KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

野党は「なんでも反対」という批判におびえすぎ、重要なのはリベラルの魅力を打ち出すこと、共産党との共闘は続けるべき

記憶に新しいが本来なら与野党の立場がもっとも分かれるべき予算案に本来なら野党の国民民主党が賛成に回った。

mainichi.jp

これにはさすがに驚いた。自民党の補完勢力といわれる「ゆ党」の維新ですら反対票を投じたというのに。

玉木氏は「何でも反対野党はイヤだシンドロームという病気かもしれない。そもそも「野党は反対ばかりで何の提案もしない」はマスコミが印象操作で一部の国民を洗脳した結果だが実際の国会内のやりとりを知っていればそれは真逆なことは玉木氏も百も承知な筈だ。 実際コロナ対策についての提案は与党の自公政権より立憲をはじめとする野党の方が多い。

嘘だと思うのなら昨年立憲民主党の江田 憲司氏がまとめた表を見るがよろしい。この票に嘘がないのは国会の議事録を見ればわかるはずである。

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「野党は反対だけで提案しない」という人が自称政治評論家やコメンテーターに少なくないが、そういう人はそれだけで無知を曝け出している。国会審議等を調べればわかる筈だが、マスコミがその殆どをスルーして印象操作を定着させている。玉木氏はそれが嫌でたまらないのだろうがそれは野党の立ち位置を放棄していい理由にはならない。 

そんな折茨城1区の無所属で元民主党福島伸享衆院議員のインタビューが面白い。以下重要なポイントを引用する

digital.asahi.com

「提案型野党」なんて言葉がはやっていますが、「クソ食らえ」ですよ。野党の仕事は提案ではありません。与党になって自らが掲げる政策を実現するため、政治闘争を挑むのが本筋でしょう。

政治闘争をする気がなく、政権に政策を提案したい政治家なら、シンクタンクで働けばいい。提案するだけなら、必ずしも政党や政治家である必要はないと思います。

立憲民主党は「野党は批判ばかり」と言われているのを恐れているようです。ただ、枕ことばが足りていません。「くだらない批判」ばかりがいけないのです。

政権を倒すことを目的にした批判、権力構造の本質を突く批判は体を張ってやらなければならないと思います。野党時代の自民党は、そうだったと思います。「批判ばかり」と言われておじけ付くなら、政治家をやるべきではないでしょう。民主政治の危機になりますよ。 

マスコミがこれでもか、というくらい散々野党に対するネガテイブキャンペーンとして「野党は反対ばかりでなんの提案もしない」という言質拡散。そういうこと自体政治への無知をさらけ出した発言なのだが、国民民主党の玉木を始め今の野党はそれを極端なほど恐れている。実際SNSでも与党に対する反対意見を一切述べるなという人が少なくないがそれは民主主義ではなく独裁の状態である。野党は反対ばかり、と罵る人は独裁を望んでいる人たちなのか?今のロシアや中国のような社会をその人たちは望んでいるのだろうか?

権力側が間違えている、自分たちのバックに民意があると思うなら、野党は批判を恐れずに体を張って審議を止めるべきでしょう。不祥事の背景を明らかにするのは国会での野党の大切な役割のはずです。

全く同感

立憲には「共産との共闘によって得票が減った」との声があるようですが、他人のせいにしても仕方がありません。私も相手陣営から「共産党支援の代議士はいらない」と批判されましたよ。けれども私は「党より人物」をキャッチフレーズに掲げてどぶ板選挙を展開してきました。むしろ自民党公明党の支持層も取り込めました。 

候補者の「人物」を理由に入る票は、どの党から応援を受けようと離れることはありません。候補者や党が一人ひとりの有権者と向き合う努力をしているか、魅力があるか否かが根本的な問題なのだと思います。

その通り。選挙敗北の原因を共産党のせいにするのはお門違い。野党共闘を望まぬ勢力の口車に乗っているだけ。
野党共闘は続けるべきである。
あまり連合とか政治などわかってもいないくせに知ったかぶりしてえらそうにコメントするワイドショー系コメンテーターのいうことなど気にする必要はない。寧ろ有害なコメントなのでスルーすべきである。

