KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

facebookの「過度な」実名主義が日本国内の普及の足かせになる危険性

初めにお断りしておくが私はfacebook実名主義を基本的には評価している。これは実名であるがゆえに、自分の発言、記事、つぶやき等々に一定の責任感とリスクを負うことになるため、「荒らし」行為なども殆どなく健全で安心なソーシャルネットワーキングが可能になる。そのため今や2ちゃんと負けず劣らず「荒らし屋」スパマーの巣と化したmixiから完全にfacebookの方にソーシャルネットワーキングを移行している。

勿論facebookの方に「業者」が全くいないわけではないが、基本的に殆どのコンテンツを「友人のみ」のモードにすればその煩わしさも減っていく。いわゆるIT系シリコンバレーの留学組がよくいう、開かれた(つまりあらゆるコンテンツを「全体に公開した」)ソーシャルネットこそが真のソーシャルネットワークなどと主張しているが、私はmixiでそれをやって酷い目に何回も会っているのでいまfacebookでは全てを「友人のみ」の公開にし、その「友人」も自分がよく知っている人間、少なくとも複数回会っている人間のみに限定している。そうした使い方の方が現実的である。実名を使い、自分のありとあらゆる情報が「公開」されてしまうので、その情報の「公開範囲」をある程度限定するのはシリコンバレー組が何と云おうが自己防衛上必要である。実際「全てを公開」したがゆえにfacebookのソーシャルネットが元で海外では殺人事件まで起きている。

さて、前置きが長くなってしまったが、実はそのfacebook実名主義が少々行き過ぎではないか、と思う事件が発生した。本人及び事務所側の承諾がないので名前は公開できないが、とある女性アーチストのアカウントが突然凍結された事態が発生した。
「某女性アーチスト」とだけ記しておく

2012年4月9日にアカウントロックがかかってしまいました。
おそらくアカウントBAN(凍結)は今後増えていくと思われます。
なぜならfacebookは実名サイトにもかかわらず、日本では偽名登録が諸外国に比べて圧倒的に多いからです。
アカウントロックがかかった人の多くは、facebook側が本人ではないと判断した場合です。

個人の本名を使わず、お店の名前で登録したり、ニックネームで登録したりしていると、必ずBANになるのは時間の問題です。(BAN=アカウント停止のこと)

本名登録をして、プロフィール写真もきちんとわかりやすいものにしておかないと、いつBANになってもおかしくないと思われます。<中略>
私の場合のアカウント再開までの道のりを書いておきます。
4月9日にアカウント停止。最初は電話番号を入れて認証を求められました。ここで問題なのは、現段階でソフトバンクはこれに対応していません。(iphoneなどのソフトバンクユーザーは涙目)ドコモかauしか対応していないんです。
SMSによるメールが送られてきてログインが再開できたのですが、次の日に再度2度目のアカウント停止。
すかさずログインを試してみるも、画像認証が現れ、友達のタグ付けされた写真を見て友達の名前を当ててくださいというクイズのような認証画面が出ます。
しかも連続して5人の友達の名前を言い当てないとダメです。(スキップは2回まで)
答えは5択の選択問題です。
問題を解くのに時間がかかりすぎると認証はしてくれません。(即答する必要があります)これが大変厄介なんです.
私の場合、当時3740人以上の友達がいたので、写真を見せられても誰が誰だかサッパリわかりません。ましてや、遊びにいった時の旅行写真などが写っていたりするだけのタグ写真だと、本人が全く写っておらず景色だけの写真で「これは誰?」と言われても正解できるはずがありません。
私は自分から友達申請をしない主義だったので、ほとんどが相手側からの申請依頼に対して承認をして友達を増やしました。<中略>

私は経験していないのですが、最終的にアカウント停止でログインできない場合、複数の友達に認証をしてもらうという復活方法もあるみたいです。<中略>
あと、私の場合、音楽をやっているので全国各地で当然のようにライブ活動をやっています。<中略>
普段と違う地域からアクセスがあると、facebookは他人がハッキングしてログインしている可能性があると見て、一時的にアカウントをロックすることが増えてきています。旅行や出張の多い人は、友達を増やしすぎると大変なことになるという事実を頭に入れておいたほうがいいと思います。<中略>
私の場合、友達の写真認証をなかなかクリアーできず、ヘルプ画面から、「このアカウントは私本人です。偽名ではなく本名を使っています。アカウント再開を宜しくお願いします」と何度も送り続けました。
1週間ほどしたら、メールで返信があり、本人であることを証明するために免許証などをスキャニングして返信して欲しいとの連絡がありました。
免許証のコピーを送ってからさらに1週間ほどでアカウントロックが外され無事再開されました。
ここまでのいきさつで一番思ったことは、facebookは問い合わせ先が表記されていないため、いざアカウント停止になってもどうやって再開すればいいのかわからない点があります。
ヘルプ画面のフォームから送っても返事がすぐに来ないんです。これが一番の問題。
私の場合だと、ヘルプ画面の問い合わせフォームから交渉して1週間、免許証のコピーを送って1週間、合計2週間ほどかかりました。
何か規約違反して凍結されたのならわかるのですが、心当たりが一切ない場合は少し憤慨してしまいます。私は自分からむやみやたらに友達申請を送らなかったし、スパムメッセージも送ったことはありません。<中略>
facebookの考え方は個人サイトではしっかり交流のあるもの同士が本名で交流するべきで、商業利用はfacebookページでやって欲しいとの考え方があるようです。

