KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

龍馬伝と幕末を見て

実は昨日は某フジテレビの「めちゃ×2イケてる!スペシャル」で、どちらがより音痴に歌っているか、などというコーナーでちょっとぶちきれてしまい、子供に「テレビ禁止令」を出す騒ぎにもなったのですが、

興味ある人は私のもう1つのブログのこちらの記事を読んでください。
■「めちゃ×2イケてる!スペシャル」 だめだ!! 耐えられん 吐きそうだ!!http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2010/01/post-1028.html

そうはいってもNHK大河ドラマ龍馬伝」は見ました。私が地上波で見る数少ない番組です。(もっとも初回はBS2で見ましたが..)

この龍馬伝まだ二回しか放送していませんが、少なくとも今の所は「天地人」よりは歴史背景、考証はきちんととしているなという印象があります。このままどこかのの大河ドラマのような歴史考証の捏造オンパレードだけはしないで欲しいものです。個人的な感想ですが、福山雅治の龍馬はちょっと品が良すぎるというか、自由奔放で豪快なイメージと比べるとやや違和感がありますね。相変わらずNHKはイケ面路線を貫こうという感じでしょうか?

今回の放送でペリー来航の情報を事前につかんでいながら、ただ狼狽するだけの江戸幕府の老中たちの様子が描かれていますが、何かあの江戸幕府の役人の様子を見ると最近の官僚や財界の人間とイメージがダブってしまうのは私だけでしょうか?

新年が明けて経済の状況は本当に深刻です。多くのアナリストは景気の二番底が来るという予測をしています。そんな中で気になる記事があります。

■「文系・大卒・30歳以上」がクビに――ベストセラーの著者に聞く2010年労働事情
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1001/08/news002.html

30代といえば働き盛りのはずですが、そんな世代までリストラの対象になるという予測。もし本当にこういうことが起きたら日本の未来は本当にないですね。

この記事の抜粋で

「いまの企業はマネジメントにのみ力を入れて、新たなビジネスを始める気概をなくしています。その理由の1つには、1990年代の不況を生き延びた人たち、つまり50〜60代の経営者や役員、管理職などの多くが起業家タイプではなく、管理者タイプであることもあるでしょう」

これは本当に感じますね。ひとことでいえば財界で社長をやっている人の多くがサラリーマン社長だからでしょう。

その昔トヨタ奥田会長がアメリカの経営者が安易に首切りする姿をみて、「まず自分の腹を切るのが先だろう」と怒ったという話が伝わっていますが、そういう経営者はもう日本では少数派なんでしょうか? 40代だけでなく30代まで切ったら会社のノウハウも減っていくし、結果的には看板だけ残って人もいないもぬけの殻の状態になるでしょうね。 昔松下幸之助さんが大不況の時にも「人は会社なり」といって社員の1人の首切りもせず、「その代わり社員全員で会社の製品をいっしょに売ろう!」と松下幸之助自ら陣頭に立って社員一丸となり会社の製品を売って結果的には前の年の売上を大きく伸ばした、という逸話がありますがそういう気概を持った経営者はもういないのでしょうか?

アメリカの経営者のようにリストラと投機市場でのマネーゲームーこれをやらない経営者は無能経営者だ。という雰囲気が今の財界にすっかり支配的になっている印象があります。しかしこういう表面的な「グローバリズム」アメリカのモデルを絶対視する風潮をいい加減見直したらどうでしょうか? リーマンショックは結局無節操なマネーゲームの結果なのは明らかなのに、なぜいまだにリストラやマネーゲームに明け暮れる経営者をもてはやし、リーマンショックに対する反省をしようとしないのでしょうか? (実はアメリカにもいまだに新自由主義は間違っていない、リーマンショックは一部の無責任な奴によって引き起こされたものに過ぎない」よいう見解が少なくありません)

勿論自分の本業に全身全能を傾けて新技術に取り組む企業もあります。日本企業は優秀な「モノ作り」によってここまで大きくなってきたんですが、何かそういうものを軽んじる風潮が日本の財界にも日本社会全体にもいつのまにか定着してしまった感があります。

何か企業の経営者も霞ヶ関の役人と殆ど変わらないメンタリテイを持っていると感じているのは私だけでしょうか? 先日の古賀さんの話ではないですが、「チャレンジ」するという気概が萎えている会社が本当に多いなという印象があります。
このままでは日本経済は徳川幕府のようになってしまう、という危機感を感じずにはいられません。

その意味でも昨年末の「坂の上の雲」を初め、明治維新という大変革の時代に生きた坂本龍馬を描いた「龍馬伝」はこういう時代だからこそ放送して意味があるかもしれません。

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