ロシアがウクライナに侵攻ーまさか21世紀に入ってこんな光景を見るとは思わなかった

既にご存じのとおりロシアのプーチンがロシア軍にウクライナに侵略、攻撃を開始し事実上戦争状態となった。ロシアは2014年にもクリミアに侵攻し事実上併合したが、今回は首都キエフを含むウクライナほぼ全土に攻撃をしかけており、まさに全面戦争といっていい状態である。

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まさか21世紀に入ってこんな侵略戦争の様子を目の当たりにするとは思わなかった。これは完全に戦争であり明確に反対の意思を示さないといけない。

日本人の中には反対意見や批判のつぶやきを極端に嫌う人がいるが今戦争反対の声を揚げないと自分に戦禍が降りかかる可能性がある。ウクライナで起きていることは他人事ではないし、また他人事にしてはならない 。

いわゆるアメリカやヨーロッパを始め主要各国は当然ながらロシアの今回の行為を非難している。今回今までと違うのはプーチンに日常的に押さえつけられているロシア国内、世界各国のロシア人も今回のウクライナ侵攻を非難し反対の声を揚げていることだ。

www.bbc.com

digital.asahi.com

私も今回のロシアとプーチン大統領の行為を非難し、ロシア軍の攻撃中止と即時撤退と求めるものとする

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侵攻して3日過ぎたが既にかなりの被害が発生しているものと思われる。住民の避難が続いており、早急に救援が必要なものと思われる。

戦争で犠牲になるのはいつも弱い立場の一般市民である。以下に支援の窓口で比較的信頼おけるところをリストアップする 

*国境なき医師団 (Doctors Without Borders)
*Voices of Children
*国際赤十字(International Committee of the Red Cross)
*UN Refugee Agency (UNHCR)国連難民高等弁務官事務所

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最後に今回のロシアのウクライナ侵攻に対する戦争を非難するこちらの意見書。既に私も署名しています。皆さんもよろしければ

 

secure.avaaz.org

三回目のワクチン接種ー私の場合ファイザー正直モデルナでなくてよかった...

相変わらず続くコロナーオミクロンの感染拡大状況に続き、最近はPCR検査をもすりぬける「ステルス」と呼ばれる感染力ならびに重症化率も高いステルスオミクロンBA.2の感染報告もある中、先日我が家に陽性者と「濃厚接触者」がいたこともあり、背に腹は代えられないという意味もあって、コロナワクチンの3回目の接種を行いました。

ちなみに家族の中で私は唯一濃厚感染者にすらなりませんでした。

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おそらく皆さんの大半は三回目は「モデルナ」を接種すると思うのですが、たまたま私はワクチン接種を主治医の医院で行いそこの関係でファイザーの確保がある関係で私は三回の接種、いずれもファイザーになりました。そのため必ずしも皆さんの参考にはならないかもしれませんが...

前回は二日目から副反応が出ましたが今回も出ました。

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初めは微妙な体温ですが、例によって体温が乱高下しました。一時は38度を超えた時もありました。

結論からして今回の副反応は長かったですね。

4日目からようやく体温が安定し始めましたが、しかし平熱レベルで、なおかつ風邪のような症状は一切ないのですが、ダルさだけ残っていてなかなか本調子になれない状況でした。普通の生活に戻れたのは5日目から

3回目の副反応はなかなかしつこく厄介でした。

しかし私はまだマシな方かもしれません。

www.jiji.com

3回目に交互接種で米モデルナ製を選んだ人の68%が発熱し、米ファイザー製を打った人より約28ポイント高かったとの調査報告が示されました。実際Facebookをはじめとするソーシャルメデイアでつながっている人でモデルナで発熱している方が多いですね。中には40度を超す状態の酷い副反応の方もいました。

