久々平清盛ー祇園闘乱事件とドラマの視聴率
久々、平清盛の話です。
本日は歴史上初めて平清盛の名前が出てくる「祇園闘乱事件」
平清盛は宿願の成就を祈って、田楽を奉納しようとしている時に祇園社の神人に武具の携行を咎められたことから小競り合いとなり、放たれた矢が宝殿に突き刺さり多数の負傷者が発生する騒ぎとなった事件。ドラマでは平清盛が矢を宝殿に狙って射ったことになっていますが実際には誰が射ったのかわかっていません。いずれにせよ大変な騒ぎになり、忠盛も清盛も配流の危機に差し掛かった事件です。
最終的には「贖銅三十斤」の罰金刑という軽い処分に終わりますが、本日は今までのドラマの流れも考慮してなかなか見応えがありました。清盛が矢を射った時にまた「タルカス」がBGMになっていましたね。
さて、この大河ドラマ「平清盛」で気になるのは低視聴率が話題になっています。
個人的にはこの「平清盛」はここしばらくの大河ドラマの中でも非常にクオリテイが高く私はかなり評価していますが、やはり民放には不可能なほどの予算を使って制作しているこのドラマ、NHKは視聴率は関係ないといっても大河ドラマはそういうわけにはいかないようです。
まあ確かに最近気になる点としては前回、前々回を含めやや脚本が単調になっている印象もありますし、演技力に定評ある松山ケンイチの演技も、何となく大声を出しているだけ、という印象もあります。本日の放送ではあまり気になるところはなかったですが、
あと個人的には「和歌」はあまり得意ではないので、宮廷の女官と佐藤義清の和歌のやりとり、などはわかり辛いという点はあるかもしれません。歴史が好きな私も和歌は実はあまり得意ではないので(汗)...
しかし低視聴率の原因はどうもそういうことでもないようです。何しろあのひどかった「天地人」や「お江」より低いというのはちょっと納得がいきません。
まあ演出や脚本で細かいところをつくといろいろ出てくるんでしょうが、今回の低視聴率の傾向は放送の初回から出ていることを考えますと、そもそも今回の「平安時代」を舞台にしたストーリーと、歴史上では「平家物語」の影響でどうしても悪役のイメージが強い平清盛という、大河ドラマのテーマ自体に元々そんなに世間の感心がなかった、という面が大きいかもしれません。
同じように「坂の上の雲」も非常に高いクオリテイのドラマでありながら、低視聴率に終わりました。日露戦争を描く、というだけで抵抗感を示す人も少なくありませんしそもそもこの時代にあまり関心がない人も多かったのが背景にあるようです。
では今回の平清盛の低視聴率の原因もそれなんでしょうか?
私などはだからこそ、興味があって最初から見ているのですが、どうも世間の人の多くはそういう「新しいパターン」「なじみのないパターン」というのはとっつきにくくて見る気がしない、という面もあるかもしれません。私などはいままでの定説とは違う平清盛というものがどう描かれるのか興味深々で見ていたのですが、そういう私の方が社会の少数派ということ、なんですかね?
歴史というのは「勝者」が書く、というのは常識です。だからこそ我々は「勝者の歴史」を鵜呑みにしてはいけないわけで、歴史上「敗者」はたいていの場合悪者にされています。古くは蘇我入鹿然り、平将門然り、戦国では石田三成然り、
清盛も平氏を滅ぼした源氏の鎌倉幕府時代に書かれた「平家物語」によって徹底的に悪者にされてしまいました。
しかしそれは必ずしも正しくはないのではないか?実際清盛の人生を「平家物語」以外の歴史書を見ると、かなり当時の社会にとって革命的なことをやっていますし、実は非常に情け深く義理堅い人格であったという説もあります。だからこそ今までのイメージとは違う平清盛を今回の大河ドラマで見てみたい、と思ったわけですが、
そう考える私は、 単なる歴史マニアなんでしょうか?