KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

富士通のレポート「ネットは世論を分断するのか?」を読んでー分極化するのではなくネットはノイジーマイノリテイの意見を増幅しやすいのではないか?

今ようやく読み終えたのだが富士通総研から興味深い研究結果が発表された。

 

■結びつくことの予期せざる罠

-ネットは世論を分断するのか?-

私はネット時代に入って何事も両極化しているように見えて、そうした傾向に対して違和感があった。
右でなければ左、白でなければ黒
灰色のようなものは「中途半端」という悪いイメージが何となくネットに広がっているように見えていた。このレポートはそういわれていることを検証したものだった。

とりわけ最近私は全世界的に以下の傾向が顕著と感じている

1.人々が好みのニュース、情報、それこそ自分にとって都合のいい情報のみを見聞きするようになる傾向ーこれを「選択的接触という

2.SNSで自分と似たような人とばかり交流するようになり、意見が増幅される現状ーこれを「エコーチェンバー現象」という

これらによって政治的意見を始めさまざまな面で意見が分極化する、というふうに私自身も感じていたが、この研究レポートはその傾向について検証したものである。

結論からいうとFacebooktwitterでは分極化の一定の傾向はあると認めたものの、本研究レポートの調査はネットによって意見が分極化して社会が分断される、という結果に疑問を呈している。

研究レポートを見ると、ネットがネトウヨを始めとする「保守(個人的には彼らを「保守」の中に入れるには抵抗がある)」とリベラル派という元々政治的意識の高い人達がFacebooktwitterを使って意見を述べているので、ネット自体がネトウヨを始めとする「保守」とリベラルを分断しているとはいえない。

つまり数学的にいえば元々いた保守とリベラルがSNSを使ってネットの中で分断状況を作っているが、ネットがあったから保守とリベラルが分極化しているわけではないー必要条件ではあるが十分条件ではないーということらしい。

それはある意味正しいかもしれない。特にネトウヨといわれる人たちは全ネットユーザーの2%に過ぎないし、社会的にも圧倒的少数派だ。

だが最大の問題はこうした「ネットの少数派」はネットのあちこちで発言したり、成りすまし等で多数派工作をしたり等も含め、さらにネトウヨの同類が集まることによる「エコーチェンバー現象」によってあたかも彼らの意見が「多数派」であるかのように見えてしまう。という点であろう。

実際のネットユーザーの大半ではリベラルでもなく保守、ネトウヨでもない政治その他に対する関心の薄い人達である。それは世論調査で「支持政党なし」が50%を毎回超えている現状からもわかる。

つまり上記の研究レポートからいえるのはネットによって分極化は進んでいないものの

ネットでマイノリテイ―な意見が増幅されて、あたかも多数派であるかのように錯覚してしまう。

ということはいえるのではないだろうか?

上記のレポートでは「クレーム」についての研究もしており、いわゆる実際のクレームしたより、ナンセンスクレームや炎上をしかける人たちは全体1%に過ぎないというデータを提示している。

つまり 

ネットではノイジーマイノリテイーの意見が増幅される傾向が強い

ということはいえるかもしれない

これは私の予測だが一定の方向の意見を増幅する「エコーチェンバー現象」の影響が強いと考える。特に炎上をしかけたり、芸能人に難くせをつけて叩くような人間は基本的にヒマ人であり、そういうヒマ人は一定の場所に集結する傾向が強いからだ。実際「炎上」が始まると決まってその炎上を増幅させようとする輩が横から入ってくる。「炎上」場所はそういう「ネットのヒマ人」の集結場所になる。

それらを考えるとよくSNSのヘッドラインニュースで芸能人の誰々のブログなりSNSが炎上状態になったというニュースが広がるが、多くの場合報道する価値が果たしてあるのか疑問だ。(芸能ニュース的には「面白おかしく」伝えるいいネタなのでちょうどいいのかもしれないが..)  そのことに限らずマスコミも企業もそして社会全体もこういうノイジーマイノリテイが仕掛ける炎上、クレームに対していささか過剰反応し過ぎではないのか、と思う。

ネットはノイジーマイノリテイ―的な見解を増幅しやすい。そういう認識を広めることが大事なのではないだろうか?