KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

新潟県知事選惜敗 原因を分析ー「ムサシ」=不正選挙説はデマなので忘れましょう

昨日行われた新潟県知事選 この選挙はただの地方選挙でなく日本の行く末を大きく左右する選挙だと考えて、野党側としては是が非でも勝ちたかった選挙だが

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あと一歩及ばず、無念である。立候補された池田千賀子候補を始めスタッフ(多くのボランテイア含め)は非常に頑張られたと思い、心から敬意を表す次第

これに関して分析する前に野党支持者、リベラル系支持者に対して相も変わらず出てくる発言に対しては苦言を呈させていただく

いうまでもなく「ムサシ」による不正選挙説である。この情報の出所はどこかわからないが、私自身昨年の衆議院選挙で、そして私以外の数人が実際に開票立会人をした上で実際その場に居合わせた。例によってその「ムサシ」(正式には「テラック」という機種名)が票を改竄している、とか鉛筆で書いた候補名を消して白票にする、とかいった情報がまことしやかに広まっている。あえていうがこれは完全なデマである。

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この機械ができること それは開票した票を数える ただそれだけである。しくみは銀行などにある札を数えるのと同じ

この機械のどこをみても紙の文字を書きかえるような機能も部品もないし、だいたい鉛筆で消しゴムで消したとしても必ず書いた跡が出るものである。

少なくとも私が見た範囲ではそんな疑いを持つような票は一枚もなかった

ネット言説をみると「ムサシ」によって鉛筆は消されるので油性マジックをもっていけ」「投票用紙改ざん装置は鉛筆のカーボンを遊離させ、再付着させる手法が考えられる」とか書いてある。開票現場を知らないと、「そんなことができる機械があるのか」と信じてしまう人もいるようなので特にそこの部分を私も注視した。結論からいうと「ムサシ」(テラック)を注視しながら職員が票をセットし、100ずつ数えていく様子をみていた。ただ数える。それだけ。それ以上のことはどう考えたってできない

無論集計ミスとかいうのは起こりうるが、それは複数の人間が再三再四確認して起きないようにしているし、私の現場でも起きていなかった。有効票を何度も精査したが、消しゴムなどの消し跡がある票はどこ探してもなかった。投票所には鉛筆しか置いてないから、消しゴムの余地は持参しない限りありえない。書き損じの票はたくさんあったもののそれは線を引いて訂正していて、それも有効票としての扱いを得た。

また開票立会人の席にも、立会人による書き換えができないよう、赤のボールペンしか置かれていないことも付け加えておく。とても持参した鉛筆と消しゴムでそんな不正は行う余地はどう考えてもない。

すでに私以外にも選挙立会人をやった人がブログ記事に書いている。私とほぼ同じことを書いている、ちなみに片方は共産党員の方なのでこの「ムサシ」(テラック)について嘘の事実を書く理由などない

 

「ムサシ」は票を改ざんする? ルポ 開票立会人

 

shizuku5342.blog45.fc2.com

https://blogs.yahoo.co.jp/ahttp://shizuku5342.blog45.fc2.com/blog-entry-616.htmlkaruria/34835311.html

さてこれだけのレポートがあるにもかかわらず「ムサシ」=不正選挙というデマ情報が一向に消えない理由は何か?

それは現代人は「そうであってほしい情報」「自分にとって都合のいい情報」というものを信じやすくなっている、という点だ。

だが「自分にとってあってほしい情報」「自分にとって都合のいい情報」だけを信用するというのはネトウヨが信じ込んでいる言説を「専門家の分析、見解」のデータよりも「チャンネル桜」の情報を信じ込んている傾向とたいして変わらない。つまり「ムサシ」=不正選挙説はあえていうがネトウヨレベルのデマを信じ込み拡散する構図と全く同じである。何もネトウヨの思考回路と同じレベルに自らを合わせる必要はないと思うし、このような行為はリベラリズムそのものを貶めるものである。こういったデマがまかり通ると、どんなにまじめに要求運動や住民投票や選挙をやっても、この陰謀論があるから無駄だと思わせてしまうことにもなりかねない。いずれにせよ、選挙に負けて悔しい、「もっと票があるはずだ」という思いから「ムサシ」=不正選挙説を信じたくなる気持ちもわからんではないが、こういう行動はかえってリベラリズムを一般の方々から遠ざける行為にもなるのでやめていただきたい

 

さて、前置きがずいぶん長くなってしまったが、今回の新潟県知事選挙 ずばり敗因は何だろう? まず投票率をみると最終的な投票率57%、おととしの選挙の投票率53.05%だったことから、およそ4ポイント高い。

とはいえ決して高いとはいえない投票率である。

新潟県有権者数は1,982,568人(総務省データ)ということは1%は1万9千人 2%で3万8千人である。となると投票率60%でその大半が池田候補に投票すれば逆転もあり得たといっていい

その意味でも「ムサシ」=不正選挙説を拡散することは投票率を下げる効果はあっても上げる事にはならないことは明白だ

あともう一点、今回「第三の候補」である安中聡氏なる人物が立候補した。この人物の詳細については不明だが、もしこの安中氏が立候補を見合わせれば池田候補に十分勝機があったはずである。

つまりこのことによって余計明白になったのは

野党統一候補で選挙区で自公の候補と対戦する構図を作らないと勝てない、という点である。

安倍政権の暴走を一日も早く止める意味でも、この体制をきちんとつくりあげるべきだ。ひょっとしたら年内にある衆院解散(私はかなりの確率であると考えている)に向けて、そして来年の統一地方選挙参議院選挙に関して野党5党で準備することを強く提言する

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