中東情勢に見る日本のマスコミ人の意識の甘さ、ジャーナリズム精神の
さきほどtwitter経由で以下のようなつぶやきを見て唖然とした。
「先程、マスコミ関係の人からご注意受けました。「私達も必死です。マスコミが信頼できないと言うのはどうかと思います。官公庁から情報を入手し的確に情報を提示してます」
その官公庁がボクは信憑性にに欠くし、画一的な意見と追及が甘い内容に思えてならないのです。」
実は以前私が日本の「記者クラブ」のありかたを批判した時にあるマスコミ記者から
「そういうバカな批判はしないほうがいい。「記者クラブ」は官公庁から効率よく情報を得られる世界的に見てもすばらしいシステムだ。「記者クラブ」を批判するだけでシロウトだと思われるよ」
などといわれたことがある。
やはり日本のマスコミ人の意識のレベルはこの程度なのか、と思わざるを得ない。そもそも官公庁からリークされる情報の信憑性そのものを日本のマスコミは疑ったことがあるのか、といいたい。
私が「記者クラブ」を「現代の大本営発表」というのは当然「記者クラブ」というところは政府もしくは「官公庁」が「意図的に」流す情報であり従って必然的に「操作された情報」であることは明らかだろう。またこの「記者クラブ」では意図的に「報道してはならない情報」というのも事実上の「報道協定」であるかのように決められる。つまり政府や官公庁にとって「都合の悪い」情報は報道しないということだ、これを「現代の大本営発表」といわずして一体なんだというのか?
はっきりいって今回のチュニジアからエジプトそしてリビアやバーレーンの情勢は日本のマスコミの情報よりもtwitterからの情報の方が遥かに早くて的確な情報だったといえる。特に同じサウンドクリエーターでジャーナリストの活動もしているモーリーロバートソン
http://twitter.com/#!/gjmorley
経由の情報は現場から直結した情報で時には非常に生々しい。しかし「操作されてない」情報だけに的確に何が起きているかがわかる。「ネットの情報なんて」とバカにしていた日本のマスコミ関係者もモーリーの情報網に注目せざるを得なかったらしく、今頃になってリビア情勢でもようやく重い腰をあげている。
今回世界のテレビ報道関係者で一番ジャーナリズム精神を貫いたのは「アル・ジャジーラ」だろう。湾岸戦争やイラク戦争際にはアメリカにとって「都合の悪いこと」を報道したために「テロリストの手先」とまでいわれた「アル・ジャジーラ」だが危険地帯で何人かのジャーナリストが身の危険や当局者に拘束される、等のことがおきてもひるまずに報道を貫いた。その報道の内容はCNNですらかなわなかった。
日本のマスコミ人のかなりの数が「アル・ジャジーラ」をテロリストに近い放送局と勘違いしていたようである。つまりアメリカの政府関係者の情報を鵜呑みにしていたわけである。「記者クラブ」による取材手法の弊害がこういうところにも見える。
日本のマスコミ関係者は「アル・ジャジーラ」のジャーナリストの爪の垢でも煎じて飲んだほうがいい。もっともそもそも日本のマスコミに真のジャーナリストなどいないのかもしれないが..