KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

日本ビクター、国内家庭用薄型テレビから撤退へ

私ことだが、音楽の仕事に着く前は日本ビクターのこの部署にいた。
とはいっても現在のビクターのテレビ部門ではなく、以前茨城県の岩井というところにあった。
つくば市から車で二十分くらいのところである。
その事業所も今から6年前に売却され、そしてついに国内販売から撤退することとなった。元々国内販売は弱い会社なのだが、薄型テレビの開発に乗り遅れたのが致命傷となった。海外とて安泰ではない。

僅か数年とはいえ同じ釜の飯を食べた人たちはその後どうなったのか、気にならないといえば嘘になる。

全盛期には会社の稼ぎ頭だったこともある部門だが、時代の波に抗しきれなかったということだろう。

日本ビクターにはかつて「日本のテレビの父」である高柳健次郎という人がいた。戦前から「ブラウン管」の開発に取り組みNHKの博物館に展示されている「イ」の文字の送信に成功した人物である。こういう風土から映像や音に関しては家電メーカーの中では人一倍こだわりのある会社だった。特にブラウン管のキーパーツであるフライバックトランスや偏向ヨークの開発技術は世界一といってよく、市場のシェアもダントツだった。しかしその分、ブラウン管に対するこだわりが強く、それが液晶やプラズマテレビの開発に遅れを取った原因といえるだろう。

この会社をやめてもう二十年以上たつが、こんな状態になるとは思いもしなかった。あのままやめずにサラリーマンをこの会社で続けていたら今頃どうなっていただろうか。

ビクター、国内家庭用薄型テレビから撤退へ(ITメデイアニュース)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/16/news066.html

私が入社した頃は日本ビクターはVHSの開発で最ももうかっていた時代だった。しかし今は見る影もない。栄枯盛衰を目の当たりにしたのだが、自分がかつて所属していたところがおちぶれたのを見るのはあまりよい気持ちはしないものである。