海上保安本部(神戸市)40代職員が尖閣ビデオ流出
■尖閣映像流出:「自分が流出」 神戸海保職員を逮捕方針
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101110k0000e040049000c.html
まだ本当にこの職員が尖閣ビデオを流出させた犯人かどうかは確定していない。だから軽々にはいえないが、この40代とベテランの域に達した職員が公務員の立場であることを重々承知しながら名乗りでたとすれば、かなりの確信犯であり、自らの主義主張をもって流出させたと考えるべきだろう。
ここで気をつけなければならないのは「尖閣ビデオ」の公開の是非の問題と、公務員でありながら国家の機密事項を故意に流出させた件は全く別の問題として論じるべきである。
ここを混同している議論が多すぎる。
「中国への配慮」という政治的判断が良いか悪いか、という問題は外交、政治の問題であり、国民の知る権利という観点からすれば「公開すべきだ」という要求があるのが自然だが、それを政治的カードに使うか云々も含めて議論が分かれるところである。
一方で国家の機密事項をいかなる政治信条があろうが公務員として意図的に流出したとしたら、これは公務員として大げさに思うかもしれないがこれは反逆行為であり公務員としてあるまじき行為である。コンプライアンス上も大いに問題があるのはいうまでもない。
仮に民間企業の社員でこういうことが起きたとしても、これはコンプライアンス違反になり訴訟を起されても仕方がない。
だからこの男をヒーロー扱いするのは間違いである。
日本にはまだコンプライアンス意識が定着していない、ということをこの事件は如実にあらわしている。