オバマ再選とTea party議員の惨敗に思う
昨日は仕事で一日外出していたために記事を書けませんでしたが、アメリカ大統領選挙は歴史的といってもいいほどの接戦ながら現職のオバマ大統領が再選を果たしました。
現職の大統領が再選でこれだけ苦戦するのは4年前のオバマに投票した有権者がオバマに失望した、という背景も確かにありますが、やはり新自由主義的な政策を隠さないロムニー氏に対して不安を覚えた有権者も少なくなかったこと、そしてアメリカ経済も僅かながら回復の兆しを見せているという点等が影響したとみられます。何よりもブッシュ政権のネオコン時代に顧みられなかった多くの有権者が本質的にブッシュと大きく変わらないロムニー氏の政策をみて「あの時代に戻るのはゴメンだ」と思ったからだと思います。
その証拠に反オバマ陣営で新自由主義的な政策集団である"Tea Party"陣営の議員が次次と落選し、辛うじて"Tea Party"議員の代表格であるミシェル・バックマン議員が僅差で辛くも当選したという事実(本当に落選の瀬戸際でした)を見ても"Tea Party"陣営は惨敗といわざるを得ないと思います。
アメリカは特に共和党支持者に多いですが新自由主義、市場原理主義を支持する風土は根強いですが、やはり新自由主義、市場原理主義では経済を回復させることができない、ということに多くのアメリカ国民が気付き始めた、ということでしょう。
実際経済は数字やデータではなく、実際に動かすのは人間である。 こんな当たり前のことを多くの経済学者、や経済関係のジャーナリストは忘れている、もしくは理解できていないように思います。
日本のマスコミや経済学者はいまだに新自由主義、市場原理主義者が大半を占めていますが、なぜいまだに「新自由主義や市場原理主義こそが経済を再生させる」といった迷信に固執するのか、理解に苦しみます。マスコミが橋下大阪市知事の「維新の会」に対して好意的な記事(先日の「朝日」は例外ですが)を書くのもやめないのもそういう背景があります。