安部政権の暴走を許したリベラル勢力の愚直
もう今更言うまでもない。安倍政権の集団自衛権の容認は立憲主義よりも軍事同盟を優先した歴史的暴挙であり間違いなく憲政上の最大の汚点である。
安倍晋三が憲法9条を廃止したがっているのは既に周知の事実だが、この集団自衛権の容認によって同盟国(実質的にはアメリカ)との連合軍結成や国民の意思に反して戦争を始めることも事実上可能になり、憲法9条を事実上無効にする行為である。昨年末の国家機密法の強行採決に続き、安部政権の暴走はとどまるところを知らない。
だがこういう安倍政権の暴走を許した元凶は国政選挙で国民の半数近くが投票しなかったことも大きいが、やはり何よりもリベラル勢力の体たらくが大きな原因であろう。
以前脱原発に関してこういう記事を書いたことがある。
■日本に「脱原発」の動きが加速しない理由ー河野太郎の記事を読んで
http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20130830
勿論河野太郎は自民党でどちらかというとタカ派で知られる。
しかし「脱原発」に関しては時々的確な論を展開することで知られる。
<前略>
現実的に脱原発を実現しようとするならば、同じ方向を向いている人を結集し、最大公約数の目標を多くの人で共有していくことが大切なはずだ。
しかし、ネット上の様々な書き込みを見てわかるように、そうした動きに対して逆行しているものも多い。原発を推進しようとする勢力、原子力村の利権を可能な限り守っていこうとする声と戦うのではなく、脱原発を主張している人たちの間の細かな主張の違いを取り上げて、あいつはだからダメだ、このグループはまやかしだ、こんな主張はとんでもない等と、本来、脱原発という共通の目標を持っているはずの人を盛んに非難する人がいる。
<中略>
本当に脱原発を実現しようというならば、敵は推進派であり、まだ残る原子力村・電力村である。
河野太郎のこの指摘は全く正しい。
脱原発が目的なはずなのに、別の脱原発派との「自分たちとの僅かな差」が許せず後ろから鉄砲を撃つようなことをする。「脱原発」は本来国民の大多数が支持しているにもかかわらず、そのため脱原発運動がなかなかまとまらず大きなうねりにならない。今年初めの都知事選にしても脱原発派候補が一本化すれば、例の大雪が投票率に悪影響を及ぼしたことはあったにせよ、どうなったかわからなかったはずだ。護憲にしてもそう。愚直、融通が効かない、大勢の中で埋もれるのを嫌う。
もう1つ、日本のリベラル勢力の体たらくについて批判した記事がある。
■あくまで憲法を守りたいリベラルのあなたへの手紙
http://www.huffingtonpost.jp/keizo-kuramoto/post_7966_b_5551067.html
今の安倍政権が「これだけのことができている」状況は、(選挙システムに問題があるんだとか色々言いたいこともあるでしょうが)やはり安倍政権側が悪逆無道で無責任な戦争したがりなだけじゃなくて、それに対抗する人たちの「言ってること」が、今までいつも「一方向的」すぎて、「相手側に全ての責任」を負わせてしまうようなタイプのものしか提示できなかったことが、やはり一周回ってきて原因なんじゃないか、という観点をちょっとでも持たないと、お互いの意地の張り合いがさらに引くに引けなくなって、ほんとうにこのままズルズルさらに・・・ってことになりかねませんよ。
だから、自分がカッコイイこと言えてスッキリ!ってだけに終わらないような、「相手側の理屈も包含するような立場」を、「アンチ安倍側」の人間が考えだしていかないと、相手の価値観において相手の中では完全に論破されている(それが正しいかどうかは異論があるでしょうが)意見のツブテを全力で投げつけているだけでは・・・ねえ?
<中略>
ただ単に「アメリカが悪い」「安倍が悪い」て方向で一方的なことを言うことが、いかに状況に解決の繋がらないか、ということを我々が心底まで理解することが第一歩なんですよね。
確かに日本のリベラル派というのは「理念を云って終わり」「自分が正しいことを主張して終わり」という傾向があり、悪くいえば「自己満足」の傾向が強すぎたともいえる。
それゆえ、他のリベラルグループの「自分たちとの僅かな差」が許せず結局上記の著者がいうように意見のツブテを投げつけるだけで満足してしまう傾向が出てしまう。
そんなことをやっていたから、結果として安倍をあれだけのさばらせ、暴走させた結果になっている。その意味ではリベラル派も私は糾弾したい
安倍政権の暴走は言語道断だがそれを許したリベラル派にも大きな責任がある。
声を大きくしていいたいのは
つまらん違いにこだわらず、まず再度リベラル派は大同団結して安部政権をまずは倒せ。
同じリベラル派に対して後ろから鉄砲をうつようなことはするな
ということ。
これ以上安倍晋三を暴走させないためにも、リベラル派の反省と反転攻勢を呼びかけたい