KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

経済格差は「グローバル政策」や外国人労働者によってもたらされたものではない。復活のカギは「スキル」習得と旧態依然の社会の仕組みの改革

いささか長いタイトルになってしまったが、要は昨今の風潮が大きく誤った情報に基づいて動いていることに気づいたためである。

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言ってはいけない!「日本人の3分の1は日本語が読めない」

bunshun.jpタイトルだけだと日本人を必要以上に卑下した記事を受け取られそうだが実はそうではない。これはOECDによる国際調査に基づくもので日本人だけでなく他の国民についても調査している。実は他の国民と比べても少なくとも基礎学力の面では日本人はかなりマシな方である。

確かにネットをみてもテキストをきちんと読んでいない人間が多いのを感じる。また仮に読んだ(らしい)と思われている状態でもこちらの云っていることを理解しているとは思えないケースも少なくない

実は「読まない」のではなく「読めない」らしい。

「国際成人力調査」の結果概要

(1)日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない。

(2)日本人の3分の1以上が小学校3~4年生以下の数的思考力しかない。

(3)パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。

(4)65歳以下の日本の労働力人口のうち、3人に1人がそもそもパソコンを使えない。

 ほとんどのひとは、これをなにかの冗談だと思うだろう。だが、これは事実(ファクト)だ。

 という衝撃的な結果が出た。

これは先進国の大人の学習到達度調査PIAAC(ピアック)による調査によるもの

だがご安心なされ、

ほぼすべての分野で日本が24カ国中1位

 実はこんな悲惨な成績なのに、日本はOECDに加盟する先進諸国のなかで、ほぼすべての分野で1位なのだ。だとすれば、他の国はいったいどうなっているのだろうか。

 OECDの平均をもとに、PIAACの結果を要約してみよう。

 

1)先進国の成人の約半分(48.8%)はかんたんな文章が読めない。

(2)先進国の成人の半分以上(52%)は小学校3~4年生以下の数的思考力しかない。

(3)先進国の成人のうち、パソコンを使った基本的な仕事ができるのは20人に1人(5.8%)しかいない。

 

 だがこれを見て喜べないのは、ITスキルの面で日本は非常に深刻な状況だという点だ、

上記のPIAACパソコンを使えず紙で解答した者を加えた総合順位ではOECD平均をわずかに上回る10位、16~24歳では平均をはるかに下回る14位まで落ちてしまうという。

実際40-50代の働き盛りの人間でもWord Excell というPCの基本機能も使いこなせず、会社では「部下にまかせている」ため基本的なITスキルですら会得していないことが多いことに驚愕することがある。

特に日本国内のITスキルの低水準は予想以上に深刻だ。(だからいまだに請求書や見積り書とかをPDFでの提出を拒否されるケースが少なくない)

このスキルの向上は今後どんどん進むと思われるグローバル化、ボーダーレス化あるいあユニバーサル化の世の中に対応するためには絶対不可欠なものである。

そのグローバル化を真っ向から否定し、経済格差を全て移民のせいにしようという愚を犯しているのがアメリカのトランプ大統領だ。こんな記事がある

■経済格差をめぐる誤解、原因は移民や安い輸入品ではなかったーデジタル経済の嘘とホント
https://diamond.jp/articles/-/190362 

diamond.jp

この記事はトランプのように経済格差が広がっているのを移民や外国(主に日本や中国)のせいにしているが、実際には移民の流入や中国・日本からの輸入の増加は、経済格差とはほとんど関係ない。経済格差を解消するのは富裕層から貧困層への富の分配をすればよい。ドイツのように強力な所得再分配策を実施すれば、国内の経済格差はかなりの程度、緩和されるが、トランプ政権は全くそれをやろうとしていない、という内容の記事だ。大事なことはIT化、IoT、AIなどデジタル化の流れの中で時代に生き残るためには社会が求める「スキル」を会得する必要がある、という点だ。

要は「誰かのせいにする」というのは一番安易な方法論である。

経済状況が悪くなったのは移民のせいだ、ネトウヨ風にいえば朝鮮人や中国人のせいだ、などというのは自己のスキルアップを怠ったの棚に上げ、自らの状況悪化を他人や他国人のせいにしているにすぎないのである。

但し、スキルアップだけでなく社会のしくみも経済状況の悪化に寄与することがある、先程の「言ってはいけない!「日本人の3分の1は日本語が読めない」」の記事にも次のように書いてある。

日本人はたしかに知的には優秀かもしれないが、その能力を無駄にしているという残念な現実だ。それは日本人の働き方が間違っているからであり、さらにいえば、日本社会の仕組みに大きな欠陥があるからだろう。――私はこれを、日本が先進国のふりをした身分制社会だからだと考えている。

 知識社会というのは、定義上、言語運用能力や数学・論理的能力に秀でた者が大きなアドバンテージを持つ社会のことだ。

 

 高度な知的作業ができるスキルをレベル5とするならば、その割合は読解力でOECDの0.7%(日本は1.2%)、数的思考力で1.1%(同1.5%)しかいない。「ウォール街を占拠せよ」の運動では、1%の富裕層に富が独占されているとして「We are 99%」と叫んだが、PIAACによれば、これは経済格差ではなく職業スキル≒知能の格差のことだ。

つまり日本社会の仕組みに大きな欠陥があるという事実

だからせっかく世界最高水準の技術を有していても、マネージメントや経営者がそれを有効に利用する術を知らないというのは、実際私も感じている。世界トップの技術を持っていてもおいしいところは外国にさらわれていくのだ。

要は今の日本の状況を脱却するには「今までの日本社会の慣習、しくみ」を大胆にメスを入れるしかないだろうな。だがそれはものすごい抵抗が起きるだろうな。政治行政、マスコミ、企業、全部「当たり前の慣習」を変えないといけなくなる、

そのためにはこのグローバル、ボーダーレス時代を生き抜くには

1.職業スキル(特にIT関係の)を上げ、知能格差をあげる努力をせよ。特に労働市場で要求される知能のハードルが上がっている。

2.今までの日本の慣習にとらわれず、より効率的な社会の仕組みを再構築する

これしかないだろう。

もっともその前に文書読解力を身につ「問題文が読めない」などという事態を回避すべきだが..