KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

仮にワクチンが無事普及しポストコロナ時代になっても「コロナ以前」には決して戻らない理由

東京、大阪を始め各地でもコロナウイルスの新規感染者が増えている。そんな中通常は3-4年かかるといわれるコロナウイルスのワクチンの開発に世界中の科学者が取り組んでいることは周知のことだと思う。

勿論多くの場合、実際には通常行う開発のプロセスのいくつかを飛ばして開発を優先しているのは事実で、それくらいこのコロナウイルスがもたらした事態は緊急を要する事態を作ったということである。多くの科学者が本来進めている別の研究を中断してでも、このコロナウイルスのワクチン開発に力を注いでいる。

そんな中早ければ来年の中頃には開発し、一般に流通できるのではないか、という話が出てきている。

www.gizmodo.jpむろんこれを手放しで楽観するのは時期尚早である。それは日本政府の分科会でも「過度に期待しないように」と注意を呼び掛けている

www.yomiuri.co.jp

とはいえ世界中の研究者が1つのウイルスに対してこれほどまでに集中してワクチン開発にエネルギーを投入したことはかつてないことだろう。WHOについてはさまざまな議論があるものの、取りあえずそのワクチンの開発状況もふまえてコロナ終息は「2年未満で」収束する期待を表明した

www.asahi.com

20世紀初頭の大流行したスペイン風邪も収束に2年かかっていたが、過剰な期待は禁物だが2年以内に収束する可能性はある。逆にまだ2年もある、ということだ。

そして仮に2年後にコロナが収束したとして、その時に全て「コロナ以前」に戻ると期待しているとしたら残念ながら2年後に大きな失望をすることになるだろう。

なぜならこの間にテレワーク(リモート)と配信がかなり社会で大きな存在になってしまい、それが社会に大きな変化をもたらしてしまうからである。すでにその傾向がニューヨークで起きている。

jamesaltucher.com

簡単に訳すと

ニューヨークは永遠に死んだ。その理由はリモートのテレワークだ

過去911大恐慌、数々の試練をニューヨーカーは乗り越えてきた。ニューヨーカーの反骨精神は半端ではない。しかしそのニューヨークが今度ばかりは再起不能になってしまうだろう。

1)(テレワークの普及で)ビジネス街は空っぽ。

コロナによるテレワークの普及で、パソコンさえあればどこでででも仕事ができることが証明されてしまった。そのため誰も無駄な通勤時間を使ってオフィスにはもういかない。高層ビルは9割型空っぽである

2)文化

劇場やライブハウスは全て閉鎖。そして都市に人も少なくなりいつ復活できるのか全くメドがたたない状態

3)食事

ライブハウス、劇場と同様

4)不動産

ほぼ崩壊状態 業界存続できるか

5)大学

一部は授業に応じて戻っている場合もあるが、大多数はリモート授業。このリモート授業が標準になる可能性もある、

 このコロナの自粛、感染防止の行動を続いて行くうちに

1)リモートの推進

テレワークによる在宅勤務、Zoomを使った会議、リモート授業、SNSを使用したビジネス推進、etc

2)配信事業の発展

映画、ライブの配信、ストリーミングだけでなく、学校、大学、塾等の配信、リモート授業、ビジネス情報の配信やSNS etc

これらが行われていたことは周知のことだと思う

しかし日本人というのは「変化を好まない人」が多い。そして上記のワクチン開発でそれが普及し、コロナがようやく収束したとする。

そうするとまた元の「コロナ以前」に世界は戻る

私がみるところそう考える日本人がかなりいるように思う。特に昭和脳の人は「これで大嫌いなテレワークから解放される」などと喜んでいる人もいるかもしれない

ところがもしそれを期待しているとしたら残念ながら大きく失望することになるだろう。

今年の3月から半年弱、そして少なくともあと2年は続くだろうというこのコロナはリモート、テレワークの普及と配信作業の普及によってもはや後戻りできないほどの大きな変化をもたらすことになる。

理由は明白だ。一部の業務をのぞいてホワイトカラーの大半の業務がテレワークで済んでしまう、ということがわかってしまったこと。ノートパソコン一台とwifi環境があれば家賃の高いオフィスで仕事をする必然性がなくなる。つまり都心で高い家賃を払ってまでオフィスを維持する理由がなくなるのだ。いや完全になくさないまでも、少なくとも大幅にコンパクトにできる、ことがこれで明白になった。

当たり前だが企業は経費を削減できるとわかるとそちらの方向に動くものだ。オフィスに多額の家賃を払わなくて済むようになると当然企業としてはそちらの方向に動くのが極めて当然の流れである。

大学や学校の授業も同様。実習系の授業はさすがにリモートは無理だが、大半の授業はリモートでできることがわかってしまった。

つまりコロナによる変化でもたらされるもの、それは都市の空洞化である。

つまり

1.学校も仕事も大半の作業は在宅で行う時代になる。

2.都市部分の不動産業、ビル管理会社等は壊滅的な打撃を受ける

3.劇場やコンサートホールも従来と違う運営方法になる。(完全になくなるとは思えないが..)

4.コンテンツは配信事業、ストリーミング、サブスクリプションが完全に主流になる。CD等のパッケージの時代は終了する

5.学校や会社が在宅が多くなることで通勤地獄がなくなり、そのうち満員電車の通勤も過去のものになるかもしれない

信じられない? すでにその兆候が出ている

www.yomiuri.co.jp

リモート作業の定着は都市の再開発、及びあらゆる不動産業は都市の空洞化によって見直し、再検討で経営も危機的な状況になるだろう。

好むと好まざるにかかわらず、コロナは社会に劇的な変化をもたらすことになる。確実に新しい時代が来る。でもそれを受け入れられない人も相当数いる。悲劇も起きるかもしれない

 

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