KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

裁判員制度ーアメリカ陪審員制度のまね 2

裁判員制度>「数年間延期を」新潟県弁護士会が決議

昨年の秋だったか以前も私はブログでこう書いたことがある。

■アメリカの陪審員制度の真似ーフリーランス、自営業には無理
http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20071024

実は結構これが実施されてもし自分に当たってしまったら自らの生活に多大な影響をこうむる事になるのだが例によって日本人特有の無自覚、無関心で市民レベルで反対の声を上げる人が少ないのは驚くべきことである。万が一これに選ばれてしまったらサラリーマンの人は裁判に出席するために会社を休むーそれも場合によっては長期間休まざるを得なくなり、我々のような自営業にいたっては、一定期間自分の仕事が殆どできなくなる。そういう制度だ。そしてその代償は一日、交通費、小遣い銭にもならない程度の手当てしか支給されない。それも殆ど強制の制度である。 

まあアメリカの某OJ シンプソン裁判のように1年の殆どを陪審員として拘束され、その間、プライベートは勿論、他の仕事も一切できない、というケースはさすがに稀だとは思うが、それでも万が一選ばれてしまったらそういう可能性は0ではない、ということは頭に入れておくべきだろう。

そもそもこの制度が殆ど国民の合意や議論を得ないまま、日弁連や一部の弁護士系の議員によって強力に推し進められていたという事実を認識すべきだ。その面では新潟県弁護士会は良心的な決議をしたといえる。

実際この制度が来年から実行されることすら知らない人も少なくない。
(まあそういう人はニュース等を殆ど見ない人と思われるので、それはそれで問題だが..)

結局、形だけアメリカの陪審員制度を真似たといえるが、実はこの裁判員制度、戦前の日本にもあったことをご存じだろうか。大正デモクラシーの動きの中で裁判に対する意識の啓蒙を意図して太平洋戦争直前までこの制度は存在した。だが実際は昭和に入ってから裁判員を辞退する国民があとを絶たなかったという。つまり一度失敗している制度なのである。それをなぜ今また強行しようとするのか?

これも例の「グローバルスタンダード」に対する崇拝と同じでなんでもアメリカの制度がよい、なんていう発想から来ているとしか思えない。「グローバルスタンダード=改革」でこれを信じない人間は全て守旧派、保守派という短絡した世界観が日本でも席巻したが、私のほぼ予想通り、アメリカの投機機運は結局、サブプライム問題という名の「バブル崩壊」を招き、結局投機が石油、小麦、金といった「先物」に回りそれが世界中の人間に迷惑をかけている。何というありがたい「グローバルスタンダード」だろうか?

繰り返し言うが、何でもアメリカの制度の方がいいという発想はいい加減捨てるべきである。8年間「グローバルスタンダード」をかかげたブッシュ政権が何を世界にもたらしたかもう一度冷静になって考えてみるといい。それでもまだアメリカのいう「グローバルスタンダード」とやらがいいのかね?

私のような自営業は、ただでさえ大変な状況なのに万が一これに当たってしまったら(また私は貧乏くじを引くのが子供の頃から異常に得意な男であるー当たる可能性は極めて高いと思う)はっきりいって死活問題にもなりかねない。そういう法律が来年施行されてしまうのだ。

新潟弁護士会の動きが全国に広がるのを願ってやまない