KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

不二家の賞味期限詐称問題を受けて

不二家の今回の問題、だいぶ前にも雪印でもずさんな品質管理の問題が記憶に新しいがこの2つのケースには共通点があるように思う。

ひとことでいえば「コストダウンに伴う品質劣化の歪み」ということになるのではないだろうか。デフレが某金融大臣によってわざと、しかも長期間に渡って続けられたためにコストダウンの圧力は凄まじいものになっているのは周知のことである。

その関係で例えば電気製品や電子部品などは今日本で生産されているものは殆どない。国内生産だとコスト的に太刀打ちできないためだ。私はCD-ROM製作の仕事で食品業界とのつきあいがあった時期があるが、加工食品ー缶詰や冷凍食品等「保存」が効くものは海外生産が可能だが、今回の不二家のような生菓子は海外生産したくてもできるものではない。台湾や香港は国内生産分ではなく現地生産であろう。こういうものは輸送中に鮮度が落ちてしまうからだ。しかしコストダウン圧力は缶詰や冷凍食品等同じくらいかかっていると思う。となると国内生産の場合は当然いろんなところに影響が出てきても不思議はない。

別に不二家を擁護するつもりは毛頭ない。要は不二家にせよ何年か前の雪印にせよそうした社会背景が歪みとなって問題に発展したのではないかと思うのである。

勿論コストはフォーマンスは大事だ。だがコストパフォーマンスに関する努力はどのメーカーも目一杯やっているはずである。それ以上にコストダウン圧力をかけるとしたら品質に影響を与えるだろう。もうコストダウンの限界はそこまで来ている。何よりも「コストパフォーマンス」と「安物作り」は全く次元の違う話である。コストは無限に安くなるという幻想をいだいている人がまだ多くないだろうか。

殆どの製造業種は日常「コストとの戦い」を強いられている。
私の会社は事業の柱にCDパッケージ製作をやっているがそれも例外ではない。毎月いろんな企業から問い合わせはいただくがコストダウンの要求は年々厳しくなっている。しかし品質を保つためのコストダウンの限界は来ている。特にジャケット等の印刷物は海外にすればコストは安くなるのはわかっているのだが、日本の印刷技術は世界一である。しかも殆どの日本人は日本の高品質な印刷に目が慣れているから海外の印刷でやると違和感を訴える人が多いのだ。そのため印刷だけは国内でやらざるを得ない、となるとコストダウンに必然的に限界が出てくる。難しい問題である。

今回の問題の背景にはこうした要素があるように思うのである。
(元mixi日記掲載)