KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

「天地人」と「Jin-仁」の違い

さて、昨日は飲み会もあったので結局「天地人」は9月下旬以降全く見なかった私ですが、まあさまざまな意見がブログにも出ていますが、正直いって「やっと終わってくれた」という印象ですね。

NHKというのはスポンサーがないから視聴率は無関係、という建前論があります。勿論大半の番組はそうなんですが例外があります。それは

1. 紅白歌合戦
2. 七時のニュース
3. 朝の連ドラ
4. 大河ドラマ

まだ他にもあったかもしれませんが特にこの4つは「低視聴率」ではNHK内では済まされない事情があります。これは民放のような視聴率=広告収入ということとは全く違った視点で要はNHKのアイデンテイテイ=存在理由」と同等なものとNHK自身が考えているからです。したがってこの4つの番組に関してはある意味民放以上に視聴率にこだわります。これらに関しては低視聴率に終わったらプロデユーサーの首が確実に飛びます。

だから今回の天地人に関して、「篤姫」で獲得した女性ファン、にわか「歴女」を離したくない、という気持ちはわからないではないし、そのため「どんと晴れ」の朝の連ドラでそこそこの視聴率を獲得した小松江里子を起用して「ホームドラマ風」の大河ドラマにしようという意図だったのでしょう。

しかしそれは結果としてはイケ面好きな若い女性層を中心に高視聴率を獲得しましたが、歴史考証や出てくる歴史上の人物の描き方には批判が集中したのは周知のとおりです。私も途中からそのあまりの人物キャラの薄っぺらぶりに見るに耐えられなくなり、ついには真田幸村直江兼続が結託して千姫を助け出すなどという絶対にありえないシーンまで捏造した話を聞いた時には、視聴率のためとはいえそこまで大河ドラマを貶めるかと空いた口がふさがりませんでした。

まあテレビの世界は視聴率が全て、どんなにひどいできのドラマでも「勝てば官軍」というのはそのとおりかもしれませんが、ここまで視聴者をバカにした内容はいずれそのしっぺ返しを食らうことになるかもしれませんね。高視聴率でもこの「天地人」が後の時代から評価されることはないでしょう。まあとにかく次の大河ドラマがよいできであることを期待して早く口直ししたいです。

ちなみに「天地人」の歴史捏造を見て「他のドラマだってそうでしょ!!」などという人がいるようですが、同じ捏造にしてもちょっとやりかたが違います。例えば天地人直後の「Jin-仁」は女房が見ているのでいっしょに見ていますが、同じ捏造でも全く違和感なく見れます。それは確かに現代の医師がタイムスリップして幕末の時代に行くという「ありえない」設定ですが、出てくる歴史的人物の背景はきちんと考証されて前後も違和感なく創られていますのでかなり面白く見れます。原作者は相当歴史を研究しそれをベースにストーリーを書いていることがよくわかりますので、メチャクチャな設定でも全く違和感がないし、登場人物への感情移入もやりやすいです。この部分が今年の「天地人」に全く見られないんですね。 同じフィクションでも支離滅裂な捏造ときちんと計算された捏造では見る人間の印象が全く違うのです。 今年の「天地人」は残念ながら支離滅裂な捏造と云わざるを得ません。 そして周知のとおり「Jin-仁」はかなりの高視聴率を獲得しています。地上波で放送されている久しぶりに面白いドラマといえるかもしれません

まあ「天地人」で良かったのはミチルさんの音楽だけですね。

次の大河ドラマは同じ捏造をするにも計算された捏造で登場人物に感情移入できるようなドラマのできを期待したいです。「天地人」の二の舞いだと今度こそ視聴者はそっぽを向くでしょう。