KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

坂の上の雲ー敵艦見ゆ

坂の上の雲、第三部

今回も見応えがありました。
さて、司馬遼太郎が一番嫌がっていたように、一番の懸念材料だった「戦争讃美のドラマと誤解される」点についてはここまで、そういう描き方はされていない、といっていいんじゃないでしょうか?戦争の凄まじさ、現場の人間の苦悩をよく表現していました。今日は陸軍の奉天の戦いも勝利というよりは、ロシア軍のクロパトキンの愚将ぶり(といっていいでしょう)に助けられた、というのが実態で実情はどうみても「勝利」には見えませんでした。寧ろロシア軍が勝利をくれた、という表現の方が正しいかもしれません。
また秋山好古の騎兵の報告を何回も無視する等、前回も指摘した陸軍の「情報軽視」の体質が描かれていました。この陸軍の「情報軽視」の体質はこれから第二次大戦に進むにつれてどんどんひどくなります。

さて、日露戦争のクライマックスであるバルチック艦隊がどこを通るか、等で秋山真之を始め海軍の人間が苦悩する様が描かれていましたが、冷静に考えればバルチック艦隊対馬海峡を通る可能性が高い、と考えるほうがロジカルかもしれません。
 それはまず日英同盟の影響でロシア軍が補給できる地域が限られること、太平洋→津軽海峡だと距離的に遠い上に補給する場所がないこと、を考えるとバルチック艦隊対馬を通るのはほぼ必然のような気がします。東郷平八郎も島村速雄もそのあたりを見て対馬海峡を敵が通ることを確信していたと思われます。

さて、来週はいよいよ最終回になります。一昨年の年末から楽しませてもらいましたが、いよいよ終わるとなると寂しいですね。最後は感動させてくれることを期待して、「坂の上の雲」の最終回を楽しみにしたいと思います。

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