KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

建国記念日で天皇についてあえて考える

今日は建国記念日ですね。

なぜ2月11日を建国記念日なのかというといわゆる紀元節から神武天皇が即位した日が西暦紀元前660年2月11日と「比定される」というのが理由です。それは日本書紀に記述が元になっていますが、勿論日本書紀大和朝廷が自分の権力を正当化するために書いた記述ですから、そのまま信じるわけにはいきません。だいたい紀元節どおりだと神武天皇は125歳、その他初期の天皇も皆100歳以上生きていないと帳尻が合いませんからそれはまずありえないでしょう。

そんなありえない話を日本では戦前に教育で事実であるかのように教えてきたというのもよく考えたら恐ろしいことですし、日本の右翼勢力国家主義勢力はいまだにカルト宗教のようにそれを信じている人たちがいます。まさに北朝鮮的な世界で私などとは相容れませんが、しかしこれを機会にあえて天皇というものを史実の観点から考えてみることは有意義かもしれません。

しかしひとくちに天皇といってもあまりにテーマが深すぎるし、よくも悪くも日本の歴史と密接に絡んで存在してきたため日本人にとってもある種特殊な存在であることは確かです。そのためそれら全てについて1つの記事で書くのは不可能です。。

日本の国家主義勢力はいまだに天皇万世一系と信じている人が多いようですが、私は実はその説を取りません。しかし仮にその万世一系論を取らなくても現在の今上天皇は世界でも異例といってもいいくらい長く続いた王朝であることは否定できないと思います。

実際真の最初の天皇は誰なのか、それは史実で確かめられたわけでもないし、中国の書物で最初に出てくる倭の五王も実際誰を指すのかはっきりわかっていません。考古学的に見ておそらく存在が確実視されている最も古い天皇応神天皇だといわれています。(歴史学者の中では神武=崇神=応神を同一人物と考える人もいます)はっきりいえるのは天皇の祖先といわれる人たちが日本全体を掌握したのはどんなに早くでも3世紀末ー4世紀頃といわれています。

あと先ほど私は万世一系論を取らないといいましたのは、武烈天皇のあとの継体天皇の時に王朝交代があったのはほぼ確実だと考えるからです。武烈天皇も跡継ぎがなく、応神天皇の5世孫とされる継体天皇が王位に就いているわけですが、そのプロセスはどう考えても不自然ですし、だいたい継体天皇は即位してから大和に入るまで20年かかっていることを考えますと、かなりの権力争いがあったと考えるのが普通だからです。継体天皇以降の天皇の年代はほぼ正確であることを考えますと今上天皇の本当の祖先は継体天皇と考えてまず間違いないと思います。

その後天皇の地位は律令国家が成立するまで非常に不安定でしたが、平城京以降は安定した権力基盤を築きました。しかし天皇が実際に自ら執政したのは飛鳥、奈良時代のみでそれ以外の時代は藤原時代の摂関政治鎌倉時代以降の武家政権天皇が最高実力者に「お墨付き」を与えることで権力者たちが権力を正当化していきました。また明治から第二次大戦以前は天皇は最高権力者ではありましたが一応は立憲君主制のもと内閣が実際の政務を取っていました。天皇憲法と議会、内閣を「承認」する形で進められており、これは現在でもこういう形が取られています。(現在の民主党内閣も皇居で天皇の前で就任式を行なっています)

ここで見えて来るのは天皇は権力にお墨付きを与える「ブランド」で古代からあり続けてきたという点です。そしてある人たちにとっては天皇「アイデンテイテイ」ですらあったという点でしょう

第二次大戦の日本の敗戦の時にアメリカは天皇制を廃止し天皇を裁判にかけ処刑することまで考えていました。しかし日本社会を分析した結果、それをやると日本人そのものが崩壊すると結論付け、その結果国家元首ではなく「象徴」というよくわからない形で天皇家を残しました。これに関していい悪いは私は述べませんが、このことが天皇というものが現代の日本人にとって一体何なのかわかり辛くしている原因かもしれません。

今日本はありがたいことに一応民主国家です。独裁国家と違い政府の批判は勿論、天皇ですら批判するのは自由です。しかし実態はやはりまだ立憲君主制をややうすめた形で存在しているのかな、という風に思います。それがいいか悪いかは個人で違うでしょうが..

ただ一点だけいえば、日本は民主政治で憲法でも基本的人権が保証されている国ですが、実は唯一その基本的人権が認められていない人たちがいます。誰だと思いますか?

実はそれは天皇家、皇族なんですね。この方々は我々が当たり前に思っている以下の権利がありません。
・選挙権と被選挙権がない (皇族である以上特定の議員を応援することも、議員として立候補することもできない)
職業選択の自由がない(皇族以外の職務にはつけない)
・信教の自由がない 神道での最高地位ですので他の宗教には信心できない)

言論の自由がない (皇族が政治的発言を公ですることは禁止されている)

行動の自由もない(説明の必要ないでしょう?)

これを見ると私なんか何億円つまれても皇族にはなりたくないですね。まあなってくれなんて誰も思わないでしょうけど(笑)..