それを聞くと正直モデルナでなくてよかった、とも思います。

何にせよ、もうコロナとの闘いは3年目に入りました。

いい加減何とか収まってほしいですけどね。

「鎌倉殿の13人」源平合戦の謎ー梶原景時はなぜ源頼朝を見逃したのか

「鎌倉殿の13人」

先々週から源平合戦が始まってますが、この源平合戦には多くの謎があるのですが、今日はその中の1つ 頼朝挙兵後、頼朝軍が伊豆国目代山木兼隆を殺し、それに対し大庭景親は頼朝討伐に向い、大庭の一族の梶原景時はそれに従い、石橋山の戦いで寡兵の頼朝軍を打ち破り、頼朝を追い詰めた後、頼朝が潜んでいた洞窟で頼朝と遭遇したが、頼朝を見逃したという史実があります。

 『源平盛衰記によると

敗軍の頼朝は土肥実平岡崎義実安達盛長ら6騎としとどの岩屋の臥木の洞窟(現在の湯河原町)へ隠れた。大庭景親が捜索に来てこの臥木が怪しいと言うと、景時がこれに応じて洞窟の中に入り、頼朝と顔を合わせた。頼朝は今はこれまでと自害しようとするが、景時はこれをおし止め「お助けしましょう。戦に勝ったときは、公(きみ)お忘れ給わぬよう」と言うと、洞窟を出て蝙蝠ばかりで誰もいない、向こうの山が怪しいと叫んだ。大庭景親はなおも怪しみ自ら洞窟に入ろうとするが、景時は立ちふさがり「わたしを疑うか。男の意地が立たぬ。入ればただではおかぬ」と詰め寄った。大庭景親は諦めて立ち去り、頼朝は九死に一生を得たと

されます。

それにしても本来ならもし頼朝の首を取れば大変な手柄になったはずなのに、なぜこの時に梶原景時は頼朝を見逃したのか、これが源平合戦の中で大きな謎の1つになっています。

説はいろいろありますがどれも決め手にはなりません

1.大庭の一族で大庭景親の下で働いていたがかねがね平氏政権に不満を持っており岩屋の臥木の洞窟で頼朝を見て、頼朝が並々ならぬ人物であるという直観が働いた

2.ここで頼朝を生かしておいて、あとで恩を売ろうと考えた。

あと変わったところでは

3.実は洞窟の中で頼朝の顔がよく見えなかった

これはどうでしょうかね(^^:)

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    梶原景時 保延6年(1140年)?ー正治2年(1200年)1月20日

そもそも梶原景時はどういう人かといいますと、例えば判官びいき義経ファンにはきわめて評判の悪い男で、平家攻めの時の「逆櫓論争」や壇ノ浦での先陣の口論による義経との対立に基づく「梶原景時の讒言」が原因ですが『平家物語』は好調表現が激しいためそのまま信頼することはできません。でも義経との対立があったことはどうやら事実のようで、義経の行状を事ある毎に頼朝に進言し、兄弟対立を結果として煽ったのは事実のようです。

また景時自身もほかの坂東武者から人気がなかったのも事実のようでそれが結果として後で命取りになってしまうのですが、どうもこれをみると変なたとえですが梶原景時は時代が違いすぎますが戦国の「石田三成」のようなタイプだったのではないかと考えます。

梶原景時は坂東武者に珍しく教養があり和歌を好み、「武家百人一首」にも選出されている歌人でもあります。また頭脳明晰で物事の判断を是々非々で貫いたようです。そのため頼朝の信任も厚かったのですが、このことも周囲の坂東武者から嫌われる原因にもなりました。

そして、どうも後者の「是々非々で貫く」というところが時代がかなり先の人物にはなりますが、石田三成に似ています。

無骨な坂東武者からすれば梶原景時の教養の高さと是々非々の態度が鼻につき、嫌われた、ということは容易に想像できます。日本人は特に論理、ロジックではなく感情で動く傾向が強いのでなおさらでしょう。

まして異母弟とはいえ、兄弟同士の殺し合いを煽動するイメージがありますからね。もっとも頼朝は義経だけでなく多くの弟や同じ源氏の親戚を殺していますから、何も梶原景時のせいばかりにはできませんが..

