KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

西郷どん(せごどん)-薩摩のお家騒動、お由良騒動について

西郷どん(せごどん)今日から主役の鈴木 亮平が出てきます。幕末の大きなうねりが始まるのはまだ先でしょうが、まずは幕末の薩摩藩を語る上で避けて通れない事件が薩摩のお家騒動となった「お由良騒動」です。本日の放送でも既にその前夜といえる場面が描かれていました。

 

 お由羅騒動(おゆらそうどう)は、江戸時代末期(幕末)に薩摩藩鹿児島藩)で起こったお家騒動。別名は高崎崩れ、嘉永朋党事件。藩主・島津斉興の後継者として側室の子・島津久光を藩主にしようとする一派と嫡子・島津斉彬の藩主襲封を願う家臣の対立によって起こされたものです

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島津斉興 1791-1859

斉彬の父で当時の藩主の島津斉興(鹿賀丈志)は保守的な性格でドラマでも描かれているように先進的な斉彬を嫌ってました。また斉彬の祖父の重豪の影響が強い斉彬を嫌っていた斉興や家老・調所広郷などの重臣達の方が久光を後継者にと望んでいたということで、いわば薩摩藩の中の進歩派と保守派の対立という構図があります。斉彬の祖父の重豪も進歩派で「蘭癖大名」といわれ、斉彬の父の斉興の時代にようやく黒字化した薩摩藩の財政を斉彬がかつて祖父重豪がそうであったように、再び悪化させるのではと恐れていた面もあるようです

それに対し、斉彬の早期の家督相続を希望していた勢力もあったため、壮年の斉彬にいつまで経っても家督相続せず倹約ばかりを強いる斉興へ反発を感じる若手下級武士や、斉彬を高く評価する阿部正弘でした。斉彬は、将軍・徳川家斉の弟で御三卿の一橋家当主・一橋斉敦の娘・英姫rを正室としていた事もあり廃嫡が不可能なのですが、斉興はどうしても斉彬に家督を継がせたくなかったらしく藩主に居座っていたようです

 

そこで今日も少しその模様が描かれていましたが琉球における密貿易を老中・阿部正弘に密告するという、一歩間違えば藩改易に成りかねない紙一重の手段に打って出ます。その結果、竜雷太さん扮する家老・調所広郷は阿部から直接事情聴取を受けた直後の嘉永元年12月19日(1849年1月13日)、薩摩藩江戸芝藩邸で急死します。斉興が隠居に追い込まれないよう一人で罪をかぶり服毒自殺したといわれます。

斉彬の子女で生き残っていたのは女子3人だけで、久光の子女が無事に成長していたのとは全く対照的で。斉彬派の家臣はこれを「お由羅の方が斉彬とその子女を呪ったものである」と考え、お由羅の方及び久光を擁立する家臣を、これを理由として排除しようと計りました。しかしそのため斉彬派へ徹底した弾圧がおこなわれ、本国から江戸屋敷に至る間まで斉彬派の切腹、蟄居、遠島などが行われ、斉彬の襲封は絶望的であるかに見えました。

しかし斉彬派の藩士で脱藩、一部の斉彬派藩士福岡藩に逃げ込みました。福岡藩主・黒田長溥は斉彬の年下の大叔父であり、実家の騒動を見過ごせなかった長溥は斉興が脱藩士を引き渡すよう強要するもこれを拒絶、実弟八戸藩主・南部信順と計って老中・阿部に事態の収拾を訴えた。以前より斉彬を買っていた正弘は将軍・徳川家慶に斉興へ隠居を命ずるよう要請。さすがの斉興も将軍命令とあっては拒絶できず、遂に斉興は42年勤めた藩主を心ならずも隠居し、家督を斉彬に不本意ながらも譲ったというのが経緯です。

つまり正室の嫡子である斉彬と側室の庶長子である久光の表向きは家督争いのお家騒動ということになりますが、不思議なことに斉彬と久光自身は仲が悪いわけではなかったようです。

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島津斉彬1809-1858

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島津久光1817-1887

また騒動の首謀者とされるお由羅の方にはその後特に大きな処分はなく天寿を全うします。大勢の藩士の生命の代償があったので何かすっきりしないですけどね

来週からこれに向けての動きが活発化するでしょう。明治の原動力となった薩摩藩長州藩ですが、長州藩にも椋梨という保守派がいたように、薩摩藩にも保守派が牛耳っていた時代がありました。決して開国開明派だけの藩ではなかったということは押さえて置かねばなりません。

 

斉彬は1858年に急死しますが、毒殺説もあります。西郷は斉彬に抜擢され手と足となって働きますが、久光とはそりが合わず久光が毒殺に関与していると西郷が考えたのが久光と西郷の確執の原因という説もあります。実際このところは「西郷どん(せごどん)」でどのように描かれるでしょうか? 見てみたいと思います

来週からこれに向けての動きが活発化するでしょう。