KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

人事ではない、ブラック企業は消費者が作っている可能性

ゴールデンウイークも終わりましたが皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか? さて皆さんご存じの通りゴールデンウイークの前半にとても悲しい事故がありました。関越自動車道でのバス事故です。亡くなられた方には心からご冥福をお祈りいたします。そしてご遺族の方々には心からお悔やみを申しあげます。

さて、この事故の原因、運転手に過酷な業務を強要したバス会社を非難するのは簡単です。しかしこの問題を分析すればするほど、この事故は自分とは決して「無関係」だとは思えないのです。それは次の記事からです。

■高速バス事故の「事故の責任」は、あなたにも私にもあるかもしれない。ブラック企業を生み出す「ブラック消費者」という問題
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32469
抜粋で引用させていただきます。

藤岡市関越自動車道を走行中の高速ツアーバスが道路左側の防音壁に衝突し、乗客45人が死傷、うち7名が死亡した事故は大変ショッキングな事故でした。運転手の居眠りが原因だと思われており、現在取り調べをされている最中です。本当にあってはならない事故であるし、亡くなられた方には心からご冥福をお祈りします。

 現在はこの事件についてさまざまな問題提起がされています。高速バスそのものの安全性の問題、運転者のモラルの問題、運行会社の管理の問題、道路の構造問題、特に競争過多である路線バスのコスト削減競争が今回の事故原因の遠因ではないかという論点があり、確かにそれはそのとおりなんだろうと思います。<中略>

ただ実際には検証しなければいけないのが、路線の拡大以上に事故が増えているのかどうなのかも同時に議論する必要があります。どうしても事故そのものはゼロにするのは難しく、そのための安全技術の開発が求められることと、ヒューンマンエラーをどう抑えるのかという問題は分けて考えなければならないでしょう。

■年収300万円以下の層を狙った企業やサービスが伸びる

 少し話は代わりますが、日本は構造的なデフレに苦しんでいます。たとえば1995年から現在までの日本の株価の値上がり率上位を見ると、ヤマダ電機ファーストリテイリングユニクロ)、ニトリなどの会社が上位に来ます。デフレ対応に成功をした会社群たちです。

論者によっては彼らがデフレを引き起こしたというような議論がありますが、それはまったくの間違いで、原因と結果を混同しています。マーフィーの法則の中に、「飛行に乗ると機内サービスを始めるとよく気流が乱れる。結論:機内サービスが気流をまきおこす」というジョークがあります。そのようなものに近いです。

このデフレ経済に対応をするためには、消費者に対する価格を下げるための企業努力が必要になります。それは「消費者がのぞんでいるから」です。生産者や販売者は売値を安くしたい動機はあまりありません。売値を下げるのは厳しい経営努力が必要になるからです。売値を下げるには、相当なビジネスモデルの工夫が必要ですし、原価を下げるか、従業員やアルバイトに長時間労働をお願いするか、賃金を引き下げるか、従業員の数を減らすしかないわけです。
<中略>
ブラック企業を生むバッドスパイラル

 従業員に過重労働を強いるという「ブラック企業」を生み出しているのは、それにも増しておそろしい「ブラック消費者」とはいえないでしょうか。より安くよりよいサービスを求めるのは賢い消費者の条件であります。しかし、それが度を超えてブラック消費者になってしまってないでしょうか。

 お客様は神様なのでしょうが、そのような客としての傲慢がその会社の従業員やアルバイトにしわ寄せを生んではいないでしょうか。タクシーの運転手のささいな口の利き方で腹を立てたりしていませんか。本来はサービスの受け手と出し手は平等なはずです。お客様に感謝をするのは商売人としては当たり前ですが、消費者としてもサービスの担い手にも感謝をするのが当然ではないかと思っています。

 よりよくてより安いサービスを。しかし、それが行き過ぎてしまい、過当な価格競争をするのはサービスの提供者だけでなく受け手の行動にも原因があります。多少価格が高くてもより安全性の高いものがウケるということになれば、サービスの提供者も安全性を高くし少しコストをかけて、その中で価格競争をしていくでしょう。

社会全体で給料が下がっていく。給料が下がる中でやりくりをしなければいけない。だから、消費者とするとより安いサービスを提供する業者にいかざるをえない。そうなるとその業者で働く労働者にしわ寄せがくる。そしてその労働者に過重労働か賃金引き下げのプレッシャーがくる。するとその人自身がブラック消費者になって、飲食店で怒鳴る。――というバッドスパイラルが起きています。

 ある意味では、今回の事故を引き起こした原因を知らず知らずにうちに私たち全員で作り出しているかもしれない。

 この負の連鎖を断ち切るのはどうしたらよいのでしょうか。政府が悪い、政治が悪い、官僚が悪い、大企業が悪い、と言っても天に唾する様なもので、すべて私たちに帰ってきます。ならば、まず自分たちでできることから始めたらどうでしょうか。<後略>

非常に的確な分析であり示唆に富んだ記事だと思いますので是非読まれることをお勧めいたします。

確かにブラック企業(IT系に特に多いですが)を非難したり批判するのは簡単ですが、そのブラック企業を作ったのは実は消費者そのものだった、としたらあなたはどうしますか?

もうデフレの状況は10年も続いています。。某竹中大臣は意図的にデフレを推進しましたが今は誰もデフレを止められないでいます。そしてそれが数多くのブラック企業を生み出し、横柄な消費者も生んだのも事実でしょう。私たち一般消費者全員が意識改革をしないとこのデフレの流れ、しいてはこの不景気が終わることはないかもしれません。

最後にこの記事の著者が非常にいい言葉で締めくくっていますのでこれも引用させていただきます。あ、結局殆どの文章を引用しちゃったか..(汗)

より良いサービスにお金を払う、「適切に支払う」ということは私たちが今日から行動できることです。「安く」でも「高く」でもなく「適切に」です。ほんの少しのトレンドの変化が世の中を変えます。少なくとも今回の高速道路の事故を少しでも「自分事」と受け止めて、少しずつ行動を変えることが、このような悲惨な事故を減らす、遠回りなようで、一番確実な方法です。

 ブラック消費者にならずに賢明な消費者になろうとすれば、それが日本経済を発展させることができるでしょう。ひとりひとりが日本経済を支えているのですから。

ネットの記事ー特に経済関係の記事で激しく同意することなど滅多にないのですが、この著者の見解には私は全く同感です。