結局のところ景時が頼朝を見逃した本当の理由はわかりませんが、いずれにせよ本来は武士ながら武士の心を忘れてしまった平家への各武者の不満が想像以上に大きかったという点も背景にありそうです。

家族にコロナ-オミクロン株陽性者発生ーそれの体験レポート

もう先週の話です。ちょうど1週間前

木曜から娘が大学から帰宅後のどの痛みを訴え、発熱はしなかったものの静養させました。

そして次の日家内が体調の不調を訴え、検温すると37.5度(!) 

ご存じの通り先週からオミクロン株の急激な感染拡大。その背景で病院の発熱外来をみつけるのが難しく保健所や発熱センターも電話がつながらない状態。

とりあえずある病院との協議の上、土曜日の朝に発熱外来に行くことに

コロナ患者を受け入れる病院もコロナ対策として他の患者に接しないように別経路の入館するようになっており、しかも看護師の連絡をまつために車で待機、車の中で結局1時間以上まつことになりました。(勿論マスク、手袋はしたまま)

診察と治療、そしてPCR検査も行い結果は陽性 !!

一方娘の方はPCR抗原検査で陰性だったものの「濃厚接触者」に認定

私自身は一切体調の変化もなく症状も全くないのですが、家族に陽性者と「濃厚接触者」がいる関係で私も自動的に「濃厚接触者」に理論上はなるのですが、結局保健所からなんの連絡もなく、その意味では私は非公式な濃厚接触かもしれません。

ちなみに我が家は家族全員ワクチンを二回接種しております。

とりあえず事態が悪化しないように家族内でやったこと

1.食事は別の場所に離れたところで行う

2.就寝も別の部屋でする。(結構これで感染することがある)

3.家の中でマスク、作業するにも使い捨てのゴム手袋を心がける

私は家の中で唯一「普通に動ける」のも事実なので仕事をしながら家事の全てをやりました。マスクと手袋をしながら

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コロナの感染者の情報とかニュースとかで報道されていましたが、今までどこか「他人事」のように考えていましたが、実際自分の周囲に感染者が出てきて嫌が上でも「自分の問題」として取り組まなければなりません。

これだけはいえます!実際に家族に感染者がでたら「コロナは風邪」とか「コロナ陰謀論」なんてアホらしくて相手にしてられんということです。少なくともニュースサイトの情報だけで自分がコロナの全てを理解したなど思わないことです。

当たり前ですが、人からただ情報を聞く、ネットの情報の断片だけを聞く、というのと実際に体験する、のでは天と地くらいの差があります。ネットに流れている情報(酷い場合は「もっともらしい情報}を流すフェイクニュース(デマ)サイト)だけをみて自分がすべてのことを理解したなどとは考えている人が多すぎます。そのくらい「実際に体験する」というのと「ネットの情報を見る」というのは落差があります。

さて、こうした折三回目のワクチン接種券が来ました。

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家中で陽性者が出てしまい少し遅きに失した感はありますが、今のところ自分は何の症状もなく普段通りなのでこの状況を保つ意味でも3回目やった方がいいと思います。いまだにネットにあふれている「ワクチン陰謀論」には耳を貸さないようにしましょう。ネットの陰謀論の99.9%はデマですから...

その後家族の発熱もなく状態は安定して咳とかも出なくなりました。

その関係で陽性者は2週間、濃厚接触者は1週間原則隔離、ということになり私と娘はその後異常なかったので本日隔離期間をめでたく終了しました。

まあ私は「非公式なので」(保健所からも一切何もいわれてない)ので不要不急な外出はしませんでしたが、必要最小限の行為は行いました。

ちなみに意外に知られてないけどコロナ陽性者が出た家には申し込めば自治体から支援物資が届きます。

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結構な量来ますね。

まあコロナで外出しないように、ということなんでしょうね。食料は缶詰、レトルト、カップラーメン等、それ以外マスク、テイッシュー類、ペーパータオル等が来ます。

それにしても日本全体で既に連日10万人近く感染。改めて感染力の凄まじさを感じる次第。

私見ではこのオミクロン株、コロナワクチン接種に対するコロナウイルス COVID-19の人類に対する反撃なのかもしれないですね。さらにオミクロンでBA-1 またはBA-2という変異も既に始めており、まさに人類に対する敵意をむき出しにしているウイルスだと思います。

