道は多々あるがここでは3つの報道内容に絞って指摘しておきたい

・吉松さんストーカー事件
ご存じの方も多いと思うが、昨年のミスインターナショナルの吉松育美さんが所属事務所関連でストーカー被害を受け、今年のミスインターナショナルの授賞式に出席できなかった事件。海外では大々的に報道されているにも関わらず日本の大手マスコミが完全に無視した事件である。

一部の報道関係者から吉松さんの海外エージェントであるマットテイラー氏の信頼性が薄い、という点とこれがケイダッシュの谷口氏とテイラー氏の個人的な金銭トラブルのために報道しないという話を聞いたが、それにしてもミスインターナショナルという国際的な賞を受賞したタレントが活動休止を余儀なくされているのは紛れもない事実であり、この2つの理由は「取材しない理由」には全くならない。

本来のジャーナリズム的観点からすれば国際的にも注目されている吉松さんが活動休止を余儀なくされているのはなぜなのか? どういう背景があるのか、について取材するのが本来のありかたであり、マットテイラー氏が信頼できない人間というのならその「アヤシイ」テイラー氏に対する取材を強化すべきであろう。胡散臭いものに対してはそれを探るのがジャーナリズムの本来のありかたであるはずである。それを考えると繰り返すが先ほどの2つの理由は取材しない、記者会見に出席しない理由には全くならない 何よりもNHKから一般大衆紙までこの件を全く報道していない、という点はものすごく気持ち悪い

今回の件で腹に据えかねるのはこの件で安部昭恵夫人に見事につけこまれてしまっている点である。
安倍昭恵夫人、ストーカー被害「ミス世界一」を全面支援! 「特定秘密保護法の批判するなら彼女のことを報じて」
http://www.j-cast.com/2013/12/26193043.html

海外メデイアがあれだけ報道しているにも関わらず日本のマスコミが左から右までみんな沈黙、これは恣意的にこういう現象が起きている、と受け取られてもしかたがあるまい。これは特定秘密保護法などが制定される以前に「知る権利」はマスコミによって大きく侵害されていることを示している、と言わざるを得ない。

今回のことによってマスコミが特定秘密保護法に対する批判の矛先が鈍るのは避けられないだろう。秘密保護法批判するならなぜこの件を報道しないの? といわれてきちんと答えられるマスコミ関係者はどれだけいるのか? ここの部分が実に腹立たしい

特定秘密保護法の報道
そしてそもそも特定秘密保護法にしてもマスコミは本気で反対する気があったのかと疑問に思う部分がある。特定秘密保護法パブリックコメントは8−9月。この時点でマスコミ関係者はこの特定秘密保護法の内容について十分につかんでいたはずである。にもかかわらずマスコミ、とりわけ地上波のテレビが本腰で反対し始めたのは政府与党が強行採決をする2週間ほど前である。NHKなどは衆議院強行採決後に反対表明というお粗末さ。3週間前には国民の大多数がこの特定秘密保護法の法案提出の事実すら知らなかったのである。某有名政治記者「こんなずさんな法律が法案提出されるとは思わなかった」などと「言い訳」をしているが事実そうだとしたらこの記者は政治記者失格である。

どうも一部の良心的記者を除き、マスコミという組織としてこの法案を本気で反対しているとは思えない。読売、産経などは政府の御用新聞ーとりわけ産経は戦前の徳富蘇峰の「国民新聞」なみにナショナリズムを煽っているーだが朝日、毎日も裏では? という疑念を持ってしまう

このままいけば現在政府与党で検討されている共謀罪の改正(はっきりいって改悪だが)の法案でも今回と全く同じ展開になる可能性が高い。国会周辺での反対の声にも関わらず強行採決直前になって「アリバイ的」共謀罪改正法案について報道し、「反対のジェスチュア」だけ示す。そして自民公明(たぶん維新やみんなの党の売れ残り共)の強行採決に次ぐ強行採決で成立、という今回と全く同じ展開になる可能性が高い。

福島原発の報道
これに関しては先ほどの吉松さんの時と同じ、これに関しては海外の記者の方が取材に積極的で真相を暴いている。それどころかまだ今の時点でマスコミ関係者は福島原発には数えるほどしか行っていない。行っている時も東電や政府関係者の「監視」の下で取材(らしき)ことをしているだけで、実際には片手に数えるほどのフリージャーナリストが潜入して初めて断片的な情報が入るというお寒い限りの現状。

とある有名ジャーナリストになぜ日本のマスコミは原発の潜入取材をしないのか、聞いたことがある。すると「日本のマスコミは今コンプライアンスを重視する。その関係でマスコミ各社は福島周辺での単独取材はできないことになっている」という答えが帰って来た。そのジャーナリストはそのコンプライアンスのために福島原発の取材では日本のマスコミは完全に取材の面で敗北した、という点は認めつつも現状ではそのコンプライアンスの壁が大きく潜入取材をしたくてもできない状況にあるという。

コンプライアンスだって?

福島原発のような非常事態が起き、日本の環境が大きく損なわれているこの時期にコンプライアンスのために取材をしないということが正当化されているのだ。今本当に何が起きているのか殆ど国民は真実を知らない現状で、真実を知るためにコンプライアンスもへったくれもあるまい それでは日本のマスコミは永久に海外のマスコミに取材の面で勝てないだろう。そもそも取材を本気でやる気があるのか? とここでも同じことをいってしまう

以上の3つの事件をみて昨今のマスコミに感じるのは

1.本来は取材すべき内容を報じない。なんだかんだ理由つけて取材しない理由を正当化する。
2 政治権力、その他特定の「力」を恐れ保身に走る、取材も記事も「差しさわりのない範囲」にとどめる
3 サラリーマン化、真実を知るというよりマスコミ組織の歯車に徹する

はっきりいうがここにジャーナリズムはない
あえていうがジャーナリズムを放棄したといわれても仕方がない

そしてこれを見ると今のマスコミが健全に機能しているとはどうしても思えない。
少なくても誰の圧力に屈しているのか知らないが、吉松さんの件を報道しない時点で特定秘密保護法を批判する資格は今のマスコミにはない