KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

IT起業家が口に出せない「こんなはずじゃなかった」ネットの惨状

休止前に云っておきたいこと4

インターネットが普及開始してから20年を過ぎた。インターネット黎明期にはご存じ「IT革命」とか「情報革命によって人類の未来はバラ色になる」などといった言質が飛びかった。この時期から「IT起業家」としてマスコミの寵児であるかのように扱われた起業家は口をそろえて「インターネットによって素晴らしい世の中になる」「IT革命」とか「情報革命によって人類の未来はバラ色になる」といった言質をまき散らした。今でも基本的にこういう人たちはこういった言質をことあることに主張して、「ネットによって世の中が変わる」ことを期待している「ネット住民」(中川 淳一郎さんのいう「ネット教信者」も含めて)たちの喝采を浴びているが心の底では私はこう思っていると思う。

  「こんなはずじゃなかった…」

こうしたIT起業家の言質を「藁をもつかむ」思いで「ネットのバラ色論」に固執している連中にはいい加減目を覚ませよ、といいたいのだが今のネットの目を覆わんばかりの惨状はこの通りだ

1.ますます情報の信頼性が低下するインターネット(デマ、ゴミ情報の氾濫)

今回のアメリカ大統領選で著しく問題になったFake News(嘘のニュースを誠しやかに伝えること) が問題になり、それらがFacebookを始めソーシャルネットを中心に広がった。ソーシャルネットをやっているとわかるが実はこのような嘘のニュースがまことしやかに伝わるのは今に始まったことではない。今ネットにはデマや嘘の情報、ゴミ情報が氾濫していて、その状況は年々ひどくなっている。
 元々IT関係者は「ネットの情報は自由放任であるべき」という基本姿勢を持っている。かつてmixiが毎日のように炎上を起してもmixiの管理側が「ネットは自由放任であるべき」という原則にこだわり、結果的にはmixiのソーシャルネット機能の事実上の崩壊につながった。mixiがかつてのような有益なソーシャルネットに戻ることはもはやないであろう。こういった惨状は「自由放任」といったネット黎明期の方針に多くのIT関係者がこだわった結果がこれである。IT関係者には不本意だろうが今回の「フェイクニュース騒動」に対してBBCの担当者は「私たちはインターネット上の情報を編集することはできないが、そのまま放置することもしない」と述べて、取り組みを始める意義を強調。IT関係者は認めたくないかもしれないが、もはやインターネットの情報は「自由放任」では成り立っていかないのである。

あえていわせてもらうが今のネットは 8割―9割はデマやゴミ情報 である

2.低レベル化するインターネット論壇、コンテンツ

ネトウヨを始め、短絡した見解があたかも「正論」であるかのように拡散している。元々インターネットは理屈が正しいか正しくないかに関係なく「いったもん勝ち」という傾向がある。また困ったことにネトウヨもいわゆる「ネットのヒマ人」は一般の人間より四六時中ネットにつながっているケースが多い。そのため始末が悪いことにこういったエセ正論=暴論の拡散能力だけはこの連中はある。そこでネットでは「暴論が正論」になりやすい。その「暴論」があたかも「正論」として伝わったため上映禁止になった第二次大戦をテーマとした映画が二本も出てしまった。
(1) 映画「ジョンラーベ」 詳しくは 
■映画「ジョンラーベ」上映会にて鑑賞ー史実に忠実ですが反日映画ではありません
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2015/12/post-242e.html
(2) 映画「アンブロークン」詳しくは 
■映画「アンブロークン」鑑賞ー不屈の精神を描いた良質の作品ー映画を見もしないで反対運動していた奴らは恥を知れ!!
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2016/02/post-2d22.html

後程述べるがこういう「暴論」があたかも「正論」として広まるのは主に「ネトウヨ」が「自分が気に入る情報」「自分が好きな情報」にしか耳を傾けず、ネトウヨでない人間が人間がどんなに証拠を見せようが見ようともしない傾向が強いためである。ハッキリいえばネトウヨデマサイトが「カラスの頭は白い」などといっても「そのとおりだ」などといいそうな連中だ。

3.文章読解力がネットユーザー全体が低下している

私は最近「実質文盲」という人間が増えていることを感じている。「実質文盲」とは何か?それは目の前に文章を書いてありながらそれを読まない人種である。詳しくは「実質文盲」の人たち
http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20060725  を参照されたい
それだけではなくテキストでもちょっとでも長いともう読まないのだ。下手すりゃtwitterの140文字すら満足に読まない人間が多い。だから家電の取り扱い説明書など読まずにこういうyou tubeの映像が出てくることになる

4.ネット時代に入りネットユーザーは情報に逆に鈍感になっている

 そんなバカな!と思うかもしれないが最近のネットの情報の扱い方を見ると残念ながらインターネット機器が発達してユーザーが情報に敏感になったかというと私は寧ろ逆だと思う。なぜなら最近の傾向として

 (1) 自分の好きな情報、自分が興味ある情報しか見ない。
 (2) 自分にとって例え嘘でも「都合のいい情報」「事実であってほしい情報」のみを信じる。つまり「見たくない真実」は見向きもせず「心地よい嘘」の方を信じようとする
 (3) 関心のないことは例え国や国民生活に劇的な悪影響を与えるものでも無関心であり続ける