今回身内に感染者が出た関係でコロナ、自分の問題として対応したいと思った次第です。

第六波襲来!オミクロン株について正しく理解しようと試みる。重症化が少ないから『ただの風邪』と侮るのは危険

報道等でご存じの通り、コロナ感染者が年明けから急増している。

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昨年の11月30日に日本国内でコロナのオミクロン株の感染者が見つかって以来外国人の入国を原則禁止する等の水際対策を徹底していたが、沖縄の米軍基地の観戦防止に対する非協力的な姿勢もあり、感染爆発につながってしまった。(アメリカ軍基地は1週間前の金曜日になってようやく軍関係者の外出禁止を打ち出した)島のような場所でこういう感染拡大が起きると地域の医療体制は脆弱なことが多いので沖縄には大変な負担になっている。

結果的に沖縄県山口県広島県が現在「蔓延防止対策」を講じている。いずれもアメリカ軍基地がある地域である。

さて、報道を通じて入ってくるオミクロン株について情報は出てきているものの、今までの変異種と違う点が多いことは事実なので、ここはなるべく確かな情報源をもとに正しい理解をしたいと思う。特にネットには不確かな情報、フェイク情報、陰謀論の類まで氾濫しているので、その情報源が確かなものかどうかを確かめてまとめることが重要だと考える。

とにかく今わかっていること

1)感染力が非常に強い

報道もされているように過去経験したことのないペースで感染が拡大している

www.jiji.com

川崎医科大学教授の中野貴司教授はオミクロン株が感染力の強い理由について以下のように述べている

オミクロン株の感染力の強さはウイルスが細胞と結合するスパイク部分の変異に加え、潜伏期間に関係している可能性があると言います。

一部の情報で空気感染に変わったのでは、というのがあったがそういうことではないようである。従来通り不織布のマスクをし続け、いわゆる3密の場所には極力立ち入らないことが重要だろう。

2)オミクロン株は軽症で済むことが多い

さて、問題はこの項目だ。既にオミクロン株はただの風邪、とか軽症なのでたいしたことない、といった類の情報が独り歩きしている。しかしよく内容を精査するとことはそう単純ではないように思う。

■まずオミクロン株に感染した時の症状

発熱(72%)・咳(58%)・だるさ(50%)・のどの痛み(44%)などの風邪症状が中心(沖縄での報告から)
潜伏期間が短い可能性: アメリカの報告例によると潜伏期間の中央値は3日だという。通常の新型コロナが5日ほどと考えられているので、2日ほど早い 

■症状が軽い傾向は確かにあるが

英国インペリアルカレッジロンドンからの報告では、「オミクロン感染者はデルタ感染者より、病院にかかるリスクが20〜25%、一晩以上入院するリスクは40〜45%低い」という結果だったという。またエディンバラ大学からは、11月1日から12月19日までの入院データを参考にオミクロンはデルタに比べて入院するリスクが3分の2低下していると発表され、デンマークからの報告でも、オミクロン感染者の0.6%が入院したのに対し、他の変異株の感染者の入院は1.6%であったという。

確かに重症化のリスクは今までのコロナの他の変異種と比べ低いようである。

しかし、ここからが大事なのだが

「オミクロン株は重症化しないから感染しても問題ない」と考えるのは危険

既にこの手の言質がネットでかなり拡散されているが、やはりこれは危険であり、決して鵜呑みにしないことが重要である。

またWHOは入院に至るリスクが下がっているにもかかわらず、感染者数が非常に多いことから、入院や重症化、死亡例は大きく増加している点に警鐘をならしている。「重症化リスクが低い」という言質が独り歩きするのは非常に危険であるといっていい。

