日本の民主主義の危機2.安易なポピュリズムと意思表示をしない国民
先ほど短くまとめるつもりでしたが長くなってしまった。
結論からいって戦後、日本国憲法が発布して以来、日本の民主主義がこれほどまでに危機的な状況になったことはない。
何度もいうようにあのような世界的にも恥といっていい橋下のような人物を府知事選挙で圧勝させ、衆議院で議席を持つ政党の実質的な代表につかせたのも日本の国民である。
そしてこの男をいまだに「改革者」などとこの時点で信じる愚か者がまだ少なくないのも事実ー
残念ながらそれが現実である。このような人物を日本国民は自らの意思で「公職」につかせてしまったのである。
橋下に対する非難は多少は盛り上がっているものの、だからといってこれで7月に迫った参議院選挙で流れが変わるか、というと私は残念ながら悲観的にならざるを得ない。おそらくこのままよほどのことにならない限り基本的には衆議院選挙と同じような流れに参院選の結果はなってしまうだろう。
理由は以下のとおりである。
1.意思表示をしない国民
あえて「選挙に行かない」ではなく、「意思表示をしない」としたのは今後予想される憲法の国民投票に関しても国民の半数近くが行かない、という可能性を感じるからだ。
NHKの憲法に関する世論調査
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/yoron/social/pdf/071201_02.pdf
これを見ると改正に賛成が優勢でもあるが何よりも「わからない」「無回答」が1/3いるということだ。つまり何も考えていない層が1/3いるということである、
よく聞くのは「棄権するのが自分の意思表示だ」「白票を投じるのが自分の意思表示だ」などという主張。
だがそれは結局は現状を肯定するのと同じ行為なのである、
なぜならそれは組織票がしっかりしている既存の大政党を有利にするだけだからだ。
また国民の権利に関しても前の記事のように「他人事」のような人間も多い。
とある若者の発言
「選挙? だってー天気がいいから遊びにいきたくてーwww てへへへ」
これを聞いて私はコイツにモノを投げつけたくなった、
自分の権利、「意思表示」を自分のものとは思っていない人間が多いようである、最近の日本人、何事に関してもどこか「他人事」なのだ
こういう奴らはほぼ間違いなく憲法改正の国民投票にも行かないだろう。
そして気が付いたら、徴兵制施行 なんてことになる可能性も
「えー そんなのきいてないようー(涙)」
とその時になってあわててももう遅い。
自分で意思表示をしない方が悪いのだ
民主主義が音を立てて崩れる瞬間である。
前回の衆議院選挙で一時「日本未来の党」なるものが出現しリベラル勢力の結集を図るかと思われたが、途中で空中分解を起し選挙でも惨敗。今回の自民党の圧勝をもたらした。
実は最大の懸念は安倍の改憲勢力に対抗可能な勢力が現時点では存在しない、というのが最大の問題である。
改憲勢力の準備は着々だ、それに対して対抗勢力は残念ながらぜい弱と言わざるを得ない、それが参議院選でもこのままなら衆議院選挙なみの結果になる可能性が高いという根拠である。
もう二か月ないが、リベラル勢力の奮起を期待するしかない。このままでは大変なことになる、
3.選挙での選択肢のなさ
確かに今「誰に投票していいのか、選択肢がなさすぎる」という点はある。
国民は今まで何回も裏切られてきた。
私は歴史が好きで特に日本の歴史上、もっともドラステイックに変わった幕末から明治の政治家の記述をよく読むと、幕末から明治の政治家は完璧ではないにせよ、はっきりいえるのは現代の政治家と比べると一回りも二回りも大きい器の人物が多かったという点である。
今、政治家として国会にいる人物の殆どは人間としてどうしようもないほど酷い人間が多い、
心から信用できる人間など皆無、といってもいいかもしれない
だがそれでも私は選挙に行き政治家に投票すべきだと考える。
結果的には裏切られるかもしれないが
ただ私たちが絶対にしてはならないこと
それは投票しない、意思表示をしない、ということである
今の私たちにベストの選択枝などない、それはわかっている。
だが最悪の選択を避けることはできる。
そして今こそ最悪の選択を避けるための投票をしなければならない、と考える
最悪の選択とは何か、それは自由と平和と民主主義を歌った日本国憲法の精神を否定し,日本の民主主義を崩壊させる選択を取ることである。
今のままいけば今度の参議院選挙でも自民党、公明党、維新の会、場合によっては「みんなの党」も含めて参議院も2/3以上の勢力を獲得してしまうだろう。
全て改憲勢力である。
橋下や石原がどんなに破廉恥な発言をしようがその流れは変わりそうにない
そして96条改正案があっさり国会を通過。
憲法改正のための国民投票も、国民の半数近くが何も考えず棄権し組織票の強い改憲勢力の支持者によって可決となってしまう
そして洪水時の水門を開けるように、9条を含めなし崩し的に改憲論が可決され気が付いたら基本的人権の12条や言論の自由の13条まで変わり、日本国民に殆ど自由などなくなってしまう時代になる可能性がある。
つまり96条が改正されたその瞬間から日本の民主主義はあたかもがけ崩れのように崩壊の道を歩んでしまう。
そしてそれを崩壊させたのは他ならぬ日本国民自身である。
私はこの予想が当たらないことを心の底から願っている。
杞憂に終わることを本当に、心の底から願っている
だが日本の民主主義が崩壊し、かつて戦前のような戦時体制の国家に戻ってしまうかどうかの分岐点に今差し掛かっていることを認識する必要がある。
日本の民主主義が今、こわれようとしている...
音をたてて崩れようとしている