憲法記念日に安易に改憲を叫ぶ世論の矛盾
今日は憲法記念日、しばらく政治に関する記事は書かないつもりであったが昨今の世論の動向を見ると書かざるを得ない。
現在世論は「まず、改憲ありき」かのような論調が幅を利かせている。
だが問題は今取り上げられている96条だけではない。
昨年の衆議院選挙でも私は改憲に関して懸念を示す記事を書いたがみんな9条のことのみについて私は書いていると取った人が多かったらしい。
それだけでも私の記事をきちんと読んでいない証拠でもあるのだが、(だから私は「実質文盲」の奴が多いと書いたのだ)自民党の憲法改正草案をもう一度見れば安部が憲法のどこを本当は変えたいのかがわかる。96条などほんの始まりに過ぎない
■自民党の憲法草案
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf
何度も書くが安部が本当に変えたいのは96条や9条だけではない。
もっと恐ろしいことを安部は考えている
憲法12条 基本的人権の尊重 → 実質削除
いざという時に権利を制限できるような内容に変更
憲法13条 29条 財産権の保障 →「公及び公益に反しない限り」が付加
逆にいえば国が公益に反すると決めつけば何でも個人財産を没収できる。(戦時体制を作ることができる)
どうも世論の動向を見るとこれらが何を意味するかわからず、能天気に日本を強くするための一手段と思って聞く人が多いようだが、このまま行けば気がついたら取り返しのつかない社会になっている可能性が高い。
実際国民は憲法について何も考えていないのは、国民の主張内容に明らかな矛盾が生じていることからもわかる
■「9条変えない意見多いのは意外」 世論調査
http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010585.html
5月3日は憲法記念日。朝日新聞社が憲法をテーマに行った全国郵送世論調査の回答を見て、作家の雨宮処凛さんは不思議がった。「もしこれが1人の人間の思考だとしたら、とても心配。ものすごく矛盾していて……」。映画監督・作家の森達也さんは、9条を変えないという人が多かったのは「意外だった」と驚いた。
アベノミクスに浮かれていて日本国民の大多数が安部政権支持。だけど9条含めて改憲には反対が大多数。
まともな知的水準を持っている人間なら明らかに矛盾していることがわかるだろう。結局よく考えないで目先の利益しか考えない人間がいかに多いかーいかに思考停止の人間が多いかということでもある。
そもそも安部政権−アベノミクスで経済が飛躍的に良くなる、などという何の根拠もない幻想を市場を始め全体が信じ込んでいるが、日銀の政策も一つ間違えれば経済破綻に結び付く可能性の高い「バクチ」に近いものだからそのうちアベノミクスの底の浅さがばれてしまった時が怖い。そしてみんなが経済のことしか見ていない間に既成事実がどんどん水面下で進んでいる。
この状態を非常に危惧する。
上記を見れば明らかだが安部晋三首相の究極の目的は戦前の戦時体制の復活である。
なぜならそれがこの男の祖父である岸信介の悲願だからである。今は化けの皮をかぶっているが安部は最も祖父の影響を受けた岸にとって理想の孫だからだ。
アベノミクスで浮かれているうちに気が付いたら牢屋の中、なんていう時代になりかねない。能天気に考えているうちに気が付いたら手遅れ、などという時代になりかねないのだ。