アメリカの”Thanksgiving day”と勤労感謝の日の違い
日本時間の午前中(西海岸は午後4時頃まで)アメリカは感謝祭"Thanksgiving Day"の祝日である。
アメリカの"Thanksgiving Day"は11月の第四木曜日がそれに当たり、開拓の歴史のあるアメリカやカナダで収穫も終わりその収穫に感謝する風習から来ている。この日はアメリカでもカナダでも七面鳥を食べる風習があるため「七面鳥の日」ともいわれる
アメリカと日本両方で生活したことある自分は恥ずかしながら日本にある「勤労感謝の日」はアメリカの"Thanksgiving Day"の影響で国民の祝日になっているものと思っていた。日にちは微妙に違うにせよ一年のほぼ同時期に行われているからだ。
だが調べてみると両者は全く違うものであることがわかった。
アメリカのThanksgiving Day"は、起源には諸説あるものの1620年にイギリスから入植したピりグリムズ(清教徒)たちがボストン郊外のマサチューセッツ州で厳しい冬に苦しんでいたところを、近隣に居住していたアメリカ原住民のワンパノアグ族からトウモロコシなどの新大陸での作物の栽培知識の教授を得て生き延びることができ、1621年の秋は、特に収穫が多かったので、ピルグリムファーザーズはワンパノアグ族を招待して、神の恵みに感謝して共にご馳走をいただいたことが始まりであるとされる。ピルグリム(清教徒)たちはプロテスタントだったので、当初は宗教的儀式の色彩が強かったが、現在は宗教色も薄れ現代アメリカ人の意識の中では、たくさんの親族や友人が集まる大規模な食事会であり、大切な家族行事のひとつと位置づけられている。私もアメリカの家庭でそういう食事会に招待されたことがある。
それに対して日本の「勤労感謝の日」は飛鳥時代の皇極天皇の時代に始まった新嘗祭(にいなめさい、しんじょうさい)の日が起源とされる。日本では古くから五穀の収穫を祝う風習があったようでwikipediaによると1872年(明治4年)までは旧暦11月の2回目の卯の日に行われていたという。1873年に太陽暦(グレゴリオ暦)が導入されたが、そのままでは新嘗祭が翌年1月になって都合が悪いということで、新暦11月の2回目の卯の日に行うこととした。それが1873年では11月23日で翌1874年からは11月23日に固定して行われるようになった。
新嘗祭の様子
11月23日という日付自体に深い意味はなく、たまたま日本が太陽暦を導入した年(1873年)の11月の2回目の卯の日が11月23日だっただけであるそれがアメリカのThanksgiving Day"とたまたま、ほぼ同時期に偶然なってしまったというだけのことらしい
しかし「収穫を祝う」という気持ちは両者同じであり、北半球では主な農作物の収穫を終え「これから長い冬に備える」という意味合いも共通している。
最近は私も含めて農業に従事しない人の方が圧倒的だから、いずれにせよ「一年の勤労」ができたことに感謝する、ということでいいのだろう。
ちなみにアメリカは"Thanksgiving day"が終わってからクリスマスモードに入るが、最近の日本は11月に入ってからもうクリスマスモードに入るがいくらなんでも早すぎないか? と思うのは私だけだろうか?