心のケアのない社会
引きこもり 平均年齢30歳超す
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080410dde041040065000c.html
「ひきこもり」、
意外に知られていないがこれは日本独特の現象だ。
英語を始め欧米語に翻訳しようとしても正確なニュアンスを表現した言葉が見当たらない。
親との断絶をはじめ、社会に受け入れられない等さまざまな原因が考えられるが一番問題なのはこういう人たちの心のケアをする体制が日本社会には殆どない、ということ
好きで引きこもっている人など、「たぶん」いないと思う。本当は助けて欲しいんだと思う。しかし誰も助けてくれない。
日本では「カウンセリング」に関する偏見がまだ根強い。受ける人もカウンセラーを敷居の高い存在と感じ、「ああいうところにいくと周囲から白い眼で見られるんじゃ」といった観念が頭をよぎるという、欧米では歯医者に行くのと同じ感覚でカウンセラーが心理学者のクリニックがあるのだが、日本はそういう社会体制がないに等しい。
実際、「心のケア」なる言葉が使われ始めたこと自体、ここ十年くらいである。例の阪神大震災あたりから、それまでは「心のケア」なんていってもバカにする医者が少なくなかった。
引きこもりは社会環境、家庭環境が原因で引き起こされる。多くは親の無理解も多い。それゆえ本人は追い詰められ引きこもるしかなくなるのだ。
精神的に追い詰められ、それが自分を受け入れない社会に対しての憎悪に発展すると先日の茨城の殺傷事件のような方向に発展する。引きこもりは日本社会にある社会的病巣の縮図といえる。それなのに日本社会、行政、市民レベルにいたるまでそうした問題を真剣に取り組もうとしていない。こういう人たちのセーフテイネットを構築するにはどうしたらよいか、考えなくてはならないときが来ている。
彼らをただ「特殊な人たち」のひとことで片付けたら問題は永遠に解決されないだろう。そして先日の茨城のようなおぞましい事件もまた起こる。
なぜこの深刻な問題に対して真剣に取り組もうとせず、事態を放置するのか。このままいけば事態はどんどん悪化するのは目に見えている。そして日本社会にとって取り返しのつかない事態に陥るだろう