KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

円高、株安と英国の暴動は実はリンクしている

この円高、本当に困ったもんである。しかも複数のアナリストの話だとこれはほんの始まり、年末は1ドル60円台にもなるという観測もある。
■ドル/円が下落、77.00円割り込む=EBS
http://bit.ly/mUz6iX

しかし日本は産業構造上輸出で成り立ってきており、特に特殊な技術を売りに世界で闘っている中小企業にとっては死活問題である。日本の「輸出立国のありかた」が時代遅れとして批判する金融アナリストが一部にいるが、それはそういった中小企業に対して「死ね」といっているのと同じことである。何よりも日本経済がここまで大きくなったのは安くていいものを海外に売って来たからここまで大きくなったので、単なるマネーゲームのみで大きくなるなどという幻想こそがナンセンスである。

どうも金融系やIT系の人たちはモノ作りを旧態依然の産業と決め付け見下す傾向があるが、そういう見解が特にネットでまだあたかも正論であるかのように伝わっているとしたら、それは日本の苦境脱出の足かせにしかならない。

しかし一方ではこういう事態になったら今までとは違う方法を考えざるを得ないであろう。そうはいっても主要取引先が海外の場合は円の為替とは無関係の世界で資金を処理する方法を考えなくてはいけなくなる。具体的には円以外の口座を持つといった方法である。少なくとも当分は円高傾向が止まることは考えられないので早急な対策を取らないと日本の基幹産業や特殊なノウハウを多く持つ中小企業が軒並み倒れてしまう。

ドルの格下げ、円高、世界同時株安の昨今の事態は第二次大戦前の世界大恐慌以来の深刻な事態といっていい。これはアメリカが2000年頃から始めていた新自由主義的経済対策の破綻がきっかけであり、オバマ政権になってそれが改善するどころか寧ろ事態が悪化してしまったからである。

その事情はアメリカだけでなく日本も逆に格差が広がっているし、ヨーロッパも同様である。

私見では現在ロンドンをきっかけにイギリス国内中で飛び火している暴動はきっかけは警官の黒人青年の射殺だが、そこにはイギリス国内の深刻な経済格差(そして階級による格差ーイギリスは世界で最も階級意識が強い国である)が背景としてあると思う。

■英首相 暴動拡大で緊急閣議
http://bit.ly/qalWDs

その意味ではロンドンを中心に発生した暴動と今回の世界同時株安と円高、一見無関係に見えるが実は背景はリンクしていると思う。

結局イギリスも日本も新自由主義による金融危機、社会の歪みを是正できずに寧ろ事態を悪化させてしまったようである。新自由主義市場原理主義はいまだにネットなどでも支持者が多いが(多くは実は「勝ち組」ではない)いろんな意味で悪影響が残ったままのようである。

いずれにせよこれから世の中はとんでもない時代に突入しそうである。

批判を覚悟の上でいうが

過剰な社会主義ベルリンの壁崩壊で東欧の経済は破綻した。しかし市場原理主義による過剰な資本主義はサブプライム問題に発し今回のドル格下げの金融不安を招き破綻しようとしている。結局過剰な社会主義も過剰な資本主義もどちらもうまくいかないということだ。

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