KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

成年後見人に関する誤解と勘違いについて

先日伯母の成年後見業務に関して新潟に行ってきました。施設スタッフとの面談、金融機関との雑務、そして新潟家庭裁判所への報告等を行いました。伯母の健康状態に異変が起きない限りは次回訪問は来年の6月頃になります。今年は親戚関係の件で年末年始に新潟に行くことがありましたが今年はそういう必要性がもはやなくなりましたのでその程度で済みます。

私が成年後見になって二年が経ち、成年後見が私が就任した当時と比べ社会的にも認知されているのを最近感じていますが同時に、成年後見に関してある種の誤解勘違いといっていいと思いますがーが新聞等の記事や事件等で見ることがありますのでこの点について述べたいと思います。

成年後見制度とは被後見人(後見を受ける人物)が認知症その他の肉体的、精神的な事情により自己の財産を管理する能力がなくなった場合に原則として被後見人の四親等以内の人物が本人に代わり財産を管理する制度のことをいいます。

しかしこの本人に代わり財産を管理するという点を甚だしく誤解する人がどうも後を絶たないようです。

私などは身寄りのない伯母の数少ない肉親である私の母親が「法的相続人」にあたることから他に相続権を主張する人物などいない点で私が成年後見に就任しても誰一人異論を主張する人物はいませんでした。

しかし場合によっては親戚や相続関係が複雑で財産相続権者が多数いる場合、成年後見に就任するだけで親戚同士で激しく対立するなどというケースも少なくないようです。

どうも成年後見というものを財産を好き勝手に管理できる権利がある人、などと誤解する人が少なくないようです。しかしこれは全く成年後見業務を短絡的にとらえた見解で全く事実に反します。

実際には成年後見が被後見人の財産を不正に使わないように家庭裁判所に関して銀行口座のコピーを始め詳細な報告をする義務がありますので、そうそう被後見人の財産を好き勝手にはできません。私などは口座の出金に関しては必ず「出金理由」を添えて提出しますし、それが成年後見の当然の義務です。

成年後見とはあくまで本人に代わって本人のために財産を管理する役割の人で決して好き勝手にできるわけではありませんし、被後見人逝去の場合は「公正に」遺産相続配分の処理も行わなければなりません。親族同士で遺産相続で問題が起きた場合は家庭裁判所に報告し仲裁を頼まなければなりません。つまり成年後見家庭裁判所の管理下に置かれるわけで、成年後見になったから「遺産相続の主導権を握られる」わけでもなんでもありません。

またこれ実際にあった話なんですが、成年後見はその業務を行うにあたって必要経費を被後見人の口座から引き出すことは認められています。 そりゃそうですよね。必要経費は自腹でいけ、なんていわれたら成年後見やる人なんて誰がやりますか?。
ところがこれを横領だといって騒いだ人がいてあわや刑事事件にまで発展した例があります。これも成年後見制度を誤解した例ですが、まあ財産、金になると人間というのは性格が変わる、といいますか泥仕合を起こすことが少なくないようです。ちょっと考えればわかることだと思うんですがね

私など成年後見業務を行うために東京から新潟まで移動しなければなりません。交通費もバカになりません。しかしそれは正当な必要経費として認められています。

成年後見原則無報酬です。しかも成年後見として認められるためには多くのハードルがあります。時間もかかります。その上で上記のようなことを他の親戚からいわれたらこりゃはっきりいって割に合わない仕事といわざるを得ません。

私の場合は「法的相続人」が母親であり最終的には自分にふりかかってくる問題だとわかっているので仕事を休んで東京から新潟まで行っているわけです。そうでない場合は成年後見で親戚じゅうから叩かれたらそりゃ割に合いませんよ。この制度はこれから高齢化社会が深刻になるにつれ必要な制度だし成年後見原則ボランテイアなんですからもう少しいくら事情が事情でも成年後見をやっている人を親戚でサポートしてあげる、という考えが定着してもいいんじゃないでしょうか?(だいたい自分で介護も何もしない人間に限ってえてして財産のことにやたらに口を出す人がいる傾向が」あります。財産のある人の葬式に突然「見たこともない自称親戚」が現れるのと同じですね)

ちなみにうちの伯母もそれと疑われる動きがあり、私が成年後見になった理由はそれもあったんですが、よく「自称親戚」と称して財産のある高齢者に近寄り「財産をかすめ取る」人間がいるようです。いわゆる「財産どろぼう」ですが非常に巧妙で「法的」には問題ないやりかたをしてきますので、そういう輩から守る意味でも成年後見制度は必要です。

尚、成年後見原則無報酬と書きましたが、事情を家庭裁判所に申し立てれば「報酬付与」が認められる場合があります。勿論申し立てたからといって必ず認められるとは限りません。ただ私の場合は自営業であること、(サラリーマンなら有給がつきますが我々自営業にはそんなものはありません) そして東京から新潟への移動で1日以上は確実につぶれること、等の事情を説明し認められました。

ただほとんどの成年後見被後見人と同じ地域もしくは近郊に住んでいるケースだと思いますので私のケースはあまり参考にならないかもしれません。むしろ例外的だと考えていただいた方がいいと思います。
高齢化社会には成年後見制度は間違いなく必要です。と同時に成年後見に対する誤解や勘違いもなくなってほしいと思う次第であります。