KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

ゲームがあるからこういう殺人が増えるのか?

「悪いとも思っていない」茨城県土浦市の連続殺傷事件金川容疑者が供述

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080327-OYT1T00558.htm

こういう事件が起きると必ず「ゲーム」というものが悪者になる。
確かにゲームの中にはいただけないものもあるし、「リアル」と「バーチャル」の区別がつかない、という議論がこういう事件が起きると必ず出てくる。

またテレビゲームを過剰に長時間やると脳に悪影響を与えるという最近の研究データもあるが、(やや誤解されて伝わっているようである)
http://research.cesa.or.jp/2-1.pdf (15ページ)

私的にはこういう議論はAVがあるから性犯罪が増えるといった類の議論に似ていると思っている。

結論からいってそれは違うと思う。ゲームは単なるきっかけに過ぎない。それなら全てのゲーマーがこういう凄惨な事件を起すということになる。

この男が引きこもりがちであったこと、定職につけなかったこと等、の背景を考えると「自分を受け入れない」社会に対する憎悪が背景にあり、そのはけ口をゲームに向けていたが、その行為が「リアル」な世界までに拡大していった、というのが真相ではないか。佐世保のスポーツクラブでの散弾銃事件、池袋アーケードでの無差別殺人事件、犯人はいずれも社会に同化できず、自分を受け入れない社会に対する憎しみにあふれていた。

先日の日記にも書いたが、「引きこもり」「通り魔」といった日本社会にある病原を日本社会は真剣に取り組もうとしていない。ゲームがあるからこういう現象が起きると考えたら本質を見誤る。これだけ無差別殺人事件が続いていながら、彼らは「特殊な奴らだ」「ゲームのせいでこうなったんだ」で片付けてしまっては問題の解決から遠くなる。

「引きこもり」「通り魔」、いずれも英語等に翻訳できない日本独特の現象である。このこと自体殆どの人が知らないだろう。欧米ではこうした精神的に病んだ人たちを助けるカウンセリングのシステムが確立しているが、日本はないに等しい。カウンセリングに対する偏見も根強く、受ける人たちも敷居が高く感じてしまう。

「ゲーム」をスケープゴートにしただけでは、問題の本質を見誤る。「臭いものにフタ」をするのと同じである。そろそろ「今日本社会にある危機」を真剣に見つけ解決方法を考えないと金川容疑者のような人物はまだまだ出てくるだろう。