石原四選を考える
統一地方選の初戦ともいえる知事選、民主系の惨敗とかいろいろいわれていますが、東京では石原慎太郎が四選を果たした。
それが都民の選択といえばそれまでだが、私にとっては不可解極まりない。あれだけ暴言、放言。被災で苦しんでいる被災民に「天罰」(一応「撤回」はしたがどう見ても反省しているようには見えない)などといってはばからない男にこれだけの圧倒的勝利を与えるとは。
本当にこれでいいのか? この選択でいいのか?
石原慎太郎というのはこういう男だ。
1.筋金入りの国家主義者、殆ど右翼といってもいい
2.新自由主義者、いわゆる岸信介からの流れである国家主義的資本主義者である。(これも筋金入り)
3.原発推進論者である。
(今回はわざとこの論点をぼかしているが、過去のこの男の言動、行動を知っている者はこの男が筋金入りの原発推進論者であることは誰もが知っている)
つまり従来の古い保守政治家のまさに典型といっていい男だ。特にこれだけ反原発の動きがあるにも関わらず、「守旧派」の権化のような人物が圧勝したのだ。
さらに
・築地市場移転予定地の豊洲の土壌から有害物質が出ている情報を有耶無耶にして、市場移転を強行しようとしている。
なぜか都議会民主党までがこの問題を有耶無耶にして篭絡されているが、有害物質の件は明確に結論が出たわけではない。都民の口に入る魚にその有害物質が入り込んだらどうするのか?
ちなみに福島第一原発も専門家に地震や津波対策の不備を指摘されていたにもかかわらず、それを黙殺していたがために今回の事態となっている。どうも日本人は「お上」がこうだというと何でも鵜呑みにする傾向があるが、役人というのは国民の安全より自分の保身の方が重要という人種である。この世で役人のいうことほどあてにならないものはない。同じことが新市場移転で絶対起きないなどとなぜ断言できるのか?
・旧都民銀行の運営、金の流れが不透明、また問題自体が有耶無耶にされている。
都民の税金でこの問題を解決しようとしているが、この問題の発生の全容は全くといっていいほど解明されていない。
石原の支持者は高齢者、石原裕次郎ファン、新自由主義者、ネット右翼もしくは経済右翼を中心とも思っていたが下記のグラフを見るとそうも言い切れない。自分と同世代やそれより若い世代でも過半数が支持している。
知名度? 理由がわからない
勿論対抗候補が出遅れたというのも大きい。そして石原のような「守旧派」を論破できる対抗馬を市民レベルで擁立しないとだめだということだろう。
震災直後で「変化」を望まない、という雰囲気があるのも大きいかもしれない。だが今こそ日本はー特にエネルギー政策、環境対策ーで変わらなければならない。でないと日本の未来がないのは明らかであろう。