特に私のような音楽アーティストは芸名を使用している人が多いので、個人アカウントでfacebookに参加するのには無理があります。(私は本名を使用していたので大丈夫だったのですが)<中略>
本名を使用せずにBANになると、そのアカウントは二度と復旧しないです。
いつBANになるかわからないので、今のうちに本名に変更して、しっかりとしたプロフィール写真を使用するべきです。
facebookのアカウント凍結は、何の予告もなく突然やってきます。

実は先日私の友人の一人も全く突然意味不明の理由でアカウントが凍結されるという事態が発生した。詳細な理由は不明だが、おそらくこのケースと同じく「本名」ではないとfacebook側に判断されてしまったからだと思われる。アカウントを凍結された友人は日系三世でしかも韓国の血も入るので当然ながら本名自体が「普通の日本人」と違う。そのためfacebook側が勝手に「本名登録ではない」と判断してアカウントが凍結されたものと思われる。

こういうことはこれから増えていくようだ。

また芸能人、タレント、アーチストなどの大半は「本名」を名乗っていないので、こういうケースだと芸能人やタレント、アーチストのアカウントが今後次々と凍結される可能性がある。上記の例のように

ここで私が問題視するのは

1.そもそも「偽名」か「本名」をたいした確認もせずにfacebookの独断と偏見で一方的に「偽名」と決め付けてアカウントを凍結させている点。せめて凍結前にID(身分証明書)の提示等をユーザーに連絡する等の措置はあって然るべきではないか?

2.芸能人、アーチスト、ペンネームの作家等々は例え本名ではないにしろ、その芸名、ペンネームによって世間に知られており、本人もその「名前」に対して大きな責任とリスクを負っている。これとネットによくあるいわゆる「成りすまし」と同等に扱うのはいかがなものか?芸能人、アーチストの芸名、作家のペンネーム等々は世間一般の人たちの「本名」以上に重いものである。そのことについてfacebookはもう少し理解を示すべきではないのか?

mixiでそのようにHN(ハンドルネーム:偽名)で自分の発言に責任を持たない風土も問題だが、「本名」という原則にこだわりすぎて杓子定規で一方的にアカウント凍結するというのもいかがなものかと思う。

このような運営は結果的に芸能人、アーチスト、ペン作家等の有名人のfacebook参加を事実上BANさせ、結果として日本国内でのfacebookユーザーの減少にも繋がっていくと思う。

アメリカの会社にありがちだがアメリカやその他の国でこのやりかたで成功したから、日本でも成功するはずだ、などと考える会社がよくある。だが云っておくがよくも悪くも日本は欧米社会といろんな意味で異質な文化を持っている国である。いわゆるIT留学組やグローバリストは「それだから日本は遅れている」みたいなことをよく言うが、それは違う。 ちなみにアメリカやその他の国でこのやりかたで成功したから、日本でも成功するはずだと考えて日本のマーケットに入った会社はことごとく日本市場を撤退している。(ebay , seattle coffee, paypal etc) 一方で日本のマーケットをローカライズの観点からよく調査し、「アメリカでのやりかた」にこだわらずに日本のマーケットに順応したところは全て成功している、(Amazon, Macdonald, Starbucks, etc)

真の意味のグローバリズムには「ローカライズ」も考慮しなければならない場合があるのである。でないと世界じゅうが金太郎飴のように全て同じ均質な社会になってしまう。日本のいわゆるグローバリストの中には「それこそがグローバリズムだ」などという輩がいるがそれは違う。 

facebookが本気でmixiを追い抜き日本のSNSのトップになる気があるのなら、その辺りを柔軟に考えるべきだろう。少なくとも本人確認せず、一方的にアカウントBANなどというやりかたはユーザーの不信感を招き、杓子定規的な運営は日本でのfacebook普及の足かせになる可能性がある。今ネットやメデイア等でささやかれているソーシャルネットの可能性とやらも絵に描いたもちになる可能性がある。