KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

権力に屈しているのは誰か?「電波停止」発言へのジャーナリスト抗議

勿論、抗議の声を揚げないよりはいいに決まっている。

24日に改めてジャーナリスト5人が高市総務大臣の「電波停止」発言に対する抗議声明を発表したが、そもそも2月29日の最初の「抗議会見」ですら最初の「電波停止」発言から二週間が経っており、私にしては反応が遅い、遅すぎるという不満を感じていた。筑紫哲也久米宏がキャスターをやっていた時代なら即刻抗議声明を出していただろう。

安倍政権擁護派からは高市総務相は「放送法の内容を述べただけだ」と主張しているが見当違いも甚だしい、文脈を見れば「政府に都合の悪い」キャスター降板の背景の国会質疑での文脈で飛び出た「電波停止」発言。普通に考えればわざわざこのような発言を持ち出す必要性などないはずであり、高市総務相はほぼ確信犯的に繰り返しこの「電波停止」発言をまるでマスコミ関係者をあざ笑うように繰り返していることからも、これは明確な圧力を意図した発言と受け取るのが自然であることはいうまでもない。

しかし29日の「抗議会見」そして本日改めて行われた抗議会見に関してもある種違和感を感じているのだ。

それは「圧力に屈しているのは誰か?」という点だ、

そもそもTBSの岸井キャスターなどは「降板」の当事者の一人であり、News23の降板騒ぎの背景をきちんと視聴者に説明すべきであるがそれはよくわからない。それ以外にも各マスコミが安部政権の圧力に屈していると受け取れる動きはちょっと見ただけでこれだけある。

1.NHKクローズアップ現代   国谷裕子  降板
2.報道ステーション     古館伊知郎 降板
3.NHK『ニュースウォッチ9』 大越健介 降板
4.TBS 役員         金平茂紀  退任
5.News23 アンカー         岸井成格  退任

いずれも安部晋三を始め自民党にとってはジャマな存在のキャスターばかりだ。これだけ同じ時期に降板するのは「単なる偶然」などと考える方がおかしいことは火を見るより明らかである。

わずかに辛うじて「放送法遵守を求める視聴者の会」なる怪しげな日本会議系の団体に名指しされた岸井成格は完全な降板ではなくTBS専属のスペシャルコメンテーターに就任し、テーマによってはNews23に出演するらしいが、本当に辛うじて最後の垣根をわずかに守ったという感じである。

この惨状を見るにつれ、前述のジャーナリストの抗議声明を見ても、高市に対する抗議の必要性は云うに及ばず、安倍政権の圧力に屈したと受け取られても仕方のない行動を取ったマスコミのトップこそ糾弾されるべきではないのか? とも思うのだ。

それゆえこの怒りは、権力の圧力にいとも簡単に屈する日本の大手新聞、マスメデイアのトップに対してもいうべきことなのだ。

そもそも日本のマスコミは一体何をそんなに恐れているのか私には全くわからない。

マスコミは政治とは独立した第三の権力といわれるし、ある意味そのくらいの存在感と強靭さは必要なのだが、今回の安倍政権でわかったのはマスコミが本当に政府の圧力に対していかに脆いかということを嫌というほど感じさせられた。

今回の安倍政権でマスコミが大きく失ったものがある。

それは国民からの信用だ。いくらメデイアリテラシーが世界最低の国とはいってもここまで権力に権力の圧力に対して脆さをさらけだしたら、信用度も下がることは避けられまい。

悔しかったら安部政権をひっくり返らせるほどの大スクープを流して、安倍晋三が辞任せざるを得ない状況を作ってみるといい。

そうすれば少しは信用をとりもどせよう

「メディアが権力を批判的にチェックするということと、高市大臣が言っている政治的に公平であるということとは、全く次元が違う話だ」(鳥越 俊太郎氏)
「時の権力をいかにチェックするか。どこが間違いかを厳しく追及するのがマスコミの役割だ」田原総一朗氏)

これらの言葉がいずれも空しく聞こえてしまうのが至極残念である。