KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

麒麟が来るー帰蝶(濃姫)実は謎の多い信長の正室

ここのところコロナウイルスばかりの記事で私も少し気が滅入ってきたので久々大河ドラマ麒麟が来る」の話にしましょう

今日は斎藤道三の長女である帰蝶織田信長正室として嫁ぐところまでが描かれましたが、実は戦国の三傑といわれる信長の正室にしてはこの帰蝶濃姫ともいいます)については謎が多いとされています。実は信頼できる資料が殆どないのが実情です

過去の大河ドラマでは「濃姫」といわれたこともありましたが、最近の研究では美濃からきた姫、つまり美濃姫というの省略して濃姫とよんだ、と考えるのが正しいようで、本名はドラマのように「帰蝶」というのが正しいかもしれません

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岐阜城にある濃姫といわれる絵

そのため織田家に嫁いでからの足取りは不明で実は「諸説ある」というのが実情です。

山岡壮一の「織田信長」のように本能寺で帰蝶薙刀を奮って戦ったという話がありますがあれは山岡壮一の創作による可能性が高いようです。

さて戦国時代の話ですから信長の正室とはいえ、当時は大名の妻に関して書いた資料は乏しく、生年を記した書物は『美濃国諸旧記』しかなく、濃姫は天文4年(1535年)の生まれらしいのですが没年については実ははっきりわかっていません。最初はドラマにも描かれていたように守護の土岐頼純に嫁ぎ、天文16年(1547年)に頼純が死ぬと一旦実家に戻ったことは確かのようです。そして織田家正室として嫁ぐ..

しかしその後については諸説ありいかにいくつかのべますが、どれも推論の域を出ておりません。

1.離縁説

2人の間には子ができなかったというのが通説ですが、信長の子供、特に女児の生母は不明の場合が多く、本当に子がいなかったかすら確かではありません。

また斎藤道三が義龍に殺害されてから政略結婚の意義を失った濃姫との婚姻は無用のものとなったので、側室生駒殿{嫡男ー奇妙丸→信忠の生母)懐妊(弘治2年夏ころ)を契機に織田家を追放され、濃姫は実父の敵の義龍を嫌って母方の叔父・明智光安明智城に身をよせたという説です。

◇この説の疑問

女性の記録が少ないのは当時は普通であり、それらが全部縁を切られたと考える道理はありません。また婿である信長を美濃国の後継者と定めた道三の国譲状があったこと、斎藤龍興の家臣である美濃衆が織田側に加わりつつあったという状況ではむしろその縁は利用できたはずので、離縁されたとは考えにくいと思います。離縁されたとするならば、何らかの特別な事情があったはずだが、そのようなことを記した史料は存在しません。

2.死亡説

14歳で信長に嫁ぎ、正妻の座にあったが、少なくとも次に信長が娶った後妻の生駒氏が弘治3年(1557年)に信長の嫡男・織田信忠を産む以前に、20歳くらいで病死したのではないかという説があります。

◇この説の疑問

信忠の生母といわれる生駒氏は信雄の母と言う記録があるのみで信長の継室になった記録などなく信忠母も確定されていないため疑わしいという説になっています。

また本能寺で信長とともに闘い薙刀を奮って戦ったという説は山岡壮一の創作の可能性が高いです

3.生存説

どれが帰蝶なのか確定できませんが、(1) 「北の方」説と(2) 「安土殿」説があります

(1) 信雄が安土城を焼き払った時に安土城から落ち延びた北の方の記述が見られることから。信長の正室と呼ばれた人物が、信忠の生母の生駒殿の死後には見られないため、この御台や北の方は濃姫のことを指していて、本能寺の変の時には彼女らは安土城にいたと考えてあれる点。但しその後「北の方」の記述は出てきません

(2) 信長の次男・織田信雄天正15年(1587年)頃の家族や家臣団の構成をまとめた『織田信雄分限帳』に、あつち殿(安土殿)という女性が書かれているが、これが濃姫を指すのではないかと考えられています。

(3) その他

岡田正人は京都の大徳寺総見院には「養華」と刻まれた五輪供養塔(卒塔婆)があると奉じ、NHK大河ドラマ『信長』内で、従来説を覆し、濃姫(鷺山殿)が慶長17年7月9日(1612年8月5日)まで78歳の天寿を全うしたと放送しました。この説が正しければ、濃姫は(織田氏菩提寺である)大徳寺総見院に埋葬されている可能性があります。

とはいえどれも確実なエビデンスがあるわけではなく、推論の域を出ません

さて、「麒麟が来る」ではどの説を帰蝶に関して取るのでしょうか?

楽しみではあります

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