つまり 情報の志向性が極端に偏り、志向性に無関係な情報に対しては逆に極端に鈍感になってしまうのだ

5.情報に関して「頭でっかち」の人間、わかっていないくせに分かった気になっている論調が多い

要はリアルに自分の足で情報を仕入れるのではなく、ネットにある情報、データを見てそれで「全てを分かった気になって」コラム、論文を書いている人間が多い。とりわけ経済エコノミスト系、ネットマーケテイング系、IT系の論客にこの傾向が強い。特にネットマーケテイングに至っては「自分の足で情報を仕入れる」のを「旧態依然の手法」などといってバカにする輩が少なくない。それで表面的、断片的なデータを見て「全てをわかった気になって」実にいい加減なとんちんかんな分析をしている。悲劇的なのは少し事情がわかった人間には的外れな分析だとすぐわかるのに、本人は自分がとんちんかんな分析をしている認識が全くないことだ。
 特に自称グローバリスト派などは「アメリカと同じ=グローバル」などと思い込んでいて、世界中が金太郎飴のように同質になることがグローバリズムである、などというお笑い草のようなことを本気で信じ込んでいる。ローカライズなど一切必要ない、といわんばかりだが、そもそもそんなものはマーケテイングですらない。特にMBAを取っている人間で時々そういう輩がいるがそんないい加減な考え方でよくMBAなんかとれたものだといわざるを得ない。アメリカの経済学学位はその程度のものなのか?

6.いっこうに減らないスパマー「荒らし」その他ストーカー行為に走るバカ

あえていわせてもらうが「インターネットというものはバカを大量生産している」 

インターネットは確かに便利ではあるが、その反面「情報あたまでっかち=バカ大量生産」という進歩のパラドックスが存在し、残念ながら最近はネガテイブな面ばかり目立つ。
 スパムや「荒らし」「炎上」に命をかける輩は基本的にヒマ人だ。そしてそうした「ヒマ人」が今社会に対して著しい悪影響をあたえている。この傾向は年々ひどくなっている。特に「出会い系」や「架空請求」等の犯罪を繰り返す輩はだいたい決まった人間である。IT業界が互いに協力してこういう輩をネットから追放しようと思えば不可能ではないはずだが、IT業界はこういう悪質なユーザーの締め出しには極めて消極的である、
 それはいまだにIT業界の大半が「ネットは自由放任であるべき」という原則に固執しているためだ。
だがこのままその原則にこだわればインターネットを始めとする情報化社会を崩壊させる危険性もおびている。

このままいけばせっかく夢を描いて「情報社会」を築きあげても、「インターネットは情報の量を増やしたが人類のIQを著しく下げた」
ということになりかねない。

それは「ネット住民」の教祖のようなIT起業家でも口にこそ出さないが内心そう思っているはずだ。だがそれを口にだしたら今までの自分の主張を否定することにもなる。だから彼らは内心「こんなはずじゃなかった」と思っていても口が裂けても昨今のネットの惨状について言及できないのだ。

以前約900人(正確には895人からの回答)のインターネットの「専門家」に2020年まで(あと3年だ)インターネットが人類や経済に与える影響について述べたアンケートがある
■Future of Internet IV
http://pewinternet.org/Reports/2010/Future-of-the-Internet-IV/Overview.aspx?r=1

これはインターネットの専門家のアンケートなのでどうしてもインターネットに対してポジテイブな見解でまとめやすいのだが、現状がいかに惨澹たるものかわかる
1.Googleは人を愚かにしない  
 75%がこの意見に同意  → 確かに検索のスキルは向上したが、理解が表面的断片的なのに理解した気になっている、つまり結果的に「知ったかぶり」が多くなり愚かになっている
2インターネットにより読み書き能力が改善しや知識の量も豊かになる
  「実質文盲」が増え、文章読解力が著しく低下、140文字のtwitterすら満足に読めない輩が増える。知識の量も「知ったかぶり」が多く 知識が豊かになったようで逆に無知な輩が増えている


ここで情報産業を推進している人間が聞いたら卒倒するようなことをあえていおう

そもそも情報が多い、ということは人類にとって本当にいいことなのか?

ということだ。

ネットを通じて流れている情報の大多数がデマ。フェイクニュースの類で「どれが本当に正しい情報なのかわからない」というのが現実だ。
現代のように情報があふれている社会ではそこに生きる我々は毎日が情報戦を強いられている、というのが現状だ。

問題は世の中の人の大多数が「毎日情報戦を強いられている」という認識を持っていない点だ。とりわけ日本人は他人、とくにお上、やマスコミの情報を疑うということを教えられていない。そのため今回アメリカで起きたような「フェイクニュース」のような情報操作にはいとも簡単に操られてしまうだろう、
これだけ情報が多いと個人の能力で情報を取捨選択しきれるものではない

その情報戦に対して身を護る方法として
1.他人の情報をすぐに鵜呑みにせず、真実という確信が得られるまで行動は控えること
2.「自分が同意したくなる情報」「自分にとって都合のいい情報」が来たらまず、それを疑うこと
3.できれば自分の足、リアルの部分でその情報の真偽を確かめるように心がける事
毎日の情報戦、 デマにパニくったり、慌てて行動しないようになるべく情報に対して冷静になることを心掛ける。少なくとも「デマを拡散」する一役を買わないように気を付ける事だろう