またワクチン二回接種してもオミクロンに感染している実態が明らかになっている。

www3.nhk.or.jp

英国インペリアルカレッジロンドンの研究では、新型コロナウイルス感染歴のある人にとって、デルタ株での再感染よりもオミクロンでの再感染のほうが5.4倍起こりやすい(ワクチン未接種の場合6.36倍、ワクチン接種後では5.02倍)ことが示唆されている。

つまり結論からいうと「オミクロン株は他の株よりも再感染する可能性が高くなる」ということがいえよう

現在三回目のブースター接種が日本でも始まっているようだが、一定の効果はあるようだがそれでも万全とはいいがたい

やはり治療薬を医療現場に普及させることを優先すべきではないだろうか。

 新型コロナウイルス感染症治療薬「モルヌピラビル」はオミクロンにも有効だという。ワクチンが万全でない以上、これを普及させることを優先すべきてはないだろうか?

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 投与対象は重症化リスクがある18歳以上の軽症~中等症患者。1日2回、5日間服用するという

あと自宅療養者でも服用しやすい飲み薬が日本でも使えるようになるという。製品名は「ラゲブリオ」

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それにしてもコロナウイルス COVID-19は変異が激しい、僅か二年もしないうちに「アルファ」「ベータ」「ガンマ」「デルタ」「オミクロン」と5種類も変異している。この5種の比較を下に示す

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SNSでビルゲーツのコロナに関する予想が拡散されている。この予想通りになってほしいとは思ってはいるが断定するのは時期尚早だ。僅か二年以内に猛スピードで変異を繰り返すコロナの変異次第では真逆もありうる。

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オミクロンが重症化リスクが今までと比べて低いのは確かなようなのでそう思いたくなる気持ちもわかるが油断は禁物である。

何よりも重症化が少ないから『ただの風邪』と侮るのは危険である。

 

「青天を衝け」最終回終了 一年間見ての感想 渋沢栄一の合本主義とSDGs

最近ネットやSNSで歴史関係の記事等が増えていることもあり、大河ドラマ、歴史ドラマに関する記事が減っていますが(汗)とりあえず今日は一「青天を衝け」の視聴者として単純に一年間見せてもらった感想を書きます。

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まあネットによくあるドラマの内容を重箱の隅をつつきまくって「あそこは史実と違う」なんて掘り出すような野暮なことはいいません(笑) 。そもそも大河ドラマは歴史のシミュレーションではないので、脚色や演出その他の要素が全くないはずなどありえないということはちょっと考えればわかるはずなので、史実と違うところを探して「知らない人が鵜呑みにしたらどうするんだ」みたいなことを言う人がいますが、あえていわしてもらえればそういう方は歴史ドラマなど見ない方がいいでしょう。永遠に「史実に完璧」なものなどあるはずがありませんから、

それでも今回の「青天を衝け」渋沢栄一が91歳という当時としては異例の長命だったこともあり、幕末だけでなく昭和初期まで入ってしまうわけで比較的確かな史料等はある方だと思います。これが戦国時代どころか平安、鎌倉時代となれば信頼できる史料を探すだけで一苦労ですからね。

それらを踏まえて申し上げますが、今回の「青天を衝け」私はドラマとしてよくできていたと思います。一回ごとのツボをきちんと押さえて人間ドラマとして描ききったと思いますので私は一年間楽しませてもらいました。しかもドラマとしてだけでなく、今の日本が必要としていること、考えなければならないことがふんだんに盛り込まれているように思いました。演出もなかなか良かったと思います。

