KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

大河ドラマ「龍馬伝」と坂本龍馬

久々に大河ドラマの話です。今日は坂本龍馬の最も大きな実績である
薩長同盟」という佳境に入っていますが、大河ドラマ龍馬伝自体は低視聴率に悩んでいるそうです。平均18%(!!)

http://mousoutaiga.blog35.fc2.com/blog-entry-342.html

前にも云ったように大河ドラマNHKのアイデンテイテイの1つみたいなものなので、やはり低視聴率というのは看過できないでしょうが、勿論昨今の全体的なテレビ視聴率の低迷を考えると他局と比べていれば遥かにいいですけどね。しかし過去の大河ドラマの視聴率からすると、かなり今回は厳しい結果になっています。

NHK大河ドラマの平均視聴率推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3967.html

個人的には目も当てられないほど内容がひどかった天地人より平均視聴率が低いというのは納得がいかないんですが、まあ視聴率がそのままドラマのクオリテイに反映するとは限らないので一概にはいえません。元々幕末ものは視聴率が苦戦するといわれてますが、それは時代背景がとても複雑なためといわれています。しかし今回の龍馬伝はその意味ではちょっと単純すぎるほど単純化している気がします。武市半平太などは単細胞的な右翼のように描かれていましたし、後藤象二郎が上士をかさにきた醜悪な人物として描かれている等、ちょっと登場人物像が薄っぺらで単純化しすぎている印象があります。

でも音楽家の観点からいいますと今回の龍馬伝の音楽はかなり今までの大河ドラマではかなり斬新なサウンドにしていると思います。佐藤直紀の今回の音楽はかなりテクノハウスやゴアトランス的な要素まで入っており、今までのクラシック的なサウンド一辺倒の過去の大河ドラマの音楽とは明らかに一線を画しています。上記の記事にも書いてあるように演出的にはかなり今までの大河ドラマにない最新の感覚も取り入れています。(もしかそれにかえって退いた人もいたのかもしれない)

あと芸能雑誌に書いてあるように、細かい人物像や事象のプロットがずれているという指摘もありましたが、実は大河ドラマは回ごとに演出家、つまり監督が違うためにこういうことが起きるんですね。朝の連ドラでもそうで、実は今回高杉晋作をやっている伊勢谷友介は「本職」は映画監督ということもありNHKのそういう作り方にかなり違和感を感じていたようです。(それでしばらくNHKと仕事しない、といっていたのに、今回高杉晋作役を引き受けた背景を知りたいですけどね) まあ原因はいろいろあると思いますが少なくとも私自身は昨年よりは楽しんでいます。もっとも昨年のアレと比べちゃいけないかもしれませんけどね...

さて、大河ドラマが低視聴率に悩んでいるから坂本龍馬に対する関心はそれほどでもないのか、と思ったらさにあらず、坂本龍馬の出身地の高知はもとより、亀山社中ゆかりの長崎、そして京都は観光客でにぎわっているそうです。

■「龍馬伝」の経済効果444億円!
http://news.biglobe.ne.jp/social/232/snk_100107_2321494536.html

大河ドラマ,「龍馬伝」の経済効果 長崎県は210億円,高知県が234億円と試算(日銀)
http://misuzukaru.blog90.fc2.com/blog-entry-195.html

まあ「お祭り好き」「ブーム好き」な日本人ならでは、といえなくもないですが昨年の天地人や一昨年の篤姫を遥かにしのぐ経済効果はあったようで、やはり単なるブームに流されているという単純な図式と断ずるのは早いかもしれません。

これについていえるのはやはり坂本龍馬、という人物にはやはり不思議な魅力があるからだと思いますね。坂本龍馬は生前は殆ど知られた存在ではなく、今回の薩長同盟」とにしても縁の下の力持ち的な役割だったわけで、坂本龍馬の存在が一般に知られ始めるのは「龍馬伝」にも出てきましたが高知の『土陽新聞』に坂崎紫瀾記者の記事でした。そして司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』で国民的な人気が出ていましたが、司馬遼太郎自身かなり脚色した可能性が高いので実際の龍馬とはかなり違う可能性があります。

しかし坂本龍馬自身の考え方を見ると確かにどこか現代的な部分を持っています。幕末ー江戸時代の人間にも関わらず他人の意見を尊重しながらリーダーとして引っ張っていく姿。坂本龍馬自身は特に学問ができたわけではないし、他の海軍操練所のメンバーと違い航行技術もそれほど持っていたわけではない。しかし明確なビジョンを持って集団を引っ張っていく。そこが何か「こういうリーダーはいないかな」と現代の日本人に思わせる部分を持っているかもしれません、

さて、薩長同盟が成立しました。この後いよいよ寺田屋事件で龍馬は重傷を負います。もう来週は9月ですが龍馬の人生はもう2年ありません。残りはどう描かれるでしょうか?