KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

巴御前の鎌倉殿13人の伝承はどこまで史実なのか?

久々鎌倉殿の13人の話題です。

 

ドラマでも人気者だった和田義盛が和田合戦にて最期を迎えてしまいます。最期の描き方は史実と違いますが、いずれにせよ鎌倉時代御家人同士の争いで最も悲劇的なできごとの1つといえます。

今日の和田合戦のエピソードを見て鎌倉殿の13人は悪役が主人公の大河ドラマになったという印象を持ちました。ここまで凄まじい悪役が大河ドラマの主役になったことがあったでしょうか。いうなればスターウオーズのダースベーダーが主役のドラマんみたいなもので、なるほど先日の三谷幸喜さんを交えたトーク番組で最終会では義時のハッピーエンドにならない筈だと納得します。そして泰時が救いになるんでしょうね。追い追い書きますが日本史上でも五本の指に入る名宰相ー私的には日本史で最も偉大な政治家の3人のうちの一人だと考えてますがそれは後ほど書きます。

さて、実はこのドラマで和田義盛の愛妾となっていた巴御前の話。NHKではあたかも史実であったかのようにドラマ後の「歴史探訪」のような感じで伝えていますが、私はそれは単なる創作の世界の話だと思っていました。

確かに「平家物語」と「源平盛衰記」に登場しますが、歴史家の中では実在を疑問視する向きすらあり、事実一次史料や歴史書吾妻鏡』に登場しないため私も創作上の人物だと思っていました。

 ですから巴御前ゆかりの寺が存在する、という記述に驚いたわけです。小田原市栢山の善栄寺は、1215年(建保3年)、巴御前木曽義仲和田義盛の菩提を弔うために創建したと伝えられます。

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実際、巴御前木曽義仲五輪塔が存在することから実在した人物なのか、と思えてしまいますが、問題はこれをすんなり信じていいものかどうか?

巴御前和田義盛の妻になったという記述は「源平盛衰記」の記述からですが、元々平家物語源平盛衰記も歴史の史料としてはあまり信用されていない、という部分もありますが、確かに100%フィクションでもないようです。

でもドラマのキャラクターとしては申し分なく、脚本担当の三谷幸喜さんとしてもこんなオイシイキャラを出さない手はない、ということで秋元才加さんの名演もあって、ドラマではよい存在感がありました。特に最近では女性戦士というキャラは寧ろ重要なキャラになってきますからね。今回の鎌倉殿の13人では和田義盛といいカップル役を演じてくれました。

和田義盛を演じた横田さんも今回で人気が出るでしょうね。いい味だしていました。

というわけで巴御前は本当に実在したのか、本当に木曽義仲だけでなく和田義盛の妻になったのか、については私では結論は出ませんが、鎌倉殿の13人は全体に重い感じのストーリーですが巴御前が一服の清涼剤のようになった気がします

 

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