今回の大河ドラマのポイントは主役が経済人ー実業家 であること

このようなパターンは過去あったでしょうかね?ちょっと記憶にありません。

しいて言えば昭和52年の「黄金の日々」ー呂宋助左衛門、くらいですかね?それくらいしか思いつきません。もっとも「黄金の日々」は舞台が戦国時代なので今回の「青天を衝け」とはだいぶ事情が違います。

www2.nhk.or.jp

私は一応リベラルを自認していますが、いわゆる左翼系(この言葉はネトウヨみたいなので使いたくないのですが) 経済人=悪、的なニュアンスでとらえる人には批判的です。まあ正直リベラル系にそういう人が少なくないのも事実です。実際リベラル系の活動家で経済人、事業家と席を同じくすることに抵抗を示す人間を私は知っています。しかし経済人、実業家というだけで悪、などと決めつけるのは、日本共産党共産党だから中国や旧ソ連一党独裁を支持する、と決めつける一部保守の人と本質的に変わらない気がします。

考えてみて下さい。日本共産党の志位委員長が何度も中国共産党を批判し「中国共産党共産党の名に値しない」と繰り返しいっています。では名前が同じだというだけで同類視する人が絶えません。同様にイギリスの労働党北朝鮮朝鮮労働党は同じなのか、という議論と同じです。少し考えればバカげた決めつけであることがわかります。

 

渋沢栄一についてはいろんな評価をする人がいるでしょうが、やはり利益一辺倒の実業家ではなく、私益よりも「公益」を重要視している点がポイントだと思います。渋沢栄一は一部特定の人々の利益を求める閥を成すことを嫌い、広く国民全体が豊かになる事を希求した「合本主義」を目指しました。ドラマでも何度もこの言葉が出てきました。合本主義とは公益を追及するという使命や目的を達成するのに最も適した人材と資本を集め事業を推進させるという考え方で私益のための資本の集中では無く、公益の追及、より良い社会の実現のために、資本や人材を合わせる事の重要性を説いたものということができます。

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実はこの考え方こそ今の日本に必要なものである、と考えます。なぜならこの合本主義はある意味世界で新たな経済政策としてトレンドとなりつつあるSDGsに通じるものだからです。

SDGsとはご存じの通りSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称でSDGsとは17のゴール・169のターゲットから構成されていますが、大きくわけると

1) 貧困の撲滅ー誰一人取り残されない社会

2) 持続可能で無理のない生産目標、レジリアンス

3)  安価かつ信頼できる持続可能なエネルギー政策を始め環境への配慮、有害物質の排除

4) ジェンダーおよび人種、肌の色による差別と多様性(デイバーシテイ)の推進

5)富の分配等を始め持続可能な経済システムを構築

ここで1)3)5)は私は渋沢栄一が推進しようとした合本主義に通じるものだと考えます。渋沢栄一は巨万の富を得ながら生活困窮者を救済する養育院を自費で運営していたのはドラマでも描かれたとおり。貧困を撲滅し「公益」によって誰一人取り残されない社会を目指していたと思います。

しかし日本ではいまだ「弱者切り捨て」を正当化する新自由主義が主流になっており、とりわけ経団連をはじめとする大企業の経営者はいまだに新自由主義政策を支持している向きが強い、といっていいでしょう。

それらが自民党や維新の会をはじめとする支持を支えていますが、その関係でかけ声とは裏腹に日本はSDGsの面で世界から大きく後れをとっております。

いまだ昭和の発想から抜け出せない日本の経済人が大多数、それを見ると太平洋戦争以前に生きた渋沢栄一の方がはるかに時代を先んじており、まさに渋沢の合本主義こそが日本ならではのSDGsにつながると考えるのは私だけでしょうか?

日本人同士で話しているとわからないかもしれないですが、日本の外では今ドラステイックに価値観が変化しています。

正直大多数の日本人はそれに気づいていませんし、理解もできていません。

しかし渋沢栄一の生き方はこれからの経済リベラリズムを考える際に大いに参考になるのではないかと考えます。

その意味でよくぞこのドラマを企画し、一年間続けてくれたと思います。

NHKは政治の報道に関してはいろいろ問題はありますが、ドラマ制作の方は頑張っているといっていいでしょう。

一年間楽しませていただきました。

ありがとうといいたいです。

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